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転生サーガ~異世界勇者録~  作者: よっちゃん
第4章 レン編
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恐るべき奇襲

 仁はナイフを体から強引に抜くと、そのまま庭を抜けて家の中に戻った。そこに老婆とは別の人影が、柱に身を隠して、家の中にいる人をじっと見ていた。


「テメー・・・・」

「人の家に土足で入り込むなんて、君失礼だね」

 柱の中にいたのはマーカスだった。グリーンマイルの家を暴かれてしまった彼の向かう先は、ある程度予想していたが、まさかこのタイミングで帰って来るとは、仁自身予想外だった。


「おや、マーカスお帰り」

「ああ、ただいまお袋」

 マーカスは仁を見てニヤリと笑うと、仁は咄嗟にマーカスに向かって殴り掛かった。

「遅い」

「ぐうう・・・・」

 仁の右肩が突然炎に包まれた。同時に彼の背中に包丁が再び突き刺さり、彼の体はバランスを崩して、その場に倒れてしまった。


「これで邪魔者は減ったねえ」

「ああ、これで安心して過ごせるな。まだネズミはいるようだが・・・・」

 マーカスは玄関の方を睨み付けて言った。同時に、外から窓を突き破ってレン達が家に入って来た。彼らは仁が帰って来ないのを不審に思い、彼の足跡を辿って来ていたのだった。


「ちっ、次から次へと」

「へへ、悪いがよ。先生は助けるぜ」

 マックスは一歩前に出ると、拳に炎を溜めた。

「ビートダウン」

「マックス。僕と似た能力を持つ男。しかし僕の方が数段は優れているかな」

「うるせえ」


 マックスの拳がマーカスの頬を殴り飛ばした。彼の体は大きく後ろに吹き飛ぶと、そのまま木の柱に背中を強く打ちつけた。


「マーカス」

 老婆は心配そうにマーカスの元に駆け寄った。

「大丈夫だ。もう、すでに僕は手を打っている」

 マーカスは不気味にほほ笑むと、柱を支えにして立ち上がった。

「僕の最後の能力、前に説明しただろう。僕にはもう一つ隠していた能力があると。そしてそれを使えるのは、ウィリアムでもケビンでも無く、僕だけだ」


 マーカスの全身に金色のオーラのようなものが集まっていた。

「メルトダウン」

 マーカスの言葉と同時に、突如、マックスの背後に巨大な人型の炎が出現した。

「ゴオオオオ」

 炎は生きているかのように吠えると、マックスの体目掛けて跳び掛かった。

「危ね」

 マックスはそれを避けると、炎は彼の方を向いて、まるで生きているかのようにゆっくりと、彼との距離を詰めて行った。


「紹介するよ。メルトダウンと言うんだ。僕が敵と見なした相手の匂いを追跡し、自動的に攻撃する。まさに無敵の能力さ」

「こんなもん」

 マックスはメルトダウンと正面で対峙すると、右手に唸りを利かせて、その燃え盛る体を思い切り殴り付けた。

「うおおおお。ビートダウン」


「馬鹿な奴だ。自身の炎で僕の炎をかき消そうという魂胆か。止めておけ。メルトダウンは相手を始末するまで再生を続ける。決して破壊はできない。攻撃対象になった時点で、君の死は確定している」

 メルトダウンはマックスの手を焼き払うと、彼の右手がそのまま黒こげになり、宙を舞った。

「う、嘘だ・・・・」

 それがマックスの最後の言葉となった。彼の体は炎に包まれて呑み込まれると、そのままメルトダウンも一緒に空間の中に消えてしまった。

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