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Episode28:教室からのescape

双葉への気持ちに気付いた夜。

俺には気になることが1つだけあった。

「どうして桜井さんは知っていたのだろう?」

他の人は知っている様子ではなかった。

それなのに桜井さんだけは知っていた。

洞察力っていうのが優れてるのかな?

2、3分程考えてすぐにギブアップした。

所詮、俺の頭じゃ答えまで辿り着かないと思ったから。


次の日の朝。起きて時計を見ると8時だった。

既に0時間目は始まっている。

いつも通りだと思いながら学校への準備を始まる。

家を出た時には8時30分を回ったところだった。

今日もつくのは、HRの時間になりそうだった。

ここで1つの問題が浮かんだ。

どうやって双葉の攻撃を避けるべきか?

もう、取調室への連行はこりごりしている。

俺は学校へ向かいながらその事を一生懸命考えていた。


教室のドアの前に立つと予想通りHRをやっていた。

登校の間ずっと考えていたが結局いい案は生まれなかった。

「まぁ、どうにかなるっしょ」

そう呟きながら教室のドアを開ける。

ドアが開く音で全員の視線がこっちに送られる。

俺は急いで双葉の席を確認する。

どうやら、双葉は自分の席に座っているようだ。

そして、俺を見て立ち上がる。

双葉の顔は獲物を発見したというような顔をしている。

俺は警戒しながら自分の席へと歩を進める。

双葉が襲い掛かってきたらすぐにでも逃げるつもりだ。

どこに逃げるの?

頭にそんな疑問が浮かんだが考えないことにした。

少しずつ自分の席へと近づく。

そして双葉もゆったりとした足取りで俺の席へと近づく。

俺は自分の席に鞄を置き、席を離れドアの方へと向かう。

双葉が歩くスピードを上げ俺を追ってくる。

その手には懐かしきあの手錠。

俺も歩くスピード上げドアの方へと急ぐ。

だけど、ここで予想外の行動をおこした人がいた。

先生がドアの前で立ち塞がっていた。

どう考えても俺を通せんぼしている。

結局、先生も風紀委員の仲間って事か。当たり前だけど・・・

逃げ場を失った俺はなるべく双葉から遠ざかるようにした。

教室の真ん中を中心になるべく対角線上に立つようにしていた。

机とかもじゃまだしそれなら追いつかれる心配はなかった。

だけど、ここでもまた予想外の事件がおきた。

クラスメイトの男子数人が俺を囲んでいた。

「お前ら、何のつもりだよ?」

「何のつもりって。秋月さんに協力してるんだよ」

「はぁ?何でだよいきなり?」

「俺たちも学校の風紀は大切にしないといけないと思ってな」

絶対に嘘だ・・・こいつら双葉に気があるんだ・・・

「・・・・・・・・・・」

「さぁ観念しろよ、壬柳」

どうやら絶体絶命のようだ。

すでに双葉はもう逃げられないわよという顔をしながら近くにいた。

「分かったよ。おとなしく捕まればいいんだろう」

俺はそう言って渋々双葉の方へと近づく。

「あら、今日は大人しいのね」

近づいてくる俺を見て双葉がそう言った。

その瞬間だった。

俺は全速力で双葉の横を駆け抜けドアの前に立つ先生に向かって走った。

思い切りだったのもあり先生はびっくりしてどいてくれた。

「作戦成功!」

小さな声でそう言い俺は廊下へと脱出した。





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