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古着屋の小野寺さん  作者: 鎚谷ひろみ
sweet&salty
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17/52

10 お花屋の娘さん #2

前回の続きです。

S.K登場。まぁ、誰かはだいたい想像ついているとは思いますが……。



今回の「花屋の娘」はある程度、知ってれば単体で読みやすい話だと思います。





10-2 見て見て、バウムクーヘン






昔、なりたかった自分とは……なんだろうか……貴方は何ですか?


俺は……正義の味方になりたかった。笑う人もいるだろう……だが、子供の夢はすぐ変わるもんだろう。

大学の頃、警察になろうかと思った事もあった。だが、実際選んだのは教師という仕事。別に教える事が好きでもないし、子供も好きではない。

俺が望んだのは安定性と……それと、心に残ってたのは高校の時の進路希望のおじいちゃん先生。


俺はあの先生みたいに……っと憧れた。



だけど、現実はどうだろうか……

俺は教師になり、最初の数年は熱心に教師をやってたと思う。自分を慕ってくれてる生徒含め、関わった生徒は全員の力になりたいとと願った。困っていたら救いたいと……だが、そんな淡い情熱や誠意はすぐさま……打ち砕けた。


人の無邪気な悪意は無限に出てくる。一人を救うということは、誰かを救えないということ……すべては俺の傲慢。


何度も何度も、目の前の現実に向き合うこととなる。全員が幸せになる道は99%ない。

だから、俺はそんな奇跡を探す努力を……無理が無いように探す。

そして、俺は……自分を傷つけないよう……人との距離の取り方を身に付けた。



でもそれは……なりたかった自分になれたのか……悩む日々であります……





それとは別で……彼女がいたのは何年前だろうか……

あぁ、たしか、十年前くらいだっけ……


最初の彼女は大学入ってから、最初のバイト先の居酒屋……年上のちょっとギャルぽい人だった。

俺の事をかわいいって言って、付き合ってと軽く言われたんだっけ……彼女からしたら、物珍しい感じだったんだろなぁ。

でも、結局価値観が合わず……まぁ、別れて……気まずくなってバイト辞めたんだよなぁ……


次は、サークルの1つ上の先輩。今度は飲みの勢いで、そのまま……まぁ、案の定……すぐ別れたけど……


三人目は、同い年の大学の女の子。学部は一緒だし、授業が被ってるのもあって。友達の友達のツテで会うことが増えていって……気がついたら、お互い気安く話しかける間がらになってたなぁ……

