アイオワのテロ事件
フジリナです。
アイオワシティでの硝煙編です。ロバートはどう事件と向き合うのでしょうか。
僕がグラウンドロッジの、豪華な居間にて休んでいると、CIAの秘密回線のスマホが鳴った。どうやら、警報系のプッシュ通知のようだ。
「緊急警報、緊急警報!アイオワシティで銃撃事件!テロリストの要求は、身代金の要求とのこと!」と女性のオペレーターの声。
「じゃあ、オペレーションルームに行くよ!」
僕は、すぐにオペレーションルームに向かい、ヘッドセットを取り付けることにしたのだ。オペレーションルームは、デスクトップPCと、たくさんのモニターがある部屋で、全世界の現場が見れるのだ。
「アイオワシティに、エージェントを派遣してくれ!あと、文民の保護にも、勤めなさい!」と僕は、エージェントの派遣を命令した。特殊部隊の派遣も急いでやることにした。
「特殊部隊も派遣しておくれ!!」と僕は命令したのだ。
「エージェント、Aチーム了解!」とヘッドセットの音声。
モニターの様子では、アイオワシティが硝煙に包まれ、多くの市民が逃げ惑っていた。
「地元の警察に、避難を誘導して!群衆雪崩が来ると、危ないから!」と僕。なにせ、梨泰院の事故も同様なのだ。
「了解!」
現場は、ショッピングモールで起きていて、急に銃撃の音がして、買い物中の市民を襲ったのだ。
「やばいな…。ソフトターゲットがまさに、ショッピングモールだしな。」と僕。
すると、盟主がやってきた。
「ロバート。オペレーションの具合はどうかな?」
「どうするかわからなくなってきた。」
僕は迷っていた。テロリストから市民を守らないといけないけれど、市民の泣き顔と、犠牲になった人たちとその家族の涙は見たくない。けれど、テロリストであっても、帰る家や、愛する家族もいるはずだ。なのに、僕の命令一つで、テロリストを射殺して、なおかつ、市民の期待に答えなきゃいけない。
僕はどうしたらいいんだ。
「…」
僕は辛くなってしまった。
「副長官、オーダーを!」
「…テロリストたちを、生かせ。説得に応じるのなら、たとえ重罪判決が出ても、刑務所でやり直せるようにしなさい。もし、応じないのなら、容赦はするな。」
「了解!」
そして、日本人の保護も行わなければいけいない。日本の新聞社に勤める、小林記者と林原記者が、邦人保護の動きに協力してくれるみたいなので、よかった。ちなみに、彼らは僕の友人なのだ。
「小林さん、林原さん!現地日本人の状況は?」
「――いまのところ、全員無事です」と林原さんの声が。林原亜希子さんという、女性の記者なのだ。
「じゃあ、鎮圧に向かうよ!」
「交渉は進んでいるか?」と僕は交渉役のエージェントに尋ねる。
「いまのところ、テロリストたちは頑なです。要求が通らない限りは、決して銃を下げないと。」
「なら。――田舎の母さんが、泣いてもいいのかと。」僕は感情に訴える作戦を取る。
「――だめです。自分たちは、母親に虐待されて育ったので、母の愛など、知らないと。」
やはり、頑なだ。テロリストたちは悲哀と心の貧困に苛まれているみたいだ。
「…わかった。なら、テロリストたちに訴える。…自分たちが望んでいるのは、生か死か。」と僕。
「――死にたいそうです。」
「じゃあ、やりなさい…。」僕は、救えなかった後悔を胸に秘めて、そう命令するしかなかった…。
やるせない思い。僕は、なんて家族にも言えない罪を犯したんだ。本当に…。これでいいのか…?母さん、ごめん。
「おじいちゃん。てろりすとって、みんな悪い人なの?」
ふと、幼い頃を思い出した。僕が2001年、9月11日のあの日のことを尋ねたのだ。議員の祖父は、優しく言う。
「そうとは限らないよ、ボビー。お国の人が守っているんだから」
「そのお国の人が守ったとしても、お父さんお母さんのもとへ帰れなかったらどうするの…。」
「それは難しい質問だな。」
じいちゃん…。僕は、じいちゃんとの約束を果たせなかった。ごめんなさい…。
「ロバート。お前は、テロリストでさえも、後悔をしてしまう優しさがあるのだから、お前を、CIA副長官にしたのだよ」と盟主さまは言う。
僕は、一生分の後悔をするだろう…。
アイオワシティの硝煙は消えたのだが、果てしない後悔と、罪を背負っていくと、僕は決めたのだ。
またお会いしましょう。
ぜひ、ブクマとコメントをよろしくお願いします。




