吸血鬼、ニューヨークに現れる
フジリナです。
今回のお話は、ドラキュラとの戦いの話です。
哲人王子である僕の夜の執行の話をする。
僕は、哲人王子の正装姿――スーツ姿に、黒のマント、儀式用エプロン、革靴姿――で、夜のニューヨークの街を、見渡していたのだ。
「夜になると、吸血鬼の大群が襲ってくるんだってね。」と僕。
「そのようだね、ロバート。また、ドラキュラが復活したのかも知れない。」と盟主さま。
盟主さまは、遠い過去を思い出したのだ。
「私が、若きグランドマスターだった頃、若い女性がさらわれたり、殺されてしまったり、あとは行方不明になる。その真犯人が、あのドラキュラ伯爵という、血に飢えた亡霊だったのだよ。」と盟主。
「そうなんだ…。」
「レディ・クラリスも協力していたんだ。吸血鬼の討伐という意味でね。」
「うん…。」と僕。
「私も、吸血鬼の討伐に参加していたのよ。ドラキュラがまた復活して、しかもニューヨークで事件を起こしているなんて。」
「そうか…。」
僕は、レディ・クラリスゆずりの魔力で、炎を宿らせた。
「いつかは、吸血鬼を倒さなきゃいけない…。」
すると、おおおおんといううめき声がした。吸血鬼の大群が湧いてきたのだ!
「行くぞ、ロバート!」と盟主さま。
「うん!」と僕。
僕は吸血鬼の大群に対して、炎魔法を繰り出したのだ!
「爆ぜろ!」
多くの吸血鬼たちは、灰となっていった。
「私、思い出すわ。1666年のロンドン大火の日に、全速力で鎮火作業をしていたのを。けれど、誤解されたのよね…。」とレディ・クラリス。
「そうしている暇はない、レディ。」と盟主さま。
「私も、真理魔法以外の初歩的な魔法を出さないとね…。こんな弱いだけの存在には、これが向いているさ。」
盟主さまは、雷魔法を繰り出したのだ。
「雷魔法って…。」
「ロバート。雷は神話の時代から、浄化の象徴だったのだ。」
「そうなんだ…。」
だが、吸血鬼の大群はワラワラと湧いてくるのだ。
「このままでは、一般市民にも被害が及びかねない!」と僕。「州兵たちが出動しているけれど、州兵でさえも、吸血鬼化してしまう!」
(思い出せ…。そう、あの日の、山火事で避難をしていたときの、火の勢い…。)
僕は、カリフォルニアの山火事を思い出したのだ。祖父母の手を引いた、あの日々。
「浄化の爆炎!」
というと、一気に燃え上がり、州兵にも被害が出ないように配慮したうえで、吸血鬼の大群を燃やしたのだ。
「これは、魔法の炎か!?」と州兵のひとり。
「これはきっと、ロバート王子の魔法だ。」
すると、吸血鬼の大群を率いていた、ドラキュラ伯爵がやってきた。
「哲人王子に、セシル公爵、そして、イングランドの姫よ。私の花嫁たちを、こんなざまにしたものだ。フフ、特にイングランドの姫。お前の血を吸ってやる。」
「無駄よ。」とレディ・クラリス。
「私は三柱の神々と契約している魔女よ。」
その契約している神というのは、ギリシアのゼウスとメドゥーサの息子の、メドゥーサロス、ケルトの大神、ダグザの息子のカイル、ルシファーという、最強の神々なのだ。
「なっ…!?これは反則じゃないか!!」と圧倒的な強さを誇示されたのか、悔しい思いをするドラキュラ。
すると、朝日が昇ってきた。
「なんじゃこりゃああああああ!!」と一気に灰になるドラキュラだった…。
「あっけなく退散しちゃったな、ドラキュラさん…。」と朝ごはんをゆっくり食べる僕だった。
またお会いしましょう!
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