将来の事や、くだらないこと、すべて話すくらいの仲になってて……向こうから付き合う提案を出された時は、すっごく嬉しかった。

ホント……結婚するんじゃないかって……でも、道が違えば……


彼女は国家公務員になって俺とはぜんぜん違う、志しで……気がつくと会うことが減り……最後には『好きな人ができたから別れよう』と言われたなぁ。



会わない時間がお互いの大切さを育んでくれると信じてたし……俺は……次会った時に、同じ時間を共有するのを多くため、同棲を提案しようと想ってたのに……


本当に大好きだった……俺はそれ以来、もう恋なんてできないと思ってた。彼女の事を5年は忘れられないし……

無慈悲にもそんなの関係なく時間は進む、仕事はしなきゃならないし、目の前の事を必死にこなすだけでいっぱいいっぱいで……


学生時代の友人とは連絡もとらなくなるし、職場の関係ある人は歩調を合わせるだけだし……大人になるって孤独になるってことなのかなぁ……


いや、交友関係や恋人関係を軽んじて……努力をしなくなった俺が悪い。別にいい、俺は孤独に馴れてしまったから。



実家には帰るのが年々億劫になる。仕事を理由に帰省しない年もある。母からは、たまに電話がある。

『元気でやってる』『あんたいい年なんだから』『いい人いないの?』『私たちが死ぬ前に、あんたの孫を見せなさい』とか……


いや、姉貴や弟いるじゃん。アイツら結婚してるし、俺くらいは諦めてくれ……俺はいい人がいたら、付き合うし結婚するし…………今はいないんだ……



そして……今後とも、も……っと思ってた。





だが、今……マジで一方的に、結婚したいっと思える人ができた。

だが、残念な事に相手は歌手だ。ぜんぜん違う立場の俺と彼女。というか、最近出会ったばっかりだし付き合ってすらいない。

これが一目惚れというやつだろう。あと、熱心なアイドルに恋心が芽生えてしまうファンにも近いのかと。

だが事実、最近は彼女の事が頭から離れないし、目が離せない。

おいおい、34才にて思春期かよ……自分に呆れるが……それくらい、今俺は燃えている。





5月の半ば、俺は放課後に例の男を屋上に呼び出した……

もちろん、普段屋上は開いていない。だがこの学校では、普通の学校ではあり得ない時期にやる文化祭の準備のため……教師だけは報告をすれば屋上の鍵を貸し出しする事ができる。


私用で使うなんて、教師の風上にも置けない……だが、特権特権。使えるものは使わせて頂きますよ。

それくらい、俺は今、恋している……『SUMIREさん』との恋を成就したいと思っている!



呼び出した男は、『S.K』……


もともと根暗で早口ガチな男だったが、最近は見た目がお洒落になり、周りと関わろうとして、良い方向へ人が変わっていった。

教師から見た俺もヤツの成長は嬉しいものだ。



まぁ、お洒落になった生徒に助けて貰おうとは思わないが……何かしらヒントを得れるかもしれない。

奴は生徒だが、何となく話しやすい部類だし。だから、今、俺はS.Kを呼び出した。



とりあえず、俺はグランドを見下ろせるフェンス越しで……奴を待つ。





ガチャ、っと扉が開き、俺は振り返った。


「せんせ~い! 所要って、何ですか?」


S.Kは黒のスニーカー。黒い太めのスラックス。白の襟のない岳が長いシャツ……

そして、黒いフードがついてるローブっぽい服を着ていた。


なんだ、コイツ……パッと見、ゲームのキャラクター?

某有名なSF映画の騎士かよ? いや、待てよ。最近月9で、あの北海道スター俳優がこんなの着てた様な……

ふと、相談とは関係ない色んな事柄が巡る……


いや、だが……似合っている!! お洒落を感じる……たしかに……たまに海外の俳優とか、こんなの着てるわ!



そのような事をS.Kを見ながら顎に手を添え、考えていた。


S.Kはそんな様子を読み取ったらしく自身の服を何度と見返す。

「えっ、もしかして、やっぱり変ですか? このローブ?」

「あっ、いや! むしろお洒落だなぁって。ていうか……今日、そんなの着てきてたっけ?」

「いや、実は……文化祭でやる劇の衣装で荻野目さんが使えるかもって持ってきてくれたんですが……『君、着てみてよ。似合うかもしれないから』……って言われて……着せられたんです。そのあと、先生に呼び出された事を思い出して、脱ごうとしたら……『いいよ、そのまま着ていって』……って言われて、そして今に当たります……」


ちょいちょい、低い良い声風の荻野目の物真似を混ぜながら話す。


「あぁ、なるほど……そう言えば、荻野目も服観るの好きとか言ってたなぁ……」

「そうみたい何ですが……なかなか話が続かなくて………でも、何かこの服を急に着せられましたが……まぁ、この服のブランド名がレアセルって言うらしくてデザインが凝ってるのが好きみたいですね……あっ、で、そう言えば呼ばれた理由って何ですか?」

「あぁ……その事なんだが……」


俺はとりあえず、右上を見ながら少し考える……もっともらしい事をある程度用意してたので、それを言うことにした。


「いや、実は……俺の恩師が80才のお祝いをやるみたいで、その時に着ていく服を相談したいなぁ……って……んで、お前、お洒落じゃん! もしかして、なんかスーツとかそう言うのにも詳しいかと思ってなぁ……それで相談しようと思ったんだよ。こういう相談って、アレじゃん! 大人の俺が学生に相談してるの見られると、恥ずかしいじゃん! それでさぁ……」

