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魔女と哲人王子  作者: フジリナ
第二部・王子と世界編

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69/75

番外短編・クラリス姫の過去、現代までのクラリス

フジリナです。

レディ・クラリスの過去が明らかになる回です。

 姉が亡くなった後は、私はひとりぼっちになってしまいました。

 ステュワート朝の子孫から、まさか王が出てくるなんて。生粋のイギリス王室の姫は私しかいません。あの姉、エリザベス一世の宿敵のはずだった、メアリー・スチュワートの子孫から、イギリス王室が続いていくなんて、思いもしませんでした。


 そして、私はクロムウェルの独裁を経験しました。

「あんな、王国の魔女はいるはずがない」と、あの冷徹なクロムウェルから、冷たくされました。しかし、私はあえて、あいつに言い返したのです。

「あなたも、本来なら王国の臣民なはずです。護国卿なぞ、いるはずがないわ。」と。

「やれやれ、この魔女は賢すぎるな。なにせ、女王の妹ゆえだ。あんな女なんか―――」

「貴方のほうが、ブランデーを喉に落とし込みましょうか?」

 私は、クロムウェルに三々九度をさせて、あいつを葬ってやりました。

「なにをする、この女め!!」

 護国卿なぞ、イギリスには存在してはいけません。私はそう思うのです。


 クロムウェルが亡くなった後、1666年の悪魔の数字の年に、ロンドン大火が起きました。しかし、私は上級の魔女なので、焼かれても死ぬはずがありませんでした。水魔法を使い、消し止めていきましたが、王政復古を遂げたイングランドで、王が戻ってきて、私を放火した魔女だと勘違いした兵がやってくると、

「離してやりなさい、おまえたち。彼女は王国に尽力を尽くしたのだから」と、チャールズ2世が、恩赦をしたのです。


 私は18世紀になると、アメリカの建国に一役買いました。フリーメイソンという、理想的な真理を探求する組織に、女性ながらも加入できたのです。そう、私は王女であり、人一倍、信仰していたのもありますし、ウィリアム・セシルという姉の宰相だった貴族の子孫が、エドワード・セシルと言いました。私は姉の縁もあり、加入できたのです。

 アメリカの独立戦争に関しては、国王を説得せざるを得ませんでした。

「陛下、何度も言ったはずです!戦争はもうやめにして、独立を認めなさい!」

 姉の気持ちが段々わかった気がしました。―――命令というのは、理不尽な要求と、大事なことを伝えるための、どちらかだと。理不尽な要求は、自分も国も滅ぶ。クロムウェルがまさにその例だった。ですが、私は大事なことを伝えるためでした。しかし、国王は拒絶してばかり。

 わかる、その気持ちは…。

 

 そして、アメリカの独立が認められた後、私は陰ながら、アメリカの政治を支えました。

 南北戦争や、ナポレオンに関する戦争、普仏戦争など…。多くの人々が犠牲になっていきました。

 …私は、何人もの命の生死を見てきたことか…。そして、姉や父を含めて、私は何人見送ってきたのだろうか。私はそう思うと、死ねないわたしを呪いたくなってしまう…。夫を含めて、エドワード・セシルや、多くの子達を…。

 なんて、人間の命は儚いの…?すぐにいなくなっちゃうのかしら。そう思うと、諸行無常というのが、なんだか真理に思えてきたわ。


 でも。あのロバートという、セシリー――ロバート・マイケル・セシル公爵――にうり二つだけど、とても純粋で、おとなになっても少年のような子を見ると、なんだか、過去の嫌なことを忘れていく。たとえ、人間たちが過ちを犯したとしても、取り返しのつかないことをしても、あの子の純粋な笑顔のためなら、いくらでも守るから…。

「おばあちゃん!」

「え?」

「何ぼーっとしてるの?過去のこと、思い出しちゃったの?」

「そうね」


またお会いしましょう!

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