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Episode11:気まずい2人

辺りは真っ暗になり時計の針は10時を示している。

「やっと・・・やっと終わった・・・」

海斗が疲れきった声でそう言った。

それに対して俺は勿論、疲れた声で

「あぁ・・・やっと終わった・・・」

二人揃って立ち上がる気力は全然ない・・・

そんな事を風紀委員共は分かっているくせに

「早く立ってくれないか。もう10時なんだ」

などといった、非常な言葉ばかりをかける。

これに対して海斗君が切れました・・・

「校長の召使共、天誅下してやろうか?」

俺達にそんな権限はありませんよ?

それにどちらかというと喰らうべき方は俺達では?

「お前に下してやろうか?」

俺と同じ事を思った風紀委員の1人・・・

相当怒ってるなぁ・・・

っていうかお前にも下す権限ないけどね・・・

「はぁ、校長がいねぇと何も出来ないへなちょこが」

「何だとてめぇ。悪戯しかできない頭持ちやがって」

「何だと、このハゲ」

「俺はハゲてなんかない」

「いずれハゲる奴も同じなんだよ」

「何で将来ハゲるって決めてるんだ」

「校長がハゲてるんだから、その部下もハゲるに決まってるんだろ」

「何だと・・・言わせておけば。このガキ」

風紀委員って校長先生の部下だったんだ。

仮にも風紀委員がガキって文句を使うとは。

子供のような争いをする2人を眺める俺。

エスカレートしていく2人。

さらに楽しむ俺。

まだまだエスカレートしていく2人。

さすがに飽きる俺。

止まらない2人。

欠伸が出始める俺。

少しずつ大人しくなってくる2人。

帰ろうと立ち上がる俺。

やっと言い争いの終わる2人。

ドアに手をかける俺。

何故かまた言い争いを始める2人。

開けようとしたドアが突然開き驚く俺。

またまたエスカレートする2人。

反対側からドアを開けた人物に驚く俺。

2度めとあってすぐに息が切れ始める2人。

目の前にいる人物を見て俯く俺。

俺を見て俯く双葉。

2人の間に気まずい空気が流れる。

その後ろではウザイ2人が口論中・・・

「一緒に帰ろうか?」

俺は双葉に聞いてみる。

「えっと、まだやる事あるから・・・今日はいい」

「そう、じゃあまたな」

「うん。明日ね」

俺は双葉とそういうやり取りをして取調室を後にした。

後ろではほとんど叫び声になっている海斗達の声が聞こえている。

「まだやってんのかよ・・・」

そう呟いて俺はとりあえず玄関を目指して歩いた。


玄関を出て校門の所まできて人影を発見した。

近付くとそれが知り合いだと分かったので声をかけることにする。

「こんな時間に何してるの?桜井さん」

「あれ、壬柳君。そっちこそどうしたの」

「俺はペナルティーだけど・・・」

「そう、あなたらしいわね」

褒めてるのかな?けなしてるのかな?

「私は街に行って迷ってやっとここに戻ってきた所」

「また行ったの?」

「そうだけど。どうかした?」

「迷ったばかりなのに良くそんな所に行く気したね」

「2度も同じ所で迷わないと思ったから」

「あ、そういう考えもありだよね・・・」

「うん」

そこは頷くところなんだ・・・

知らなかったな・・・

「じゃあ私そろそろ帰らないと」

「あ、うん。じゃあね」

俺は彼女と別れそのまま帰路についた。

「なんとなく凄い疲れたな・・・」

俺は家に着くまでの間何度もその言葉を呟いた・・・

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