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学園都市の国際事情

 神、あるいは悪魔と呼ばれる存在の創造。

 ある宗教団体がDIEシステムを使い、その所業が成されようとした事件以降、学園都市では宗教の禁止が仄めかされた時期があった。


 学園都市は世界中からの留学生、あるいは学園都市系列孤児院受け入れも行っているため、宗教の受け入れ拒否など不可能。

 何より、学園都市で学べないことはない、と言われている以上は制限は掛け難い事もあり、日常生活習慣を始めとする異文化交流、そして冠婚葬祭関係の学科という、知識観点での受け入れは積極的に行う方針が取られるようになった。

 ただし宗教観点の施設建造、集会や布教といった行動は学園都市内部では禁止されており、重要な催し物の時期が近づけば都市外部への外出許可を、早期承認処理をする措置が取られている。

 無論、学園都市に関わる国々、あるいは企業や機関も事情を理解した上で、衝突が起こらないよう慎重に事は進められているし、学生間でもそれらの注意事項を理解した上で都市に入居を承認している。


 DIEシステムはまだ、可能と不可能の境界線が確立されてない技術。

 それ故に人の想定範囲外の火種も、星の数ほど存在する


 しかし基本的には、良識ある行動さえ取っていれば問題にならない事。

 基本学習には異文化交流の一環として、相互理解の精神と失礼にあたる行為の注意事項の教育もされているし、下手に衝突して学園都市の枠から外れる事は、どの方面からも避けたい事柄である。

 

「今日は異文化交流学習だったって?」

「うん、色々と珍しい事教えてもらえたよ。今日はね……」

「へえっ……さて、じゃあどういう行動をとったら、失礼にあたるかはわかるな?」

「うん」


 学園都市は初等部から、留学生の存在など珍しくはない。

 裕香も友人に留学生が複数名いるし、裕樹も保安部や生徒会SP在籍の留学生の友人は数名いる。

 否、学園都市の住人は余程の事がなければ、誰もが出身国に関係なく友好関係を築いている。

 そして、経歴も様々であり……


「しかし騎士が先祖の、グレートブリテン島出身の子か……珍しくもないけどさ」

「将来は保安部か生徒会SPに入って、現代の騎士として活躍したいって。で……」

「俺と話がしたいって?」

「うん。日本の武士道と、学園都市最強のあり方を勉強したいって」

「そりゃ見所ありそうじゃないか。よし、今からでもいいから会ってみたいな……で、どんな子?」

「まるでお人形さんみたいなかわいい女の子」

「……そこは意表を突くのか」


 学園都市では、国境に関係なく誰もが全てを目指せる。

 それが学園都市その物が目指す、将来の理想像

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