洋館の謎
フジリナです。
現代ミステリーということで、タグを変更しました。
ぜひ御覧ください。
僕の故郷である、カリフォルニア、サンフランシスコの小高い丘には、古びたお屋敷がある。古びたお屋敷の途中の街角で、泣いている女の子がいるとのこと。
帰省中の僕が、温暖な冬のサンフランシスコの街の坂を登っていると、制服姿の女の子がいた。その女の子は、うんとクラシカルな制服を来ていて、泣き声は、ワンちゃんが反応するほどだったのだ。
「あれ、どうしたの、君」僕は女の子に話しかけた。女の子に話しかけるのは、大人の男性なので、怖がってしまうんじゃないかと思い、遠巻きに見たのだ。
「私が見えるのね」と女の子。
「どうしてなの?」
「わたし、家に帰りたくない」
家に帰りたくない。やはりね、家に帰りたくないのは、よほど、親御さんが厳しすぎるか、DVの被害に遭っているのだろうか。そうとなると、しかるべき支援機関に通報したほうが。
「僕もさ、家に帰りたくないんだよ。だってさ。家に帰ったら、親が厳しいんだもん」と本音を漏らす僕。だが、
「いいや、あなたを離さない」
え?
これはどういう意味だ?
サンフランシスコの住宅街を抜けると、僕の住む、プール付きのお屋敷があるはずだ。その際に、僕は道に迷ったのか、ずいぶんと荒れたお屋敷に着いたのだ。
あの女の子がいるのかもしれない。
ツイン・ピークスにある、お屋敷はもっと立派なはずなのに、このお屋敷は19世紀か1950年代の古い屋敷みたいで、やはり誰も住んでいないということなのだ。
「この女の子のさ、制服は、私立の小学校の制服っぽかったよな。」と僕。アメリカでは、公立の小学校と中学校、高校は普段着とリュックなどで登校できるのだが、私立だと未だに制服が採用されているところもあるのだ。
お屋敷では、様々な痕跡があったのだ。古い写真には、色褪せた1950年代に撮影したと見られる、家族の写真が。父親、母親、男の子、女の子の四人だ。あの女の子の顔には、黒く塗りつぶされた跡があったのだ。
「やはりね、これは何かあったに違いないな。」
僕が実況見分をしてみると、
「キーーーーーー」という悲鳴とともに、女の子がこっちを見ていた。「あたしのじんせいかえして」
「やばい!」
僕はそう自分に言い聞かせると、このお屋敷を去っていったのだ。
のちに、同居する父方の祖父のアルバートに聞いてみると、
「あそこには、裕福な一家が住んでいたが、中学生の男の子が、度重なる父親からの干渉に耐えかねて、一家を殺してしまい、最終的にはこの家を去ったんだ。あの男の子は、終身刑が言い渡されて、刑務所で亡くなってしまった。女の子の着る学校の制服だが、私が40代のときに廃校になってな。あそこも問題があってな、生徒同士のいじめが耐えなかったそうだよ。あの女の子にとっても、辛い環境であることには代わりはなかったもんよ。」
僕が次の日に、自宅近くの住宅街を歩いても、あの女の子に出くわすことはなかった。なにせ、登記情報によると、あのお屋敷は、40年ぐらい前にすでに取り壊されて、親族の方も既に亡くなっているし、親族の方の子孫いわく、「犯罪者が住んでいた屋敷を残すのは嫌だ」と言い、そこには誰も家を建てないことになっていたのだ…。
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