影の政府と失われた十部族の末裔たち
フジリナです。
今回のお話は、ロバートが謎の軍団の元を訪れていくお話です。
僕は、ニューヨークから遠く離れた、大西洋の黒く巨大なピラミッド型の海上都市へと向かった。
「ここか…。」とチャーター機から覗くロバート。
チャーター機が、ピラミッド型の海上都市の空港に着くと、多くの黒のローブに包まれた、顔のない議員たちがひれ伏していたのだ。
「我が王よ、ようこそここへ来られました」と議員たち。だが、僕は一つ気になったことがあった。それは、こんな荒れ狂う海に囲まれて、何を食べて、いつ寝ていて生きているのだろうかと。
「ねえ、何を食べて生きているの?いつ寝てるの、君たち。」
「王よ。わたしたちは、あくまでも概念のみにございます。ですので、わたしたちは、咀嚼というのは、生命の活動そのものであり、睡眠は精神の死を意味するものです。」
「なにそれ。なんかさ、もうさ…ナメクジみたいだね。帰る」
「お待ち下さい、王よ!まだ始まったばかりにございます!」
議員のひとりに案内されたのは、叡智の間と呼ばれる、古代ユダヤを思わせる部屋で、あたり一面には、巻物や、タルムードの原典などが置かれていたのだ。
「では、お茶にございます、王よ」と運んできたのは、なんと真っ赤な液体だ。
「うっ!!これお酒!!」
そう、ワインだった!!
「ちょっと!!これお酒じゃんか!!何してるの!?」
「申し訳ございませぬ…。お茶という概念は、我らにはないのです」
「まあ、仕方ないけれど、そこで何をするべきかだね…。」
すると、議員の顔にかかっていたローブが、はらりと落ちた。そこからは、古代ユダヤの顔立ちの、美しい青年の姿だったのだ…。
「あれ、きれいな顔しているじゃないか!」と僕が言うと、議員は慌てて顔を隠したのだ…。
「滅相な、王よ!王に顔を見られてはならぬという掟があるというのに…。」
「でもいいじゃん。君がきれいな顔をしているのなら。かえって僕には誇りだと思うんだけれど」
僕は思ったことをそのまま口にしたのだ。彼らは驚いた顔をしていたのだ…。
「なぜ、そんなことを仰るのですか、王よ。わたしたちは、ソロモン王とダビデ王に仕え、神殿を守ってきた存在…。そして王国のほころびが見えてきた途端に、わたしたちは次なる王を求め、この神殿を守ってきたのです。」議員の一人。
「貴方様は、我らの希望の星として、降臨されたのでございます」
議員たちは僕に対して、ひれ伏したのだ。こんな滑稽な状況、あり得るわけがないけれど、話を進めていかなくちゃいけない。
「わかったよ。じゃあ、会議を開こう。一緒に行こう」
そして、影の政府の大統領として、僕は議員たちとともに、会議を開いたのだ。
「やはりね、SNS――ソーシャルメディアのおかげで、みんなはつながった気になっているけれど、人間の厄介な欲求として、承認欲求というのがある。これはね、マズローの五段階欲求という理論があるように、人間に必要な欲求だから、とても厄介なんだよ。」と僕。
「ええ、マイ・ロード。わたしたちに知恵があります。」と議員の一人。
「たださ、一律にダメってやっちゃったら、隠れてやっちゃうから、自分からやめられるようにしないと。」と僕。
そう、人間は禁止されるとやりたくなっちゃう困ったクセがあるのだ。
「わかりました…。自分からやめられるようにする…。その草案を、各国に回しておきます…。」
僕は、少しずつ世界を動かしている気になった…。のか?
またお会いしましょう!