そう言っていると、S.Kは俺の顔を見ながら右手に顎を添え、腕を組ながら黙って考えている……


その深刻そうに考えている姿についつい、動揺が出そうになる。

「えっ、何? 俺の顔に……何かついている?!」


S.Kは首を傾げて、何食わぬ顔で口を開いた。

「先生……それ、嘘ですよね!」

俺はその言葉とS.Kのまっすぐな目ににドキッとした。

「えっ……ウソって……お前、生徒にウソつくわけないじゃん! ふぅっぅ……」

ついつい、声が裏返り言った後、目をそらしてしまった。


「いや、人って嘘つく時……右上を見るそうなんですよ。右脳は想像する力があって、右上を見ると言う行動は、視覚的に、未来を想像する事に繋がるそうなんです。過去の事、実経験を感じた事を言うのに右上を見て思い出すって……おかしくないですか? まぁ、左利きの人だと、これは逆になるそうですけど……先生、右利きですし……」


えっ、コイツ、こんな注意深い男だっけ……? うーん……


「先生! 今、左見てから、すぐ右見てますよ。」

「もう! どうすれば良いんだよ!!」

「えっ、と……正直に言って貰えたら……より先生の悩みを解決できるんじゃないかと……」


俺は当たり前の事を言われて下を向き……考えるが……言い逃れできる自信がなく、意を決した。


「わかった……(っちぃ)、 正直に言うよ……と言うか……さっきの知識なんだよ! ゲームかアニメの知識か!」

「あっ、それもあるんですど……僕の師匠の教えで……まさか、役に立つと思いませんでした。同学年だと、じっくり見れないんですけど……先生だったら安心して見れました!」

S.Kはニッコリと笑って、ガッツポーズを取った。


まったく変な事を教える人がいるもんだ……何の師匠だよ!


「じゃ、本題どうぞ!」


俺は息を抜きながら唸ってから、顔を逸らす。そして、少し奴と距離をとってから口を開いた。

「実はな、俺……最近…………好きな人が出来て……俺、オッサンだし。服も無難な奴しか無いから……お前、お洒落だろ……だから……どんな所で服買ってんのかなぁ……とか……服の事相談したくて……」

そう言った後、ヤツの顔を見る。S.Kは口元を隠していた。がすごく目がニヤニヤしており、コイツ……明らかに、口もニヤニヤしてるだろ!


「……実は先生が最近ちょくちょく、花屋さんに顔を出してたの見掛けたので……まさかと思って。先生……純愛ですね。ホントに好きなんですね。マジ恋じゃないですか!?」


ドンドンS.Kはテンションが上がり声が高くなっていく……十歳以上年下の子供にそんな事を言われ、俺は恥ずかしくなった。

それと、花屋に顔を出してた事がバレていたのがツラい……そして、顔が熱くなったので生徒にそんな姿を見られるのが嫌だったので、両手で顔を覆い、その場でしゃがんでしまった……



あぁ……穴があったら、入りたい……



トスっ、トスっと近寄ってくる音が聴こえる。


「なるほど……わかりました!」

俺は覆ってた両手を外し、S.Kを見る。奴は中腰になって、俺に手を差し出した……



「貴方の願い、叶えましょ 」


その時、風が吹き俺は背中を押された気がした。俺はその風で体勢を崩し、差し出された手を握り、起き上がらされた。




俺は色々な恥部を子供……いや生徒にさらけ出してしまった事で、顔が熱くなる。そして、いい歳した大人なのに、感謝の言葉が出せない。

「なんだよ、それ、またアニメか漫画の台詞か?」

「はい! それもありますけど……僕の師匠の言葉です!」


俺は、目の前の悠然とした子供を信じて、委ねる事にした。


「あっ、僕……スーツには詳しくなくて……あと、僕が教わってる服の師匠……えっと、さっきから会話に出てきてる師匠なんですが……」

「えっ、師匠って、服の師匠なの?!」

「はい! それで、その方も何ですが…。大体の衣服関係には詳しいんですが……どうもスーツだけは詳しくないそうなんです……」

「えっ! そうなの……」

「あっ、でも!! 組み合わせ次第でスーツぽく、着こなせる服もありますし! セットアップとかもありますから……そこら辺は相談してみます!」

「セットアップ?……まぁ、いいや! とりあえず頼む!!」


そうお願いして、翌日に予定を合わしてくれた。

S.Kは早速、その師匠と言う方に連絡してくれてるようだった。

この際、どんな恥をかいてもいい……それくらい、俺は本気なんだ!





