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魔女と哲人王子  作者: フジリナ


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5/30

番外短編・クリスマスはぼっちになるのか?

フジリナです。

クリスマスムードになってきて、みなさんはどうお過ごしでしょうか。

あまりクリスマスは関係ないと思っている人もいますが、小さい頃はどんなものをサンタさんにもらえましたか?まだ欲しい人もいるかもしれません。

 ヨランダへの告白はまだ終わっていない。12月になり、あたりはクリスマスムードに包まれていて、僕は落ち着くことができなかった。

 アメリカでは、クリスマスは家族で過ごす人が多い。日本だと、80年代の有名歌手の曲の影響で、もっぱら「恋人」というイメージが強いのかもしれない。僕は、恋人もいないし、友達がいない。けれど、一応連絡は取っている後輩の女子がいる。そう、ヨランダだ。

 タイムズスクエアは、相変わらず、騒がしい電子広告に包まれて、多くの人たちや、車、イエローキャブが行き交っていたのだ。けれど、さすがにクリスマスとも会って、電光掲示板には、クリスマスはコーラを飲もうとひたすら煽ってくる。

 僕はあまりコーラを飲まないが、どうしてもクリスマスとなると、CMのせいでコーラというのが根付いてしまうのだ。

「クリスマス…。どうしたらいいのかな。」

 僕は、財布を取り出して、ブラックカードをいじる。ブラックカードはみんなのあこがれそのものだが、僕にとってはただの色がついたカードで、大したことなくて、みんながみんな、表面的なカードの見た目や、ステータス、会員の格に目が行くのだ。

 すると、小雪が舞い始めた。騒がしい広告が消えて、イルミネーションも夜の訪れとともに消えていった。

「ヨランダ…。もう来ないのかな…。」

 今日はヨランダが、学校で明日の授業の調整でもしているのだろうか。確か、

「今日は授業の準備が立て込んでいるから、またね」

とDMで言ってたっけ。

 僕は、もうおとなになったからなのか、クリスマスにプレゼントはいらなくなった。子供の頃は、アメリカのヒーローのフィギュアとかに喜んでいたのだが、もうクリスマスプレゼントに喜ぶ年じゃなくなってきたのだ。まあ、まだおもちゃが欲しい大人もいるけれど。

 すると、

 誰かが走ってくる音がした。それは―――

「ロバート!遅くなってごめん!」

 ヨランダだった。ヨランダは僕を抱きしめた。

「…ヨランダ」

 深夜の街に、ヨランダと出会えてよかった。今のヨランダとの関係は、友達以上恋人未満だな。

 そんなヨランダからのプレゼントは、シマエナガちゃんのハンカチだったのだ…。

フジリナです。

ヨランダとロバートの関係は、皆さんも気になるかと思います。

で、私も友達も恋人もいないので、憧れるんですけれど、結局は人の気持ちとかを拾ってしまうので、余計に鬱陶しく感じてしまうかもしれません。

では。

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