思い出の地、思い出の本屋
本屋と聞いて、一番最初に浮かぶのは今日で閉店してしまった建物にあった本屋だった。
今考えると10年以上、幼稚園生の頃から通っていた本屋でいつかは自分もここでアルバイトでもなんでもいいからしたいなという程であった。
今日、久しぶりに小学生向けの本が置かれているスペースに入った。
中学からはもう歳だしと思って入らなかったあの場所
子供だらけの子供の聖域のような空間に足を踏み入れるのは少しばかり恥ずかしかったが、私は足を踏み入れた。
昔好きだった本は、新刊が何冊も出ており、立ち読みしていた都市伝説の本も増えていた。
パズルをくっつけて形を作るオモチャの場所は変わっていなかった。
本屋を見ている時私は、子供の頃に戻った気がした。
子供の頃、本にすぐ触れられるあの近場の本屋があったからこそ、今の自分があると言える。
本屋に行くために買い物について行き、軽やかなステップを踏んでいたあの時、私にとっての黄金時代
世界中がキラキラと輝いて見えた。
そして私も、物語の1人のような気持ちになっていた。
別れはいつか来る。そう知ったのは、小学校の頃そしてこの場所は私にとって記憶の復元場所でもあった。
亡きおじいちゃんとの思い出の地の1つであった。
本を沢山買ってもらった。
生物の本から、宇宙の本まで。
ラブコメから、ミステリー系まで。
ありとあらゆる夢を提供してくれた。
おじいちゃんと、本屋さん
どちらも、もうないけれども_
それでもきっと思い出せる。
10年間以上お世話になりました。ありがとうございました。と、建物に呟き。
私は何かが欠けたような、そんな日々を送るだろう。
でもきっと、また新しい思い出に変わると信じて
本屋さんの営業22年間の終幕を見終えて、今日の話は終わりです。