15 会いにいくよ!
今回は、次回の話のプロローグです。
私の話なんですが、久々に会う人ってドキドキしませんか?
よろしければ短いですが、楽しんで頂ければ幸いです!
10月の始め……残暑はまだ、引っ張っている。
私はさっきまでの籠った感じの電車の中から、外を味わいたく、新宿の地下から地上にいく。
雑音だらけ、汚い町……人ごみの中、大きく溜め息を付いた。
空を見上げると、細なが~い雲が私の視界いっぱいにある。
「あの曇……あの人の町まで繋がってるのかなぁ……」
私は小さく言葉を溢した。
いくつかの雲が流れると、太陽が顔を出した。
まぶしい……
手をかざして眩しさを半減させ、私は行くことを決めて、歩きだす。すると、何人かの男が振り返り私を見るが……
そんなのどうでもいい……あなた達に見られても嬉しくないし、私を見ていて欲しいのはあの人だけなんだ……
私はフンッと鼻を鳴らし、ただ前を進む。
また地下に入り、今度は私鉄の特急に乗り込む。
電車は加速し、ドンドン……ドンドン……っとあの人がいる町に向かう。
いくつもの景色を通り越し、停車駅三駅を過ぎて、次の停車駅があの人のいる町だ。だが、あともう少しってところで電車はスピードを落とし、ゆっくりになる。そして止まった。
もぅ! いつも向かうとき……なんで、ここの辺りで止まるの!
私は小さな怒りを窓の外に向ける。右の窓に映るのは、『用水路と小川と小さな橋』
はいはい、この景色は変わらないですね。間隔調整って事はわかりますけど!
そうこうしてると30~40秒が過ぎ、また電車は走り出す。地下に入り、そしてあの人の町の駅に止まった。
私は、思いの丈を胸に、駆け出し小走りで地上に上がる。
地上にあがると、新宿よりは人はいないがそれなりに賑わっている。でも、ちょうど良いくらいだ。ほんと、この町に来ると落ち着く。
日の光が眩しくてまた、空を見上げてしまう。
あれ? さっきのなが~い雲に似てるのが居る! やっぱり繋がっていたのかなぁ!
私は、さっきの小走りで弾んだ呼吸と、雲の事で嬉しくなり、口元が緩みにやける。
だが、日の光と……ちょこっと走ったので……かるく、フラッとした。
あぁ、ヤバイヤバイ……暑さのせいだなぁ。そうだ、近くのコンビニ入ろう。
私は50メートルくらい先のコンビニに入り、体の熱を放出する。
あぁ、涼しい~
それから、アイスの冷えてる冷凍庫のコーナーに行く。そこから坊主頭の少年のイラストのアイスキャンディーを買って、コンビニの前で開封する。
シャリシャリッ、シャリシャリッと鳴らしながらかじり、食べる。
半分より下までたどり着くと棒を見て、ハズレを確認する。
やっぱり……はずれか……アタリ、ホントに入ってるとかなぁと……目を細目た。
「ごちそうさま」
そう小さく呟き、コンビニのゴミ箱へ入れる。
先ほどの、フラッ……が収まり、私は自分自身に気合いを入れるために両手で顔を叩く。
「カエデ! 一世一代の大勝負です! 」
私は1人見栄を切り、気合いをいれて歩きだす。
「待っててね、ヒロちゃん! 会いに行くよ!」
私はヒロちゃんの元へ向かった。
今回も読んで頂き誠にありがとうございます!
カエデちゃんとは誰なのか? ヒロちゃんは誰か?
次回のお話頑張って描きたいと思います!
今回も読んで頂きありがとうございましたm(。_。)m!




