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Episode6:2人との帰り道

俺と桜井 琴音は道を迷ってる最中だった。

俺は買い物とかは専ら家の近くとかだったから滅多にこなかった。

彼女はというと誘ったくせに初めて来たのだと言う。

どうして誘ったのかと聞くと、

「行ってみたかったけど1人じゃ心配だったから」

2人でもしっかりと迷子になってますけどね。

「これからどうしよっか?」

学校らしき建物を見つければ帰れると思ったが、

高い建物に囲まれて全然見えはしなかった。

「分かりません」

確かにそうである。本当にどうしていいか分からない。

適当に歩いたら余計迷子になるだろう。

人に聞くのも考えたがどちらも聞く役は嫌という事になり・・・

「はぁ」

遊びに来たのに溜息が出るなんて・・・

「どうかした?疲れた」

「精神的にね」

「ふ〜ん」

「ねぇ、とりあえず歩こうか」

方法も思い付かず適当に歩くしかなかった。

「うん」

そう言ってベンチに座っていた彼女は立ち上がる。

そして2人で歩き始めようとした時だった。

「それ受けるなぁ〜」

どっかで聞いたことあるような声が聞こえてきた。

その方向を振り返ってみると、前の席の山本が友達と歩いていた。

俺は微妙にガッツポーズをとってから山本を呼んだ。

「山本」

その声に反応して山本とその友達グループはこっちを向いた。

俺はそのグループに向かって走り出す。

その後ろから桜井さんはゆっくり歩いてついてきた。

側まで行ってから俺は山本に話しかけた。

「なぁ、学校までどうやって行けばいい?」

「学校?なんでまた」

「迷ったから・・・学校行かんと帰れない」

「・・・馬鹿みたいだな」

そう言った後に山本は分かりやすく道を教えてくれた。

「ありがとな」

俺は素直にそう言って立ち去ろうとした。

「おい、待てよ」

山本が突然声をかける。

「その人誰だよ?彼女か」

「違うって。普通の友達だよ」

「あれ、桜井じゃん」

そう言ったのは山本の友達の1人だ。

「あ、近藤君」

「なになに、桜井って彼氏いるの?」

こいつ人の話聞いてたのかな?俺が友達って言っただろ。

「ううん。そんなんじゃない」

「そう、怪しいな」

そう言って近藤とかいう奴は詮索をやめた。

もう話も終わるかなと思い今度こそ俺たちは立ち去ろうとした。

するとまたもや山本が話しかけてくる。

「お前、秋月さんいるのにな。気をつけろよ」

一体何に気をつけるのだろうか?

「良く分かんないけど、じゃあな」

とりあえず適当にあしらい俺たちは学校へと向かった。


学校へ向かう途中、隣を歩く桜井さんが話かけてきた。

「秋月さんってさっきの風紀委員のことだよね?」

「うん、何で知ってるの?」

「壬柳君と同じ様に有名だから・・・」

「確かにね・・・」

幼馴染揃って学校の有名人か・・・

「それがどうかしたの?」

何でそんな事を聞いたのか気になって尋ねてみる。

「別に気になっただけだよ」

「そう」

「うん」

その後、俺たちは適当な会話をしながら学校へとついた。


学校についてからお互い道が違うのでそこで別れることになった。

彼女に手をふりながら大変な一日だったと考える。

そろそろ帰ろうと思い自分の家の方向へ歩いていこうとした。

ところがその時、誰かの声が聞こえた。

「佑斗」

聞き覚えのある声でどうやら俺を呼んでいるようだ。

声の方向を振り返るとそこには制服の双葉が立っていた。

「あれ、双葉。なんでこんな所にいんの?」

部活動も終わってる時間だから普通ならいるはずがなかった。

「別に・・・ボーっとしてたらこんな時間になってただけ」

「へぇ・・・」

返事はしたが内心は勿論疑っていた。

ボーっとしててって言い訳が下手くそにもほどがある。

「それより、佑斗今から帰り?」

「あぁ、まぁな」

「そう。じゃあ久しぶりに一緒に帰ろうか」

「あぁ、別にいいけど」

「じゃあ、行きましょう」

「うん」

俺を待ってたのかと一瞬考えたがありえない考えだった。

双葉がそんな事をするはずがないというのが1つ目

こっちを通るかなんて分からないのに待つはずがないというのが2つ目。

他にも考えられる事はあるけどこれで十分だろ。

2人とも、しばらくは無言で歩いていた。

俺達にしては珍しいなと思う。

こんな風になるのは喧嘩した時ぐらいだと思う。

なんとなく気まずくなった俺は声をかけることにした。

「なぁ双葉」

「・・・何?」

「本当はどうして学校にいたんだ?」

「さっきも言ったでしょ」

「信じる訳が無いだろ・・・」

「う〜ん。本当はまぁ学校でいろいろあったの」

「いろいろ?」

「うん。主に風紀委員の仕事とかね」

俺はこれ以上追及するのを辞める事にした。

そしてその後はくだらない話をしながら別れ道へとついた。



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