表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女と哲人王子  作者: フジリナ
第二部・王子と世界編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/75

洋館の謎

フジリナです。

現代ミステリーということで、タグを変更しました。

ぜひ御覧ください。

 僕の故郷である、カリフォルニア、サンフランシスコの小高い丘には、古びたお屋敷がある。古びたお屋敷の途中の街角で、泣いている女の子がいるとのこと。

 帰省中の僕が、温暖な冬のサンフランシスコの街の坂を登っていると、制服姿の女の子がいた。その女の子は、うんとクラシカルな制服を来ていて、泣き声は、ワンちゃんが反応するほどだったのだ。

「あれ、どうしたの、君」僕は女の子に話しかけた。女の子に話しかけるのは、大人の男性なので、怖がってしまうんじゃないかと思い、遠巻きに見たのだ。

「私が見えるのね」と女の子。

「どうしてなの?」

「わたし、家に帰りたくない」

 家に帰りたくない。やはりね、家に帰りたくないのは、よほど、親御さんが厳しすぎるか、DVの被害に遭っているのだろうか。そうとなると、しかるべき支援機関に通報したほうが。

「僕もさ、家に帰りたくないんだよ。だってさ。家に帰ったら、親が厳しいんだもん」と本音を漏らす僕。だが、

「いいや、あなたを離さない」

 え?

 これはどういう意味だ?


 サンフランシスコの住宅街を抜けると、僕の住む、プール付きのお屋敷があるはずだ。その際に、僕は道に迷ったのか、ずいぶんと荒れたお屋敷に着いたのだ。

 あの女の子がいるのかもしれない。

 ツイン・ピークスにある、お屋敷はもっと立派なはずなのに、このお屋敷は19世紀か1950年代の古い屋敷みたいで、やはり誰も住んでいないということなのだ。

「この女の子のさ、制服は、私立の小学校の制服っぽかったよな。」と僕。アメリカでは、公立の小学校と中学校、高校は普段着とリュックなどで登校できるのだが、私立だと未だに制服が採用されているところもあるのだ。


 お屋敷では、様々な痕跡があったのだ。古い写真には、色褪せた1950年代に撮影したと見られる、家族の写真が。父親、母親、男の子、女の子の四人だ。あの女の子の顔には、黒く塗りつぶされた跡があったのだ。

「やはりね、これは何かあったに違いないな。」

 僕が実況見分をしてみると、

「キーーーーーー」という悲鳴とともに、女の子がこっちを見ていた。「あたしのじんせいかえして」

「やばい!」

 僕はそう自分に言い聞かせると、このお屋敷を去っていったのだ。


 のちに、同居する父方の祖父のアルバートに聞いてみると、

「あそこには、裕福な一家が住んでいたが、中学生の男の子が、度重なる父親からの干渉に耐えかねて、一家を殺してしまい、最終的にはこの家を去ったんだ。あの男の子は、終身刑が言い渡されて、刑務所で亡くなってしまった。女の子の着る学校の制服だが、私が40代のときに廃校になってな。あそこも問題があってな、生徒同士のいじめが耐えなかったそうだよ。あの女の子にとっても、辛い環境であることには代わりはなかったもんよ。」

 僕が次の日に、自宅近くの住宅街を歩いても、あの女の子に出くわすことはなかった。なにせ、登記情報によると、あのお屋敷は、40年ぐらい前にすでに取り壊されて、親族の方も既に亡くなっているし、親族の方の子孫いわく、「犯罪者が住んでいた屋敷を残すのは嫌だ」と言い、そこには誰も家を建てないことになっていたのだ…。

では、ブクマとコメントをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