9 plateau#2 ~停滞前線~
一応、一章二章のエピプロがこれで完結。
前回の続きでございます。
千里香さん視点での続き。
彼女の過去に何があったのかは後々のお話で描こうかと思います。
『菅田将暉のオールナイトニッポン』が終わって、作者である私の心情も少し乗せたような内容になってます。
もし、8 「桜の季節」を読まれてない方や、あれ、ここってどうだっけ?って方がいらっしゃいましたら、そちらと合わせて頂ければ幸いです。
改めて、読むと8 「桜の季節」があってのお話になってるなっと思ったので、
また、9「プラトー」は後々修正は入るとは思います。
9-2 歩苦抗運度
約2年前、私の心がポッキリと折れた……目の前で自分のやっていた事が奪われていく。
だが、私は足掻かなかった……ただ、あぁ、終わったんだ……ただただ、そう思っていた。
もう、何も感じない……
それから私は、人と関わるのも嫌になった。世間の……私の事を知ってる人からしたら、失踪くらいの扱いになっていた。
それでも、私の世間での影響なんて……大した事もない……
私は夜を泳ぐ。
いや、実際に、夜にしか活動したくなくなったからだ。
人には会いたくないし、もし……何か起きたとしても構わない……価値のない人間が消えるくらい……それで、終わってしまうんだったら……
その時は……その時だ……っと思っていた。
ある日、たまたまラジオをかけてみた。ホント、たまたまだった。誰でもいい、誰かの声だけを聴きたかったんだ。
芸人のラジオ番組。少し身内ノリみたいのと、なんかどキツイ下ネタが嫌だった。ニュース……憂鬱な情報が耳に入るのが嫌だった。
ミュージシャンの番組。何か違う。声優の番組。心地よく聞き取りやすい声。だが、今の私には彼、彼女らは華やか過ぎて違う。
そして、次を最後と決めて、違う番組を選んだ。ラジオから聴こえてくる関西弁の男が軽快にしゃべっている……彼は俳優らしい……
それだけじゃない、彼はマルチで活躍しているようだ。
役者に歌手、ラジオパーソナリティー。まるで、彼の存在は身近に感じる……目の前にいる友達のようだ……
リスナーのボケを華麗にこなし、リスナーから良い意味で嘗められている。
そして、ラジオの途中にかかっている彼の曲は……人によってはありふれたモノなのかもしれない……
だが、気が付いたら私は泣いていた。そう、魂というやつを感じたんだ。
私にとって彼の歌は……特別な、大切な事を叫んでくれている。
私の中の何かが……フワッと軽くなった気がした……
私は彼にスゴく興味を持ち、彼のやっていた事、興味のあるものを必死に調べた。
映画やドラマ、音楽。そして、私の興味は多岐に広がった。
アニメや漫画……サブカル……まぁ、アニメとサブカルに関しては少し、かじっていたので……より知識が深くなった。
何よりも彼は、私に希望をくれたのだ。まだ見ぬ私に。そのお陰かわからないが私は徐々に、立ち直り方を覚えていった。
そして、初めてそのラジオを聴いて以来、私は毎週欠かさずに聴いている。
彼のラジオのジングルで
『おいおい! 解き放っても、いいんだぜ!光のラジオって奴およ~』
がお気に入りだ。
「ふっ、なに言ってるんだ、この人は」
ついつい独り言を言ってしまう。
最初は彼に対し、名字に『さん』付けだったが……気がつくと名字に『くん』付けになっていた。それくらい身近に感じる存在になった。
そんな彼のラジオが今日、終わった。
彼は涙ぐみながら……最後に
「ほな!」
彼の言う、『出演者は僕とあなた、人間俳優劇場』と言う謳い文句のラジオは閉幕した。
認めたくもないし、寂しさもある。
だが……本当は……彼はラジオを始めた当初の一年目から、苦しんでいたらしい……
そりゃ、そうだ。役者をやりながら音楽もやり、深夜のラジオにその他色々……実生活にも支障をきたすくらいに何度も何度も……きっと彼の全ては『仕事』というのに蝕まれれいたと思う……
いつパンクしてもおかしくなかっただろう……朝、昼、晩。
24時間の内に、休まる時間はあったのだろうか……
だが、メディアの前では明るく振る舞える。誰よりも強くも優しい本当の俳優……『人』っなんだと思った……
私は彼のように器用ではない。だから憧れてしまう……
そして、真夜中。私は今……五年間続けてくれた、彼のラジオの最終回を聴き終えた。
終わった後、放心状態になり数分後に動けるようなる。
私はヘッドホンを外し、座っている回転椅子でゆっくりとくるくる回り、天井を見ながら
「まだ、見ぬ誰かを幸せに……」
と啜り泣きながら一人、私は呟いた。
彼は昨年結婚し、今年ラジオを辞めて、ようやく休まる場所を見つけたんだ。
きっと相手の方が素敵な人だから、一緒にいる時間を大切にしたいから、少しでも長く一緒にいたいんだろうなぁ……
四年間の片想いを実らせて……ずっと一緒に居たい人と……本当に幸せになって欲しい……
これからも、ずっと……無理をせず、テレビに出て欲しい。
大切な人と一緒に楽しい人生を歩んで欲しい……
素敵だなぁ……私にも、そんな人見つかるだろうか……
椅子から立ち上がり、ふらふらっとベッドに飛び込む。
