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転生サーガ~異世界勇者録~  作者: よっちゃん
第4章 レン編
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裸の付き合い

ヒョウは階段から真っ逆さまに落ちると、床に頭から突っ込んで、フラフラと立ち上がった。


「やるな。落ちた先が板でなく、コンクリートだったら、死んでいたかもな」

「そこも計算して落としたの。ありがとうは?」

「ムカつくぜお前。だが嫌いなタイプじゃねえ」

ヒョウは自分の周りの空気を急速に凍らせた。バリバリと耳障りな音が聞こえる。


「やば」

レンは二階の窓から、木の枝に飛び移ると、猿のように次々と木から木へ移動して行った。


「わっ、ちょ」

途中、うっかり足を滑らせたレンは、煙突に落下。知らない民家の中に入ってしまった。


とある民家の中で、一人の冴えない小太りの男性がいた。彼はその容姿から、女性とは無縁の環境で生きて来た。


「ああ、神様。可愛い女の子を僕に下さい」

男の祈りが天に通じることは無いが、突然、彼の部屋の暖炉の中に、上半身裸の美少女が降って来た。


「痛てて、ああ、もう最悪」

美少女は尻をぶつけたらしく、手で押さえていた。

「ぬおおお、空から可愛い女の子が。神様ありがとう」

泣きじゃくる男を無視して、レンは立ち上がった。そして、目の前で感動している男を横目で見た。


「ねえ、勝手に入って悪いんだけど、今、落ちた時に尻を打った。傷になってないかな?」

レンは男に背を向けると、スカートからパンティーをずらして、尻を突き出した。白い小振りな白桃が、男の視線を直撃した。


「神様ありがとう。俺、もう彼女とか要らねえ。こんな幸せ耐えられねぇよ」

男は鼻血を噴射しながら、ひっくり返り、泡を吹いていた。


「おい、大丈夫か?」

レンは倒れている男を左右に揺さぶった。窓に白い霜が付着し、ピキピキッと音を立てていた。


「もう来やがった」

レンは部屋のカーテンを千切ると、それをバスローブのように、体に巻いた。そして、気絶している男を引きずって、攻撃に巻き込まれないように、クローゼットに入れた。


窓にひびが入り、勢い良く割れた。レンは慌てて振り向くと、近くのテーブルの下に隠れた。


「おい、ここにいたのか。さっさと凍らせてやるからな」

窓の中からヒョウが現れて、足元の床を凍らせた。まるでスケートリンクのように、床一面銀色の世界へと変わった。


「そら、見つけたぜ」

足を滑らせないように、テーブルの脚にしがみつくレンを見つけて、ヒョウは氷の床を走り、レンの元に向かった。ヒョウ自身は氷に滑ることは無いらしく、とても軽快な足取りだ。


「うああああ」

レンは叫びながら床を叩いた。床の氷が砕け、一部、氷の塊が氷柱のようになって、レンの足元に転がった。


「終わりだ」

ヒョウの蹴りがレンの顔目掛けて、真っ直ぐに放たれた。同時にレンは砕いた氷の塊を掴んで、それをヒョウに向けた。


「氷の塊は物質だ。プリンスでこいつをハンマーにする」

レンの両手には大きなスレッジハンマーが握られている。氷の塊を能力によって、変化させたらしい。


「喰らいな」

「ごふ」

レンのスレッジハンマーが、ヒョウの顔面を右から殴り付けた。彼は口から涎を垂らしながら、床の上を顔で滑って行った。

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