表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生サーガ~異世界勇者録~  作者: よっちゃん
第4章 レン編
155/243

メイドのレン

 学校帰り、レンとフローラはグリーンマイル唯一のカフェである、コロンコロンに来ていた。レンは生活費をここでのバイトで稼ぐと決めていたので、早速エスティーに言われて、制服に着替えさせられていた。


「なあ、これおかしくないか?」

 エスティーは普段着だというのに、何故かレンだけ白と黒を基調とした、よくあるメイド服だった。何故ただのカフェでメイドなのか、その点に関して、エスティーは黙して語らない。ただ、客からの評判は良く、中にはレン目当てに店に来る者もいた。最近では、カフェに7日以上訪れると、レンと一緒にじゃんけんなどを遊べるサービスが付く他、さらに通い詰めると、今度はレンとの一日デート券が貰えるという。


「ご主人様。今日も来てくれてありがと・・・・」

 いつもの客にレンがニコッと微笑んだ。そして席に案内すると、客が顔を赤らめながら、コーヒーを注文した。

「はい、コーヒーですね。ミルクはどうしますか?」

「ふ、二つで」

「了解しました」

 レンはミルクを二つ持って来ると、いつもの呪文とともに、コーヒーの中にそれを入れた。

「おいしくなーれ。おいしくなーれ」

(オェェェェ。やべ、自分でやってて吐きそうだ)

 ここまで来るとやけくそである。人は金のためなら何でもできるというのはあながちウソでは無い。最もバイト中は、メイドに成り切っているので、意外にそんなり受け入れることができるのも不思議だ。


 その日の夜、後1時間で店仕舞いという時に、一人の客がコロンコロンを訪れた。


「いらっしゃ・・・・」

 言い掛けたところで、レンの顔が硬直した。そこにいたのは仁だったからだ。彼は基本的には寡黙で、余計なことは喋らない性格だったが、その顔が明らかに驚きに満ち溢れていた。寧ろ、言葉を交わさない分だけ、レンにとっては気まずかっただろう。


「随分と楽しそうだな」

「いえ、全然・・・・」

「一つ聞きたいことがあってな。うちのクラスのフローラが超能力に目覚めたらしいな。エヌを飲んで」

「ああ、そうみたいですね。ただ、それを飲ませて来た連中が死んじまったんで、オレも分かりません」

「そうか。実は敵の正体が分かった。情報屋から聞くところによると、最近、帽子を被った、丁度お前ぐらいの年代の女が、町の不良達にエヌを渡しているらしい。その中で、現在、帽子の奴を含めて3人の超能力者がグリーンマイル内にいるらしい。気を付けろよ」


 レンは話を聞きながらコーヒーを持って、それを仁の座る席のテーブルに置いた。

「おい、注文してねーぜ」

「オレからのサービスです」

「おいおい、教え子に奢ってもらう奴がいるか。払うよ」

「ミルクは?」

「ブラックで良い」


 仁はコーヒーを一口飲むと、突然、窓の方を見て怒鳴った。

「おい、そこにいるのは誰だ?」

 仁の声に窓の外にいる何者かが、店から逃げて行った。

「ちっ、最悪だぜ。聞かれちまったかも知れん。ただの不良かと思ったが、今のは帽子の奴だったかもな。だとしたらヤバいぜ」

「闘うんですか?」

「まあな、奴を含めて三人の超能力者がいるんだ。それに奴らはまだ子供。遊び半分で人の命を奪いかねない連中だ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