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Episode14:飲み物を頼む時は気をつけて

「双葉、今日さ俺達と遊びに行かないか?」

ワクワクしたような顔で海斗が尋ねている。

一方で双葉は突然の申し出に戸惑っている。

「えっと、誰が行くの?」

「俺だろ、佑斗だろ、桜井さんって人」

「どうしようかな・・・」

双葉はそう言いながら横目で俺を見た。

そして、こう言った。

「いいよ。今日は風紀委員の活動も当番外だし」

「OK、じゃあ決まりな」

「うん」

どうやら双葉も行くことになったらしい。

遊んでる間ずっと気まずい空気が流れるのかな?

もしそうだったら・・・地獄だよ・・・


俺の心配をよそに時間はあっという間に過ぎた。

そして遊びに行く放課後の時間となった。

「お〜い、行こうぜぇ」

海斗がご機嫌な声で言いながらやって来た。

少し遅れて桜井さんもやって来た。

「よし、これで全員揃ったな」

「どうでもいいけど、海斗やけにご機嫌だな」

「まぁ、昨日誰かさんに裏切られたしね」

「あぁ、はいはい」

「そんな事はもうどうでもいい。早速行こうぜ」

海斗がそう言って俺達4人は街へと向かった。


「なぁ、あっち行こうぜ」

初めてここへ来たのか海斗は呆れるほどにはしゃいでいる。

「お前、もっと静かに出来ないのか?」

俺がそう聞いてみると

「出来るならとっくにやってるぜ」

・・・・・・

「お前に聞いた俺が馬鹿だったよ」

「だな」

納得するところではないと思うけど・・・

これが海斗が馬鹿たる所以か・・・


「少し疲れたから喫茶店入ろうぜ」

あれから30分程して海斗がそう提案した。

提案を受けた俺達3人も少し疲れたので承諾した。

店内に入って4人がけのテーブルに腰を下ろす。

双葉の横に海斗が急いで腰を下ろした。

俺は空いてる席に座ったのだがそこは双葉の前だった。

気まずい・・・

前を見ると双葉と目が合う為、前を見れない。

本当にどうしたものか・・・

俺の悩みをよそに海斗はメニューとにらめっこしていた。

そして、店員を呼び止めると、

「コーラ、4人分」

と、勝手に注文してしまった。

勿論、この勝手な行動に俺達を驚いた。

「おい、誰がコーラって言った」

俺がそう言うと、

「別に何でもいいだろ」

「だからって、せめて聞くぐらいはしろよ」

「もう遅いけど」

・・・・・・・

駄目だ・・・会話が成り立ってない・・・

「私はミルクティーが良かったんだけど」

桜井さんがそう言った。

それに続いて、双葉も

「うん。私もコーラは嫌だな」

と、言った。

「お前、どうしてくれるんだよ」

俺は海斗にそう聞いてみた。

「皆、俺の考えを聞いてくれよ」

何を言い出すかと思えば・・・

お前が考えて行動するのかよ・・・

俺の思いを知るはずもなく海斗は説明を始めた。

「皆が、違う飲み物を注文するとするだろ?」

海斗はそう言って話を始めた。

「もしも、注文した品が届いてから違う物がいいと思ったらどうする?」

海斗の言葉が質問しているようだったので

「別にどうもしないだろ」

俺が代表して答えといた。すると、

「その突然、欲しくなった物を他の人が持っていたら欲しくなるだろ?」

「そりゃ、多少はそう思うだろうな」

「俺はそこまで考えたんだよ」

一体、何処まで考えたというのだ?

「皆が同じものにすれば、そういう事はおきないだろ?」

「そりゃ、起きないだろうな」

「だろ!」

別に強調することでもないと思うけど・・・

「でも、なんでコーラなんだ?」

「俺が飲みたいからに決まってるじゃん」

「・・・・・・・」

俺達3人は呆れて何も言えなかった。

そして、海斗と話すのをやめ店員を呼んだ。

「俺は、ジンジャーエール」

「私達は、ミルクティー」

俺たちは海斗を無視して自分のそれぞれ飲みたい物を注文した。

結果、海斗の前にはコーラが4本も並んだ。

「良かったな、海斗。4本も飲めて」

「・・・・・・・」

さすがにコーラ4本はね・・・

財布にもちょっとした打撃になっちゃうし・・・

悲しそうな顔をする海斗を横目に俺たちはそれぞれの飲み物を啜った。


喫茶店を出た後は、適当に時間を潰した。

最初、コーラ4本を飲んだ海斗は辛そうだったが次第に元気を取り戻した。

「おい、あって行こうぜ」

結局、俺達3人は海斗に振り回される1日となった。

そして・・・

「なぁ、ここ何処だ?」

海斗が俺にそう尋ねた・・・

「知ってたら立ち止まってねぇよ」

「・・・・俺達、迷子って奴か?」

「みたいだな」

「双葉と桜井さんもこっちがどこか分かんないの?」

海斗が女子2人に話をふった。

「私は初めてきたから」

双葉はそう言った。

「私もまだ3度目だから・・・」

桜井さんはそう言った。

「3回目なら普通分かるんじゃない?」

海斗が珍しく正論を言った。

「そうかもね。でも、私は分からないわ」

「・・・・・・」

この返事に海斗は黙ってしまった。


あ〜あ、また迷子かよ・・・


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