Episode15:告白
「じゃあな」
学校前で皆それぞれ別れを告げた。
あの後、結局1時間以上かけて学校へ戻ってきた。
本当に馬鹿だとしかいいようがない。
しかし、過ぎたことは悔いても仕方はない。
それよりも俺には大きな問題があった。
ここからの帰り道、双葉と2人っきりだった。
「佑斗、そろそろ行こう」
悩んでる俺に双葉が声をかけてきた。
考えるあまりに帰るのを忘れそうになってたらしい。
「あぁ」
適当な返事を返して俺は双葉の横を歩いた。
気まずい・・・
歩いてる間、俺たちは互いに話しかけなった。
そんなつもりはないけど、何て言っていいか分からない。
本当に頭を悩ませてしまう。
そんな事を考えていると突然双葉が声をかけてきた。
「佑斗・・・」
「何?」
「悪戯した時、私が言ったこと聞いてたんでしょ?」
「・・・あぁ、聞いてたよ」
「・・・だよね。そうじゃないとこんなに気まずくならないか」
「・・・あぁ」
「あれね、忘れてほしいの」
「・・・どうして?」
ここで返すべき言葉ではないけど、俺はどうしても聞かずにはいれなかった。
「佑斗とぎこちないままなのは嫌なの・・・」
「俺も嫌だけどさ・・・」
「なら忘れてよ・・・」
「・・・あぁ、努力する」
俺はこの時、双葉のあの気持ちは本当だったのかと気になった。
俺が死んだと思ったから言った言葉だから本当だと思うけど。
「でも、あの時の気持ちは本気だったんだから」
「・・・それを俺が忘れてもいいのか?」
「さっきも言ったでしょ。ぎこちないのは嫌なの」
「あぁ、そうだな」
「・・・・・それに・・」
「何だ?」
「私、彼氏できたから・・・」
俺は一瞬、双葉の言ったことが理解できなかった。
もしかしたら理解したくなかっただけかもしれない。
「へぇ、誰なんだ?」
「西条さん。昨日告白されたの」
「へぇ・・・」
これ以上、何も言葉が出なかった・・・
多分、双葉は俺があの事を忘れやすいように・・・
「だからこれからは、また前みたいに規則を破ったら捕らえるからね」
「分かった。捕まえられるならの話だけどな」
「私を甘く見ないでよね。あんたと何年幼馴染やってると思うの?」
「その言葉、そのまま返してやるよ」
俺たちはいつの間にか普通に話ながら歩いていた。
俺のはただの強がりだったのだけど・・・
「じゃあね、佑斗」
「あぁ、またな」
それぞれ別れの挨拶をして俺たちは別れた。
「はぁ・・・」
何故か大きな溜息が出た。
疲れからなのか、それとも違うものなのか。
考えるだけ無駄な気がした。
多分・・・どっちも原因になってるだろうから。