アサヒの食育と、学園都市の生活基準
「さて……始めるか」
屋台通りにある、つぐみとみなもが運営してる屋台にて。
そこで、裕樹が……
「始めるか、は良いんですけど、やる気削がれるんでそのエプロンはやめてください」
「ーーやっぱり?」
クッキングアニキ、とプリントされたエプロンを着けて、包丁と果物を手にクッキング。
ウケ狙いのつもりだったが、見事な大ハズレを披露したため、タオルで隠す。
「それで、どうしたんだ裕樹?」
「アサヒの食育」
食欲の秋と言うだけあり、食べ物が美味しい季節。
なので、裕樹はアサヒの食育の為に、色々と買ったり作ったりと大忙しだった
「つっても、アサヒは体が弱いから、量は食べられないんだけどね。今のところアサヒは、ココアが好きで、油ものが苦手ってところかな」
「けど食育は大事ですよ。確かに量は食べられないけど、アサヒちゃんは好き嫌いがないから」
「うんうん、食育の成果バッチリれしゅ。」
「…………ココア♪」
裕樹のそばでは、アサヒがホットココアを、猫舌なのでふーふーしながら飲んでいる。
「……ホントアサヒちゃん、行動全部がかわいいと言うか」
「なんだかほのぼのしましゅね、これで美味しいものを食べさせてあげたときなんて……」
ちょっとした、マスコットキャラになってるアサヒだった。
「とりあえず、梨剥いたけど、食べる?」
「あっ、はい。食べたいです」
「わちゃしも」
「じゃあ俺も貰うかな」
「…………梨……しゃりしゃり」
一応裕樹は、包丁のあつかいは上手な部類で、梨も女性陣も顔負けに綺麗に剥かれていた。
「うん、秋と言えば梨だな」
「リンゴも良いですけどね」
「このみずみずしさがいいれしゅね」
「ファームでとれたもんだから、新鮮だぜ」
「…………しゃり、しゃり……ユウ、お兄、ちゃん。あーん」
「ん? ああっ、あーん」
途中、アサヒが裕樹にあーんってしてもらったり、してあげたり。
が混ざる中で、平穏な時間が過ぎていた。
「さて、晩御飯どうするかな」
「裕香ちゃんから聞きましたけど、最近はバリエーションが増えたそうですね」
基本的には、裕樹と裕香の生活は家事は当番制です
「色々と買ったり、調べたりするうちにね。それに妹の好物位は、作れるようになりたいし」
「そう言うところ、素直にすごいと思うぞ」
「さて……アサヒは何食べたい?」
「…………とうふ、食べたい」
「豆腐か……麻婆豆腐、いや、ひややっこかな。揚げ出し豆腐もいいし」
学園都市では、男女共に家庭と仕事の両立な考えは、初等部寮での生活から培われています
なので、全体的に家事スキルは得手不得手はあれど、全員が持っているものなのです。
「あっ、そうだ。つぐみ、みなも、今度裕香と一緒に、アサヒのドレス見繕ってもらえないかな?」
「ドレス、ですか? あっ、そっか。生徒会主催のパーティー」
「そろそろ準備が必要れしゅね。わかりました、アサヒちゃんは責任持って、可愛くしてあげちゃいましゅ」
「たのむ。礼に2人のドレスも、俺が金出すよ」
「あの、ドレスは簡単な買い物じゃ……」
「大きな仕事入ってるから、大丈夫。よっぽどの無理じゃなかったら、って考えてもらえたらね」




