23 チェンバロ協奏曲ニ短調を聞いたせいです
久々に投稿しました! 次のお話のプロローグです。
えぇっと……まだ先の回の内容が出来てないまま投稿してしまいました……( ̄▽ ̄;)
今回はすごく短いです……よろしければお願いいたしますm(。_。)m
全体の白い壁のこの部屋が私の心を圧迫する……
私はかしこまり、ちょこんと片隅の方で座り込む……
個人の病院としては綺麗な作りの内装だと思う。ちょうど13時過ぎで受付の人も何処かにランチ行ったそうだ。
ここにはあの人と私だけ……久々の再会からまさかこんな事になってしまうとは思わなかった……今、他の患者さんがいないのにBGMが流れる……そう、バッハのチェンバロ協奏曲ニ短調だ。なんで今、この曲なの……落ち着かない……同じ感覚で流れる心音。
ドンッドンッドンッド……
ただ胸が苦しくなる。そして、この曲を聞いて思い出すのは……
月明かりの日。あなたが私をエスコートして高級なレストランへ連れていってくれた事……帰りの車の中でもこの曲が流れていた……車を運転する、あなたの横顔が素敵でそのたくましい腕にドキッとした……ふと、車を停めて二人で降りて一緒に見上げる……彼が堂々と言った……『月が綺麗だね……』
だが、その反面もう一つの思い出が過る……
普段から気を遣ってくれ、私の雑談を聞いてくれる優しい笑顔……変に正論や説教じみた事を言わず……ただいつも、いいタイミングで頷いて、私の悩みを心配してくれる…………あの飲み終わりの後に、月明かりに照らされた歩道橋で青臭い告白をする前の…………不器用な『月が綺麗ですね……』
何でこんな事になってしまったんだろ……?
何で今さら会ってしまったんだろ……?
何でわざわざ、ここに着てしまったんだろ……?
彼の煮え着きらない態度に腹が立ったから?
悪いのは……良顕くんだ……変な噂も聞いてしまったし……もう何も信じられないし、信じたくない。
もう、何もかも……すぐに忘れられるだろう……
膝に置いた震える手に、力を込め肺に溜まっている憂鬱を吐き出した。
「それじゃ! 入ってきて!!」
診察室から声が聞こえる。その声で扉の前に立ち、一呼吸置き扉を開けた。
「やぁ、華! 着てくれたんだね。嬉しいよ 」
「うん……」
「さぁ、座って」
私はゆっくりと扉を閉めた……
今回も読んで頂まことにありがとうございます!
今回はトレアイの従業員、華ちゃん目線でのプロローグです。
相手は誰なのか……良顕くんとは誰か……
まだ、色々と練っておりますが……またよろしければお願いいたしますm(。_。)m




