ゾディアック事件、解決
フジリナです。
ゾディアック編、完結です。
僕がいた場所は、ニューヨークで一番治安が悪い場所だった。
そこで、コウモリの翼を生やした、人間そっくりな男がいたのだ。その男は、僕を見て、にやりと笑っていたのだ。
「ようやく会えたな、哲人王子。」と男。「吾輩の名は、スネル。ゾディアックと名乗っていた男に取り憑いていたのだ。そう、こいつは長年放任と暴力を受けていて、心身ともにぼろぼろで、欲望を満たしたくて仕方がなかったのだ。その母親も、欲望に忠実な女だったのだ。」
「お前が、スネルか。」と僕。「お前は、虚弱な人間に取り憑いて、なおかつ自力でも、殺人行為をやったのだろう!」
「そうだが。おまえは、許されざる行為をしたんだ。いくら悪魔であろうと、人の弱みにつけ込んで、それで殺人行為に至らせる行為は、許されないんだ!」
「おろかな、哲人王子。」スネルはヘビのような笑みを浮かべていたのだ。「人間の性であるのが、同族殺しなんだよ。食物連鎖の中の他種族の殺し合いはあるのに、なぜか人間だけは、同族殺しを行うんだ。それに気づかないのかね?」
「そうだが。それがどうしたんだ?それは、犯罪心理学でも証明されているんだよ。」僕は、正論と事実を言う。
「人間の常識がわからない、獣そのものの悪魔は、狩られて当然だ!」
僕は、手のひらにペンタグラムを宿させて、炎を宿らせたのだ。
「おまえは―――!?」とスネルの顔が引きつる。魔法の炎が宿った瞬間、あたりはブリザードに包まれていたのだ。
「お前は、あの氷の魔女のひ孫か!?」
「そう、おばあちゃん由来の氷の魔力も、いつのまにか、宿ったようだね。」と僕。
いつの間にか僕は、氷の魔法を習得していたのだ。
「スピアード・アイス!」
氷の刃がスネルに襲いかかったのだ。
「くそっ!おれは、コキュートスを司る悪魔じゃないから、氷はやはり苦手だ…。」
猛吹雪が来ているおかげで、
「かまいたち(スカー・オブ・アイスド)」と、日本ならではの気象現象を、氷魔法で再現できるのだ。
やはり、日本海側のJPCZ所以の気候が生み出した、妖怪のかまいたちを、再現できたのだ。
「この…。なかなか、ダメージがつくじゃないか!」
「甘いわ。ロバート、もっと『スカー・オブ・アイスド』はこうしないといけないわよ」と、聞き馴染みのある声が。
ほうきに乗っている、レディ・クラリスだ。
「おばあちゃん!」と僕。
「まだまだ、氷の魔法には慣れてなさそうね。」と冷ややかに言うレディ・クラリス。
「ごめんね、おばあちゃん。」
僕はまだ、氷の魔法には慣れていないのだ。
「トドメは、僕の炎魔法だよ!」
僕は、氷から炎に変えて、スネルという悪魔を狩ることができたのだ。
「この―――哲人王子が―――」
スネルが討伐されると、ルシファーがやってきて、「こいつは、長年人間に危害を加えてきたのだから。狩ってくれてありがとう。」と冷ややかな笑顔で僕に言ったのだ。
「そんな。部下のことはなんとも思わないの?」
「人間の世界に過度に干渉してくる、愚かな悪魔たちは狩られて当然だ。」とルシファー。
「そうだよね…。」
僕は複雑な思いに駆られた。部下を守りたい気持ちはある一方で、規則を破らないと、いくら人間や悪魔と言えども、彼らには生活や家族がいるというのに…。
「―――切り捨てなければならないのか」
僕は、やるせない気持ちになったのだった。
また、お会いしましょう!




