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転生サーガ~異世界勇者録~  作者: よっちゃん
第4章 レン編
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ミーシャ先輩は気が短いその2

ミーシャはレンの体を強く抱きしめると、そのままゆっくりと唇を離した。

「ぷはあ、い、いきなり何するんでしゅか?」

「あら、あまりの驚きに舌足らずになっちゃって、可愛い」


 フローラはミーシャの前に割り込むと、レンの両肩を掴んで、激しく前後に揺さぶった。

「ちょっと、先輩に何されたの?」

「キスされた。しかも舌まで入れられて」

「にゃにいいい」

 フローラは眼を渦巻きのように回転させると、そのまま泡を噴いて倒れてしまった。


 ミーシャは水の中に手を突っ込むと、突然血相を変えて、レンの方を見て叫んだ。

「危ないわ。離れて」

 ミーシャはレンの体を掴むと、彼女を押し倒しながらその場から離れた。それとほぼ同時に、水の中心に渦巻きのような物が発生し、それが間欠泉のように噴き出すと、マックスの顔にぶつかり、彼の額を割った。


「ぐ・・・・」

 マックスは額から血を流しながら、後ろに倒れると、それを見てクラス中がパニックに陥った。

「嫌ああああ」

 女子は叫び、男子も腰を抜かしていた。叫びを聞き付けた仁は、倒れているマックスを背負って水辺から離れた。


「おい、どうして攻撃が分かったんだ?」

 レンは陸地の方に走りながら、ミーシャの方を見た。彼女はレンの顔を見ずに無言で走っていた。

「やましいことでもあるんじゃ・・・・」

「私を疑っているのね」

「そりゃそうさ。あんな現象、どうやって予想すると言うんだ」

「ふん、せっかく助けてあげたのに、酷い言い草ね。それならば良いわ。証拠を見せるから」


 ミーシャは立ち止まると、突然、何を思ったのか。再び水辺の方に向かって走り出したのだった。

「な、何してる?」

 レンも思わずミーシャの後を追い掛けた。彼女は一足先に水辺に辿り着くと、岩の上に座り、足先を水の中に付けた。それとほぼ同時に、水の中に先程と同じ渦巻きが発生し、彼女の顔を目掛けて間欠泉が噴出した。


「危ない」

 レンは落ちている小石を掴んでクッションに変えて、彼女と間欠泉との間にそれを投げた。

 間欠泉がクッションにぶつかり、その反動でミーシャは岩場の方に吹っ飛んだ。レンはそのうちに彼女の所に行き、彼女を引っ張って水辺から離れた。


「危ないだろ。はあ・・・・はあ・・・・」

「あなた、今何かしたわね。まさか、あなたも・・・・」

 ミーシャはレンの顔をじっと見つめると、突然、彼女を両手で抱きしめた。

「嬉しいわ。私を助けに戻って来るなんて」

「それはいいからさ。早く離れないと」

「そうしたけど、今の衝撃で足を挫いちゃったのよ」

「ええ?」


 ミーシャはレンの腕を掴み、自分の背後に座らせると、先程、レン達がいた場所を指した。

「じきに敵の正体が分かるわ。私の能力、ホッピングキュートでね」

 突然、水の中から、海パン姿の少年が飛び出して来た。そしてそのまま、岩場の方に突っ込むと、岩に尻をぶつけ、何かに跳ね返えったかのように、空に向かって跳び上がり、何度も地面の上で跳ねていた。例えるならば、床に向かってスーパーボールを投げつけた時と同じような結末だった。


「ホッピングキュート。私が触れたものは、弾力を持つようになる」

「せ、先輩。まさか・・・・」

「ええ、あなたも不思議な力を持っているのね。私もよ。物心付いた頃から、この力を持っていたわ」

(ウィリアムのエヌを飲んだわけでは無いのか・・・・)

 レンはミーシャの横顔を見ながら、襲撃して来た男を捕まえた。

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