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魔女と哲人王子  作者: フジリナ


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盟主さまと

フジリナです。

ロバートくんの運命は、何者かによって、すべて決められていて、なおかつあまりに自分でなんとか踏ん張ろうとしても、なかなか抗えないものだとしたら。皆さんはどう思いますか?

私の経験に基いて、この物語は作られているのです。

2025年8月12日

 僕はこの日、ショッピングモールで、盟主さまとかくれんぼしたり、紅茶ラテのことで揉めていたんだ。

「ついていかないで。だって、こんなところにいたら目立つじゃないか」

 僕は、ゆったりとブラックのアイスコーヒーを飲む盟主さまを前にして、恥ずかしくなる僕。

「いいじゃないか、ロバート。おまえが恋しくてやまないのだよ」

 盟主さまは、僕を前にして、じっと見つめてくるのだ。

「恋しいって、僕のことかよ。」

 いじけて、自分はそんなに組織の思惑とは異なるのだと主張する僕。

「そんなことはないぞ、ロバート。」とそう言うと、白のレースの手袋に包まれた美しい手で、僕の手を撫で始める盟主さま。そんなに、僕のことを息子とみなしているのだろうか。

「おまえは、とても私にとっては、愛らしく、そして息子なのだよ…。」と盟主さま。そんなに僕のことを、自分の後継者もとい、愛する息子として、みなしているのだと…。

 だが、僕はごく普通のアラサーの男子だし、そしていままで普通の男として育てられた。たとえ、貴族の末裔や華麗なる一族として育てられたとしても、公立の小学校、中学高校に通わせられたのだから。

「僕は、そんなに特別なんかじゃない」と僕は少し距離を置いていく。

「だけど、他のお客さんに迷惑をかけないように、ちょっとさ、ゲームしようか、盟主さま。」と僕。僕は、ショッピングモールの責任者の方にアポ無しだが、急きょゲームで撮影がしたいとして、無茶なことを言ったのだが、責任者の方はやや渋い顔をしながら、ようやく許可をもらってくれた。

 そう、かくれんぼバトルだ。かくれんぼをして、僕がどこにいるのかを、探してもらうというのだ。責任者のおじさん…。ごめん…。

 僕は、トイレだと緊急時以外は、他のお客さんのためにも迷惑をかけたくないので、使えないのがわかるので、ちょうど、ゴミ箱の近くに隠れることにしたのだ。ゴミ箱というのは、後ろもあるというのだ。


 今のところ、僕が考えているルートは3つ。


 1.ゴミ箱に隠れる


 2.洋服を買うふりをして、試着室に隠れる


 3.最終的には…


 しかし、すぐに盟主さまが来ていた。

「ロバート…。こんなところに隠れてどうしているんだ?ゲームと言っていたが、私には運命から逃げているように見えたぞ。私にはそう見えていた。」

 どこか、悲しそうな表情をしている盟主さま。その目つきは、数百年の時を経てきた、深遠さがあるのだ。なんで?なんでそう思ったんだ?僕は、ただゲームがしたいだけと言うのに。

「運命から、逃げていると映ってしまったのはな、わたしのもとから逃げ出して、刹那的な享楽に逃げて、重責や試練から逃れたい気がしたのだ。その、逃れたいというのは、星々が定めた運命なのだ。星たちは、お前を、この世界の王に定めたということだ。」

 この世界の王?そんな、世界征服したいとか、あとは短絡的な戦争は好きじゃないのに…。

「世界の王だなんて、そんな、第二次世界大戦の話じゃないですか。」僕は、思ったことを口にした。

「世界の王というのは、まさに、かつての野心あふれる者が目指していた先なのだ。だが、それと引き換えに、戦禍という大きな犠牲と、そして破壊、尊い命が失われ、暴力が溢れた世界なのだ。そう、第二次世界大戦が、ユダヤ人の大虐殺や、原子爆弾投下という過ちを犯したのだから。」

 悲しみに満ちた顔で、盟主様は言う。戦争は良くない。いくら、正当化しようにしても、逃れられない責任と、目を閉ざすことなんかできない。

「どうして、僕のところに来たんですか?かくれんぼしようって言っただけなのに…。」

「―――おまえは、まるでわかっていない。ルートを探っているところは評価するのだが、わたしとの対話から逃げたいほど、迷っているのだな。刹那的な享楽に逃げるか、そして運命を受け入れて、哲人王子であることを受け入れて、哲人王となるのか。」

 盟主さまの仰ることは確かだ。やはり、少し逃げていたのかもしれない…。だとしても、僕が逃げているとわかっているのはなぜ…。

「なんで、僕の居場所や考えているのがわかるの…?」

「それは、魂の契約を、星たちの意思で、築くように言われているのだ。そう、お前の運命は、まさにこの混沌たる世界を導くために選ばれたのだ。おまえとわたしとで、『星の青の契約』を築いているのだ。詳しいことは、また話すことにしよう、ロバート」

 その後に微笑んだ盟主さま。

 やはり、生まれてから僕の運命は、定められていたというのか…。そのルーツというのは、これから徐々にわかっていくのだけれど。このお方とであるのも、ある意味運命なのかもしれない。

 

 帰ると、僕はいつしか頭痛がしてきて、少し横になって、薬を飲んでいたのだ。

 チリ…と鈴の音がする。隣に盟主さまがおられるのだ。

「ロバート。体調はどうだ…?」盟主さまは、僕の手を、白いレースの手袋に包まれた美しい手で握られた。

「―――なんとか…。」

 僕はかろうじて、そういうのがやっとだったのだ。

 気圧管理アプリを見ると、低気圧で、めちゃくちゃ下がっているのだ。その後は急激な上昇が見込まれる。スマートウォッチを見ると、やはり気圧の急な上昇なのか、寝転がっていても、80から90ぐらいに鳴っていた。

 スマートウォッチで、心拍数と睡眠時間の計測という意味で、真理の物語が紡がれていたのだ…。ここでの、真理の物語というのは、やや難しくて、いわゆる実存主義の哲学―――19世紀ぐらいに流行した、自分は何者なのか、そして自分はなぜこの世界にいて、この世界での役割は何だというのを考える哲学――っぽいんだけど、「いま自分がここにいて、生きていることとその人生の記録」というのだ。

 小説を書くとか、アニメを作るとか、そして、ドラマを作るということだけではないんだ。

いかがでしたか?

盟主さまと、ロバートくんの関係について、どんな感じになりましたか?

これからも書いていくつもりです。では。

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