虚飾の街でのデート
フジリナです。
ニューヨークといえば、というお話を、書きましたので、ぜひお読みください。
この日は、僕と盟主さまと、ニューヨークのデートを行った。そのデートというのは、ソーシャルメディア中心主義になった、ニューヨークの監査でもあるのだ。
「盟主さま、ニューヨークの街がいかに、世俗の享楽にまみれているか、見てみましょう。」と僕。僕は、かつてのナビスコ工場をリノベーションした、商業施設へ。
「ここさ、体験というよりかは、スマホで写真を取ることに終止しちゃっているね」
僕は、周囲の観光客が、スマホでのセルフィーに夢中になり、肝心の飲食をするということをしないことに気がついたのだ。
「フフフ…世俗の人間は、やはり、セルフィーにしか興味がないものだね」
盟主さまは、慈しみを込めた笑みを浮かべる。
「やはり?」と僕。
タコスのお店に来ると、「いらっしゃいませ!☆ここは楽しい場所のマーケットだよ!さあ、食べておいで!」と店員さんが明るい営業スタイルを醸し出す。
「…タコスふたつください」と僕。
「はい!☆」
「なんてこと。」僕がタコスを持つと、めちゃくちゃチーズとベーコンが多いタコスを見て、知っている故郷のサンフランシスコのものではないと悟ったのだ。
「これは、映え目的じゃないか。」と僕。あまりに、派手な見た目になっているので、驚きだったのだが、やはり、これは虚飾のものだったのだ。
「虚飾の壁は、やはり、崩れ去る運命そのものだからね、ロバート」と盟主さま。
「そうか…。やはり、映えのために、おびき寄せるのは、一時的な利益は得られるものの、あとはあまり長く続かないってことだね。」と僕。
次に、街を歩いてみると、ソーシャルメディアに写真を載せることを意識した、ミュージアムと名乗っているが、実際にはセルフィー写真スタジオを見かけた。
「ほとんど、ニューヨーク在住は見かけないんですよ、盟主さま。観光客向けの施設っぽいです」と僕。
「なるほどね。ふふふ、少し探ってみようかな」と盟主さま。
僕と盟主さまは極彩色とそのデザインの、スタジオの中を歩くことに。
多くの若者が、アトラクションを楽しむように、撮影をしてるのだが、たいていは、地元の人ではない。
「やはり、その場での楽しみを楽しんでいるだけですよね、盟主さま」と僕。
僕はだんだんとうなだれていき、「…こんなところで…楽しんでたら、後ろめたくなるわ…」と暗くなっていく…。
すると、ミュージアムの係員がやってきた。
「ヘイ、ボーイ!ここは、今のこの瞬間を楽しむところなんだぜ☆どうしたんだい、こんな葬式みたいな浮かない顔をして!」
「…………今を楽しむだと?そんなの、永遠の疑問なのではないのか?世界には、疑問や不条理がたくさんある。なのに、お前は見て見ぬふりなのか?それかつ、お前はこんなところで思考停止をしてるのか?」
と僕。
明るいふりをしても無駄だ。結局は砂のなかに埋もれていくだけなのだから。
「そうか…。深刻に受け止めてるのか…」
係員はようやく退散した。
ニューヨークは、すっかり地元の人に優しい街ではなく、観光客向けのスポットが増えていって、それに迎合するまちになっていると…。
「盟主さま。なんだか、散々なデートになってしまいましたね…」と僕は、町中で盟主さまと歩きながら言った。
「大丈夫だ。…なら、お稽古の続きをやろう」
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