ナセルとロバート
フジリナです。
今回もお話が盛り上がっています。
ナセル…。お前はよくも勇気を出せたものだ。殺人鬼に向かって、ナセルが僕を守ってくれたのだ。
「ロバートさま!こいつは、どうやら、あのカルト宗教の狂信者みたいですけれど、あの家の関係者とは異なるみたいです!」とナセル。
「やはり、ちがったみたいだね。こいつはただ、洗脳されただけなのか…?」と僕。僕は大切な家族である、盟主さまとレディ・クラリスの写真に、赤い落書きがされているのに、あの家の関係者とは全く関係がないと言われた時の虚無感は、なんだったのだろうか?やはり、僕はただやるせない気持ちに苛まれたのだ。
「解けない謎はないのかよ…。」と僕。
この家にまとわりついている、陰謀。それは、アメリカ合衆国のみならず、世界にまでおよぶであろうと思ったのだ。なぜ、解けないのかと思ったのだ。
「ロバートさま。彼は、どうやら悪魔に取り憑かれているみたいだったので、人語がはなせない状態だったんですけれど、悪魔の精神体を回収できたので、少しはお話ができるみたいですよ」
ナセルは、捜査協力をしてくれるとのことだったのだ。この男性には落ち度があるものの、悪魔に取り憑かれて、理性を失っていたので、少しは会話ができるのかもしれないのだ。
「この地元に生まれ育ってから、もう30年も経とうとしていたんだ。ただでさえ、この廃屋になにかおもしろいものでもあるのかなって、23歳の頃に、この家に立ち入ったものの、神父らしき人物と、科学者らしき男が僕をしばりあげて、悪魔の精神体を入れさせられて、この地域に跋扈している、カルト宗教の真実と教義とそれかつ、アメリカの真実という名の、嘘を吹き込まれたんだ。そう、盟主こと、ロバート・マイケル・セシル公爵が事実上支配していて、レディ・クラリスという、イングランドの王国の王女だったのが、神に反して、悪魔と契約して、この世界の支配を目論んでいるとね。」
男性は、どうやら、このカルト宗教の教義らしきものを吹き込まれたらしいが、まさか、愛おしい家族だと思っていた、盟主さまとレディ・クラリスが、まさかこんな野望を持っていたなんて…。と失望するのだった。だが。
「何を言っているんですか、ロバートさま。盟主さまとレディ・クラリスさまは、あなたを愛して、そこまで育て上げられたんですよ。おふたりは、ただ不器用な愛を、貴方に向けられているだけにございます。」
とナセルはそう言った。
やはり、僕は知る由もなかった。あのふたりから愛されて、いままで世界の真理を教えられ、僕が鍛錬を嫌がったり、わがままを言ってふたりを困らせたのに、あのふたりは僕に慈愛をを向けていたのか…。そう、僕は何度も盟主さまに逆らったりしていたけれど、あれは信頼関係があるからこその、ものなのだ。今、目の前のウソに騙されそうになったのだが、
「ロバート」
盟主さまの、お声が聞こえる。そして、盟主さまの厳しくても慈愛に溢れた、あのお顔。
「ロバート、お前は目の前の嘘に惑わされているのか?そう、アメリカの真実と称する、嘘に惑わされてはいけないんだぞ。お前は、純粋で良い子なのだが、それゆえに騙されやすいのだが、私にとっては一生出会えない、唯一無二の愛弟子だ」
僕は涙が溢れた。
「ごめんなさい」と僕はただ、盟主さまにそう言わざるを得なかった。
盟主さまと、レディ・クラリスはやはり、家族だ。けれど、家族を侮辱するなぞ、許しがたいものだ。
「わかったよ。今度は盟主さまとおばあちゃんを、僕が助ける番だ!」
また、お会いしましょう!




