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転生サーガ~異世界勇者録~  作者: よっちゃん
第4章 レン編
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学校へ行きたい

 ゲスラーはよほど驚いたのか、金魚のように口をパクパクと開閉していた。

「どうした。死にそうだぞ」

「あの方に子供だと。そ、その上、息子だと。どう見たって女にしか見えない」

「お前がガイアに逃亡した時、勢い余ってナイフで刺しちまった奴がいただろう。そいつと同じ人物だ」

「うへへ、信じらんねえ。あの方の子供を刺しちまうだなんて。俺はもう終わりだ。今日まで、あの方のために生きて来たというのに」

「良いじゃねえか。ギースはもうこの世にいないんだからな」


 仁はゲスラーの襟から手を離すと、そのまま手刀でゲスラーの後頭部を思い切り殴った。


「げふ・・・・」

 ゲスラーはうつ伏せに地面の上に倒れると、ポケットから拳銃を取り出して、立ち上がると同時に、仁に銃口を向けた。

「うひひひ。馬鹿か。手加減なんぞしやがって。俺を生きて捕らえようだなんて考えたテメーのミスだぜ」

「撃って来いよ」

「生憎、こいつに弾は入っていないんでね。ほれ、お前にやるよ」


 ゲスラーはポイッとゴミを捨てるように、拳銃を仁に向かって投げた。瞬間、彼の瞳が一瞬光った。

「ブルーインパクト」

 拳銃が仁の目の前で粉々に吹き飛んだ。同時に拳銃の破片が彼の顔や腕に突き刺さって行った。

「ぎゃはははは。俺の勝ちだ」

「ちっ、何勝手に勝ち誇ってやがるんだ。テメーに何の能力も無いと思うほど、俺は馬鹿じゃねえ」

仁は顔に刺さった金属片を手で抜くと、それをゲスラーの口に目掛けて思い切り投げた。


「俺の能力はアーツといって、触れた物体を強化できるんだ。この破片も強化した」

「あががああ」

 金属片に舌を貫通され、ゲスラーは口内に血を滲ませながら、白目を剝いて背後に倒れた。


「何とか生かした状態で捕らえることができたぜ。おい、もう出て来て良いぜ」

 仁は木陰から顔だけを出しているレンにそう言うと、彼女はオズオズと彼の元へと歩いて来た。

「この男は、お前の父親のかつての部下だ。お前の父親はこうやって、世界各地に部下を派遣していた」

「オレの父親はそんなに悪い奴だったんだ」

「お前が気にすることじゃないさ。それに、お前の父親を殺したのは俺だしな。父を恨むよりも俺を恨みな」

「恨めないよ。このゲスラーとかいう男を見てて分かる。俺の父親は悪だったんだ。仕方ないよ」


 仁は胸ポケットから小さな紙切れを出すと、それをレンに渡した。


「これからお前が通うことになるエンシャント学園への地図だ。父のことは忘れな。いきなりは無理だと思うが、この世界で平凡に暮らすんだ。俺も陰ながらだけど祈ってるぜ」

「ありがとう・・・・」

「じゃあな」


 仁はゲスラーを肩に掛けるように持ち上げると、そのまま彼のポケットから金色の玉を取り出した。

「こいつはゴールドオーブといってな。ブリタニカとガイアを行き来するための道具だ。これさえ天界から盗まれなきゃ、お前もこいつに襲われずに済んだんだがな」

 仁はオーブを天高く掲げると、その場に出現した金色の扉の中にゲスラーとともに入って行った。

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