後日、放課後に校門前で……S.Kを待っていた。


下校する生徒たちは……

「先生、さようなら~」

っと手を振ってくれたりしてくれる……嫌われてないのは、ホントありがたい……



「先生!」


その声に俺は期待を持って振り返る。だが、S.K……じゃない……

「あぁ、一条か……気をつけて帰れよ 」

「先生、佐藤くん待ってるんでしょ 」

「えっ、なんで……その事知ってるの?」

「佐藤くん、文化祭の用意で忙しいから、『古着屋に先生を先に案内しといて。後でちゃんと行くから!』って言われたので 」


えっ、S.K……いや、佐藤……という事は、まさか……


「一条……お前、まさかっと思うが……俺が服を見に行く理由とかって……聞いたの?」

「あっ、聞いたというか。あの日、先生に呼び出されて戻ってきた時……呼び出された理由を聞いたら……右上向いて、嘘付こうとしたので、問いただしました 」


佐藤……おまえ、自分の知識、生かせてないじゃん……というか、《目が右上を向く=嘘を付く》って、マストなの!?


「まぁ知ってるのは、学校だと僕と佐藤くんくらいなんで安心してください 」

「えっ! 学校以外にも知ってる人いるの!?」

「まぁまぁ、気にしたら負けですから。では、行きましょうか 」

そういった一条は少しだけ足取りが軽そうにしている。俺たちは歩きだした。


というか俺の恋愛事情が数人に広まってるのが、悲しい……あと実は、俺……一条は少し苦手何だよなぁ……

何考えてるか、わからないし……いや、先生も人だから、得意不得意はありますよ。


コイツ……服とか好きなのか……たしかに、たまにお洒落なの着てきてるが個性的っていうか……そう言えばコイツ何が好きなんだ……?

三者面談の時、お母さんはスゴくいい人そうだったし。育ちは良さそうなんだが……この際、聞いてみるか……


「一条?」

「なんでしょうか?」

「おまえって、好きなもの何なの? ほら、この前の自己紹介で、和菓子作りと裁縫とは言ってたが、なんか他あるだろ?」

「はぁ……まぁ、しいと言えば……お笑いとロックですかね……」


えっ、コイツこんな感じなのにお笑いとロック好きなの?! というか、コイツ爆笑とかすんの?


「へぇ……以外だなぁ……好きな芸人とかは?」

「最近だと……コントだとネルゾンズで漫才だと銀属バッドですかね。あと、ハマってるのは、猟奇! NOどんぶりRPGのプレイヤーセレクトにハマってます 」


やべぇ、名前、わかるやつもあるが詳しくはわかんねぇ……


「ほっ、他は?」

「ずっと好きなのはコントだと京都33で……漫才だとチュートリアルモードですかね。ちなみに、チュートはコントも面白くて……あと陣内さんも好きです。あぁ、あとバラエティーなら千鳥足が好きで……」

「あっ、そうなんだ……」

コイツ好きなことにはスゴくしゃべるタイプなのね……

「えっ、ロックとかだと……」

「まぁ、海外のバンドも聴くんですけど。OASYSとかQEEENとか……日本の有名どころのバンドだと特にサカナアクションと東京事件が好きですね 」


なんか、色々意外すぎるんですけど!!


「一条……お前……不思議だなぁ……」

「まぁ、人って見た目だけじゃないですよ。」



なんか、意外なこと知れたのでこれはこれで良しとするか……


俺たちは少し距離が縮めながら十分近く歩いた。





「着きました。ここです 」

一条がゆったりと店に手をかざした。


というか、ここ……SUMIREさんの店に近いじゃん!

だから、佐藤……知ってたのか……

そして、一条は此方を向いて首を傾げる。

「実はこの店には魔女がいるんです 」


魔女、婆さんなのか……?

