新生活のはじまり
みなさん。今日からこの公星高校が俺の職場です。まあ…ハムスターのお前がなに言ってんだ?って思われるかもしれないので、とりあえず人間の姿に戻りますね。
『ぱちっ』
一瞬お待たせしました。俺はこの通り指をならすだけでハムスターの姿になったり、人間の姿になったりできるんです。もちろん、本来の姿は人間です。
では、いつからハムスターに変身できるようになったか…それはまた今度ゆっくりお話しさせて頂くことにして…子供の頃からずっと夢だった高校教師としての生活が今から始まります。さて、気合い入れて門をくぐりますかっ!!
あーやっと始業式が終わった。やっぱり大人になっても校長の先生の話って長く感じるんだよなー。次は、とうとう教室で生徒とご対面か!わくわくするなー。
『キーンコーンカーンコーン』
智也「では、チャイムが鳴ったのでみんな席についてー。」
?「はーい。」
智也「佑真!元気のいい返事ありがとう。」
佑真「佑真《ゆうま》っていい名前でしょ?俺、自分の名前気に入ってんだー。」
智也「じゃあこれからも名前で呼ぶな。」
佑真「おっけー。」
智也「えーっと、まず俺から軽く自己紹介をします。名前は本城智也《ほんじょうともや》と申します。大学を卒業したばかりなので高校教師として働かせて頂くのはこの学校が初めてになります。だからみんなーお手柔らかに頼むな。」
佑真「じゃあ先生さー、今年23歳ってことだよね?だとしたら、俺らが今年17歳になるから5歳しか変わんないなっ!」
智也「まあ…そういうことになるな。」
佑真「先生、彼女とかいんの?」
智也「いないよー。」
佑真「そうなんだー。俺には世界一可愛い彼女がいるんだぜ。」
隼斗「お前、ただそれ言いたいだけでしょ?」
佑真「だってヒナ可愛いすぎるから自慢したくなるんだもーん。」
陽菜「やめてよ、ゆうちゃん!恥ずかしいよー。」
佑真「クラス替えしたからさ、一応みんなに俺らのこと公表しとかないと!」
愛華「佑真ー。公表したからには、浮気するなよー♡」
佑真「わかってるって。」
彰「おい、お前らそろそろだまれ。お前らのせいで全然進まねえだろ。先生、早く進めて。」
智也「おー、ありがとう。ごめんな、フォロー助かるよ。じゃあみんなにも自己紹介してもらおうかな。名前となにか一言お願いします。それじゃあー出席番号1番の人から…。」
ふう。やっと家着いたー。生徒たちの名前と顔写真見比べて、早く覚えないとなー。
まず、今日のオリエンテーションの
時間で目立っていた子たちを整理してみるか。
大坂佑真
こいつはほんと、人懐っこいやつだったなー。えくぼが出て目がくりくりで…動物で例えたら顔は完全に犬だな。そういや、彼女がいるって公表してたなー。あー、この子が彼女かっ!
白石陽菜《しらいしはるな》
でも、佑真は確か”ヒナ”って言ってたような…でもなー、公表されて恥ずかしいって言ってたのは、顔写真見る限り陽菜だしなー。それにしてもこいつ美人だなー。
中尾隼斗《なかおはやと》
こいつ佑真と仲良さそうだったなー。顔の偏差値は俺と同じくらいかな(笑)背も俺と変わらないくらいあるから…学年で1番モテると予想しとこう。
七瀬愛華《ななせあいか》
女の子ではこいつが学年で1番モテるだろうな。
志道彰《しどうあきら》
喋ってた佑真達を注意して、俺のことをフォローしてくれたのがこいつかー。唯一、目立つ人物の中で真面目そうだな。
よーし。だいたい今日絡んだ生徒は把握した。ほかの生徒とともなるべく絡むようにして、早く覚えなきゃなー。