盟主さまと追いかけっこ
フジリナです。今回のお話は、盟主さまとの追いかけっこです。
しかも、ニューヨークの町並みを舞台にした、追いかけっこが始まります。ぜひ、御覧ください。
2025年7月16日
僕は、このロッジをどうしても抜け出したくて、スタバへと向かったのだ。マンハッタンのタイムズスクエアの、いつものスタバに向かおうとしていたのだが、盟主さまはどうしても、僕を追いかけてきたのだ。
追いかけてきた方法というのが、真理魔法の、時間と空間を操る魔法っぽいが、オレが半袖シャツで汗だくになっていても、盟主さまは涼しげな白の装束になっていて、神々しさと天界からの使者のような装いは、まさに目立つような服装だったのだ。
「ロバート。よくぞ来てくれた。」微笑みながら言う盟主。なんだよ、あまりに汗だくになったというのに、なぜこのお方はそんなに余裕ぶっているんだ?
「オレはさ、ただ外の空気を吸いたくて、ここに来ていたんですけれど。」と僕。「ちょっと待ってください。汗かいてて、少し暑くて。」
僕はモバイルオーダーで、アイスカフェラテを頼み、盟主さまにはアイスコーヒーを頼んでおいた。暑いのかわからないけれど、扇子を仰いで、貴族然とする盟主。
「ニューヨークの夏はいつしか暑くなったのか?」と優雅な口調で尋ねる盟主。
「わからないよ。オレの故郷のカリフォルニアは、もっと暑いよ。ほとんど砂漠なんだし、メキシコに近いからね。メキシコよりだから、タコスとかも平気で食べられているよ。」
「なるほど…。そういうことだったのか、ロバート」と盟主。
「それでさ、鬼ごっこだけはやめてね。」と僕。盟主様を少し試してみたくて、「ロッジから、タイムズスクエア周辺で鬼ごっこするよ。」と言い出した。
「では。始めよう。」と盟主はメガネを光らせていた。
「じゃあ、行くよ!」僕はそう言うと、お店を飛び出した。(後で、ハロルドさんがちゃんとカードでお支払いしました。)
僕は、イエローキャブが飛び交い、電光掲示板や、様々な広告が光り輝く、ニューヨークのタイムズスクエアの中で、学生時代に夢中になった、パルクールを駆使して逃げていった。イエローキャブが、急いでいるビジネスマンを乗せていて、猛スピードで走っているのを、僕は軽々と飛び越えて、それで受け身として前転をしたのだ。
「これでいっちょあがり!」
僕の跳躍力には、やはり並の人間ではない感じがするのだろう。やはり、そう感じる人もいるのだろう。だが、のちにDNA鑑定を受けた際には、あの人と血縁関係があるとわかったのだ…。
「なんなんだ!?」とイエローキャブの運転手は悲鳴をあげていたのだ…。
「そんなのわからないけれど。」と僕。僕は、ビルをよじ登って、屋上にのぼって、屋上からビルを飛び越えて、マディソン・スクエア・パークまでなんとか着いたのだ。
「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ…。」僕はあまりにも動いたせいで、息が上がってしまった。それで、盟主様はどこにいるかと言うと、どこにもいない。だが…。
「チェックメイト。」
つかまってしまった。というか、すでにここが目的地というのはなしだぞ、と僕は思ったが、すでに盟主様がここにいるとは。
「盟主様。いつからここにいたんだ…?」
「実は、お前が走り始めてから、『時間・空間を操作する真理魔法』を使って、ここにあっという間に着いたのさ。」
余裕ぶってる盟主様。まさか、真理に到達したら、時間や空間を優越するとは思えないのだ。科学でも証明されているように、生身の人間が、時間や空間を操作することは、まず神の聖域論的に不可能であるのだ。
「まさか、こんなことになるとはね」僕は、あまりに盟主さまが超越した存在の人間であることに、驚いてしまったのだ…。
「驚かなくても良い、ロバート。」と微笑む盟主様であった。
フジリナです。
ノートにたくさん書きたいけれど、書ききれないわたしがいます。というか、タイパですぐにパソコンに求めて、睡眠不足になってしまいます。またね〜




