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Episode1:佑斗と双葉

今日も楽しい学校生活が始まるはず・・・だった。


俺は今、取調室で幼馴染と向かい合っている。

俺の幼馴染の双葉さんは規則を守らない人が大嫌い。

それは別に構わないんだけど、さすがにちょっとウザイ。

俺が遅刻常習犯というだけで捕まえてしまう。

勿論、捕まえるといっても逮捕とかではないんだけど。

ただ本物の手錠を使われてしまう・・・

何処で手に入れたんだよって聞きたい人もいるようだが

生憎俺はルート知っているので聞いた事はない。

「なぁ、双葉・・・」

「何よ、佑斗」

「遅刻ぐらいでさ・・・こんな所に連れてくんなよ」

「あんたは遅刻常習者でしょ」

「そうか・・・まだ15回目ぐらいだろ」

「私達が入学してからまだそれぐらいしか学校来てないわよ」

俺と双葉は今年からめでたく高校生になった。

まだ入学して3週間目という状態である。

俺はこの高校に遅刻せずに来た事がなかった。

勿論、入学式もちゃんと遅刻している。

双葉がたった15回遅刻しただけで遅刻常習者と言うのも良く分かる。

「確かに俺の遅刻率は100%に近いけどさ」

「100%でしょ」

「まぁそうだとしても遅刻ぐらいでさぁ・・・」

「あんたは遅刻だけじゃないでしょうが」

俺は授業をサボる常習犯でもあります・・・

「だって授業なんて分かんないし・・・」

「だからってサボっていいわけないでしょ」

「ごもっともです・・・」

「だから先輩に目をつけられるのよ」

俺は授業のサボりすぎという意味の分からない理由で、

先輩に目をつけられケンカをして問題を起こしました。

ちなみに3対1だけど余裕勝ちでした。

「あんたこの学校で1番の問題児になってるのよ」

「はぁ・・・」

「普通は2年か3年にいるべきものでしょ」

そういうものなのだろうか?

「光栄なことだな」

「どこが光栄なのよ」

「いや入学から3週間目で学校のトップにたったんだから」

「・・・悪い意味でね」

どうやら幼馴染の双葉さんは心底呆れたようです。

このままあっちに行って下さい。

勿論、俺の願いが叶うなんてはずはなく。

「グラウンド15週」

「ちょっと多くないですか?」

一応、敬語を使ってみる事にする。

「全然、増やそうか?」

「いいえ、めっそうもありません。多くなんてありません」

「そう、分かればいいのよ」

そう言った途端、双葉が悪魔のように微笑んだ。

俺は一瞬、本当の悪魔を見たような気がした。

これが、入学から1週間で学校の風紀委員までのぼりつめた奴か。

この学校は風紀委員がすごい権力をもっている。

普通は1年から選ばれず2、3年から構成されている。

その中になぜか双葉は入っていた。

どんな手段を使ったのかは聞かないことにしている。

話は戻って風紀委員の事だが生徒会ですら彼らには頭が上がらない。

俺のような学校の秩序を乱していると思われた輩は、

風紀委員に捕まりこの部屋に連れてこられる。

そして、何かしらペナルティーを与えられる。

これは先生達も認めていて、やらなければ何かが起こるらしい。

ちなみにペナルティー実行中の時は見張られている・・らしい。

今更ながらとんでもない学校に来たなと思う。

「はぁ・・・」

ついつい溜息がでてしまう。

「どうかしたの?」

「別に」

双葉を適当にあしらい反省をすることにする。

勿論、遅刻とかそんな事じゃない。

捕まってしまった事を・・・


時間は少し戻って朝のHR時間になる。

基本的に俺の学校到着時間はこのぐらいになっている。

ちなみに0校時が前にあるので俺は毎日1時間以上の遅刻をする。

いつもだと、俺が教室に入ってくると双葉が、

「また遅刻ね。風紀委員の名においてあんたを逮捕する」

と言い追いかけてくるが勿論俺は逃げる。

今までは俺の勝利ばかりで終わった。

勿論、休み時間も逃げてばっかりだった。

でも、その日だけは違った・・・

俺がドアを開けると双葉が待ち伏せしていた。

さすがに予想していなかったことで対応しきれず、ジ・エンド。

そして俺はここへと連れてこられました。

ただ捕まるなら力づくで逃げれます。

大きい男の人なら分かんないんだけどね。

女の双葉から逃げられない理由は勿論、手錠・・・

逃げれるはずがありません。

仮に逃げて放課後になっても手錠をつけたまま町を歩けません。


「っていうか俺達、授業でなくていいの?」

「秩序を乱すものを裁いてる時はOKになってるの」

「あ、そう」

ったくなんて学校なんだ。

生徒に授業を出ないのを許可するなんて進学校のする事とは思えない。

「じゃあ、行くわよ」

「へ・・・何処に?」

「グラウンドに決まってるでしょ」

「なぜ?」

「あんたが走るためでしょ」

「え・・・」

「え、じゃないわよ」

「え・・・」

「・・・・早く来なさい」

幼馴染の双葉さんは少し気が短いです。

っていうか、走るのって放課後とかじゃないんだ。

「はぁ・・・」

大きい溜息をわざとらしくついてみる。

双葉が少しぐらい同情するかなと思った。

「わざとらしく溜息つかないで。増やすわよ」

「ごめんなさい・・・」

どうやら天下の双葉様には通用しません。

結局、俺はグラウンドを走る羽目に。

走ってから気付いたけど教室とかから俺の姿が見えるようです。

いや、絶対に見えます。見えないとおかしいです。

なんやかんやで恥ずかしい思いをしました。

走り終わってからは授業に戻ることに。

帰りたいけど双葉の見張り、何よりも手錠。

どうやら教室に戻るのがゴールという事らしい。

教室につき手錠を外してもらう。

自由になったっていう気持ちがとてつもなく大きい。

「これに懲りて反省してよね」

「分かったよ、風紀委員」

「分かればいいわ」

俺は踵を返し自分の席のほうへと向かう。

「散々な一日だぜ・・・」

俺はそう言って自分の席に座った。



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