表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/15

4.スラミンよ、永久に眠れ・後


「はぁ……はぁ……中々やるな」


 エイラは片手で頭を抱え、ため息をつく。

 スライム達も今ので体力を使い切ったのか、液体に近い状態になっている。

 

「スラミンさん……お願いします! ボク達じゃ……倒せません!」

「せっかく鍛えて貰ったのに……面目ないっす!」

「次までに、動画配信でバエる一発芸考えときます……」

「ちなみにむっつりスラミンは、スケサン先輩が酒の席で大笑いしながらそう呼んでました」

「サキュバスのメロさんも大笑いでした……」

「がーん」


 互いに満身創痍(まんしんそうい)(スラミンはメンタルダメージ)だが、その瞳は闘志に燃えていた。


 カズトは愛する者の柔肌を守る為――。

 スラミンは傷付いたその心を奮い立たす為――。


「いくぞ、スライムッ!!」

「こうなりゃヤケだぁぁぁぁぁ!!」


 互いの攻撃が、交差する――その時だった!


「ていっ」

「あ痛ッ」


 スラミンが飛び跳ねた所を、エイラが杖を振り下ろす。

 ぷるぷるした身体は床に叩きつけられる。


「はい。これ剣で刺して」

「あ、うん」


 カズトは言われるがままスライムの弱点であるコアを刺した。

 スラミンはその場で液状化し、死亡する。


『スラミンさぁぁぁぁん!?』


「これポイズンスライムでしょ? 経験値、いっぱい入っただろうし……今日は帰ろうか♪」

「そうだね。ボクも疲れたよ……」

「お風呂でいっぱいマッサージしてあげるからねー……帰還魔法(テレポート)!」


 2人の頭上に魔法陣が出現し、それが下へ移動する。

 そうすると、そのまま2人が光の粒子となり消え去る。


「スラミンさん。俺、アンタの勇士、忘れねぇから……」

「おぉ魔界の神よ。スラミンさんに、せめて安らかな死をお与え下さい……」

「みんな泣くんじゃない! 泣いてたら、スミランさんが安心できないだろ……」


 スラミンの死体を囲んで、メソメソと泣くスライム達。

 そこへスケサンがやってくる。


「あっ、終わった?」

「スケサン先輩! スラミンさんのお墓。お願いします!」

「俺達、もっと鍛える為に、ジョギングに行ってきます!」

「行くぞぉぉ! ファイ!」

「ぷるっ!」

「ファイッ!」

「ぷるっ!」


 掛け声と共にどこかへ跳ね去って行ったスライム達を尻目に、スケサンは頭をかく。


「忙しいな、アイツ等……」



 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


本日出没した冒険者の紹介コーナー


新人冒険者のカズト(16歳)


職業:見習い戦士

レベル:5→11 レベルアップ!


装備

武器:ショートソード

頭:気合のバンダナ

胴:銅の胸当て

腕:アイアングローブ

足:ブロンズグリーブ


趣味:剣術指南の本を読む事

好きなもの:エイラのマッサージ

嫌いなもの:ピーマン


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


新人冒険者のエイラ(17歳)


職業:神官(プリースト)

レベル:12


装備

武器:神官の杖

頭:神官の帽子

胴:絹のローブ

腕:なし

足:貝殻のサンダル


趣味:カズトのお世話

好きなもの:カズトの笑った顔

嫌いなもの:ピーマン


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「で、先輩? 誰がむっつりスラミンだってぇ?」

「よーし、今日は俺の奢りだ。お前も店に来るだろ?」

「わーいってごまかされると思ってんですかっ!」

「――行かないの?」

「……行きます」


 2匹はしっかりと飲み過ぎて、次の日ボス代理に烈火の如く怒られたのであった――。


 おわり。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