「魔女? なんだそれ、あだ名か?」

「まぁ、それに近いんですが……彼女の魔法は人を救ってくれるんです。」


えっ! 何それ! 宗教!? 恐い!! ヤバイヤバイ! 何かヤバイ事に関わってるの俺?!


「ちなみにその魔女に、僕も助けられた事があります。あと、佐藤くんのお師匠です 」

一条は少し自慢気に言った。


えっ! うちの生徒、ヤバイ人に捕まってんの……ヤバすぎる……

俺は立ち止まって頭を抱えた。

「先生! 入りますよー」

一条は当たり前の様に店に入っていった……


うーん、外観は普通……だなぁ、地下に降りる階段。ガラスの自動ドア。

あっ、お洒落な自転車停まってる……


まぁ、俺、大人だしヤバイと思ったら逃げればいいよなぁ……


そして、半信半疑で店内に入った。





うん、店内は普通。従業員の兄ちゃんが2人……


はぁ、よくわからんが……お洒落か……

観回していると、一条の声が聴こえる。

「小野寺さん、店長就任おめでとうございます 」

「はっはっは! まぁ、私が本気を出せば容易いもんだよ! その代わり、鈴木が怨めしそうにしてるがなぁ!」


声がする方を見ると、黒いワンピース?って言うんだけっけ……そんな感じの服で、赤いカチューシャを着けた女性が一条と話していた。


俺は何気なく一条に近づいた。


「あっ、この人がウチの担任の桜井先生 」

「あっどうも 」

そう言い、俺はとっさに頭を下げる。彼女を近くで見るとスゴく美人だった。



綺麗な茶髪のストレートヘアーに……慎重は俺より少し小さい……? 170センチ前後か……しなやかな手足。鼻は日本人離れしている。

そして、目……その明るい茶色の瞳は……目の前の俺を逃がさない様だ……まるで、モデル……


俺は彼女に見とれてしまった。


はぁっ、いかんいかん! 彼女に見とれている場合じゃない!


「初めまして! この店の店長で佐藤一成少年の師匠である、小野寺千里香と申します。」

そう言うと彼女はニコッと微笑んだ。


えっ、この人が……店長で、魔女で、佐藤の師匠なの? 魔女って言うから、凄い婆だと思ってた……

「あの! 佐藤がいつもお世話になっております!」

「いえいえ、いつもお世話しまくって、ちょこっとされたりです!」


どういう関係なんだ……というかなんで、俺がそんな事を言わなきゃいかんのだ……


魔女は確信めいた様に口を開いた。

「ところで……貴方が、好きな人がいて、その好きな人に振り向いて欲しいから、スーツを選んで欲しいと、言われた……先生ですよね。」


魔女は自身の手を合わせて、此方を見る。

あぁ、この魔女にもその事バレてるのね!


俺は恥ずかしく狼狽えながら答えた。

「……はい……そうです!」

「ふーん、なるほどなるほど……」

彼女は、唇を尖らせ人差し指を自身の唇に、トントンとしながら歩き考えてるようだ。


魔女は急に、ニヤッとし答えた。

「先生……あれだなぁ……」

「はっ、はぁい!」

俺は、どんな答えが返ってくる身構えた。


「うん! 純愛ですね! ほぉぉぉんとに、好きなんですね!! マジ恋しちゃってるんですね!!」


もう、やだ…………


見知らぬ年下の魔女にも、からかわれるなんて、生きていけない……というか、最近の佐藤……この人の影響か……言動が少し似ている……


俺は少し項垂れた……


「まぁ! 安心してくれたまえ、桜井先生! 私がどうにかしようではないか!!」

魔女は両手を腰に付け、胸を張って、鼻息を一気に抜いた。なんか、わからんが俺は目の前の魔女を信じてみる事にした。



「あっ!!」

「えっ、どうかしました?」

「実は……」

「はい……」

「私……スーツには詳しくないんです……」

「えっ!!!」


…………………………! えっ、どうなるの俺…………続く!!


今回も読んで頂き誠にありがとうございます!


メインの佐藤くんと千里香さんが登場。


そのうち、荻野目さんもメインで出てきます。

そして、次回、別のある人物がスーツを解説します。

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