「まぁ、いないわな……」
私は掠れた声で呟いた。
そういえば、彼は番組中に『また、自分にあった場所を見つけてください』
とリスナー達に伝えた。
見つけれる自信が無いよ………すごく居心地がよかったんだから……
寝転んで身体を丸める。
彼も新しく踏み出した……だったら、私もそろそろ……変わらなきゃ?……か………
ゆっくりと目を閉じて、その日は眠りについた。
何日か経ち、兄貴に言われた会食に参加した。
向こう方は、私の事を快く思っていて敬意の眼差しでコチラを見てくれている。
「是非、千里香さんが宜しければ一緒に仕事したい 」
そう手を伸ばし言ってくれている。
だが、何でだろう……少し……良い身なりをしてる人間に、恐怖を感じる。
これがトラウマと言う奴なのか。気分が悪くなり、席を外し震えが収まるのを……ただ待つ。
兄貴もそこは理解してるみたいで……ただ、待ってくれていた。
その後も、熱心に何回か向こう方が仕事の話の会談を設けてくれいた。
私の古着屋の仕事に関しては……ある程度本社に、先に休みを頂くように申請していたので問題はなかった。
だが……問題は……私自身だ……これから、どうしたいんだろうか……
そうやって悩み続けるが、久々に店に顔を出す。
少年は私を見るなり、近寄ってきてくれた。きっと、心配してくれたんだろう。
今の私の知り合い関係では、一番気を使わない。まるで弟みたいな存在だ。
そんな、彼に変な心配をさせたくない……
「色々と忙しくてね…………」
私は心配掛けない様に気丈に振る舞う。彼の悲しい顔などみたくはない。
私は嘘をつくのには良い意味で慣れたのかもしれない……そう思いたい。
人を傷つけない嘘は必要だと感じる……それが、目の前の大切だと思える人であろうと……
だったら……私は少し賭けてみよう……もし………今から私がする提案に……彼が「はい!」と答えたら、わたしも……新しい選択肢、いや違う。心が追い付いていない選択肢を選ぼう……
私はいつも通り悩む彼に訪ねてみた。
「……やるかね! 柄もの服を!」
「はい!変われるなら変わりたいです!」
彼のまっすぐな答えが胸に響き、私は目を見開いた。
『変われるなら変わりたいです』……か……うん、良い答えだ。
なら、私も変わろう……っと踏ん切りをつけてみる事にした。
少年が帰り、早速。気持が揺らいでしまう前に……鈴木と田中に一言断りをいれ、休憩室で電話をした。
「兄さん、私……ブランドのイメージモデルのオーディションの件……受けてみようと……」
「えっ、ホントか!! よし! なら、善は急げだ!……たしか……4月29日昭和の日と何日間、また予定を空けてくれ 」
「えっ、急すぎない? 私にも心の準備と言うものが……」
「大丈夫だ! 俺が全力でフォローするから任せておけ!」
もしかしたら、これで、日本には戻ってこれないかもしれない……なんで私は……想定しなかったんだろう……こんなにもあっさりと決まり……二つ返事で返答してしまったんだろう……
もう、少年とは会えないのだろうか……
いや、最後に……昭和の日に会おう。
オープンの時間に来る様にと、伝えてあるし……彼に……私が今から、どんな凄い事をするのか自慢してやるのだ。
そして……私の事を……私といた時間を忘れないで欲しい……そうだ! 私から感謝の気持ちを送ろう。
彼が……少年が……気を咎めないもの。
そうだ、G-SHOCKを贈ろう!! 彼は目を輝かせてたからなぁ。きっと喜ぶに違いない!
そして……昭和の日……
てっ……えっ、あれ?! 少年が来ない……ウソだろ……えっ、オープンの時間には来た方がいいって……私、言ったよな……いや、言った言った。
えっ、なんで来ないの……
あっ、もしかして、何か家庭の事情で来れなくなったのか……まぁ、それなら仕方ない……
もしくは、早川くんとのデートが入ったのか……それならグッジョブだ!!
私は彼に関する行動をぐるぐると想定してみた。
それとも……というか……だったら、連絡を……よ・こ・せ!!!
連絡ぐらいできるだろ!!!!…………あっ、私……少年の連絡先………
知らんかったわ!!! というか、ついつい心の声で関西弁が出てしまった……そっか……ついつい一緒に居て楽しくて当たり前になっていたのと……
彼と私……お互いとも店員とお客さんとして棲み分けて、推し量り過ぎたんだ。
たしかに、私自身……最近、深い人間関係を作るのが……苦手だったから。
その結果か……あぁ、やってしまった……
えっ、どうする……もし、来なかった場合……でもまぁ……うーん、確かに直接会って事情を話し、彼の泣きそうな顔を想像すると辛いしな……
よし、一応、置き手紙をしたためて残そう!
まずは……別れを匂わせるくらいはしといた方がいいか……よし、次に……あまり、別れを表現すると、この店で……泣く彼……いや、辛すぎる……
せめて、せめて、なんか面白おかしく描くか! まぁ、なんやかんや嘘は書いてないし……あっ、そうだ! あの御方の歌詞になぞらえ文章に……よし、お洒落にしよう!
ついでに……曲の特徴のサビ後のギター音を文字で表現して……おぉ!! 完璧だ!!!
これで少年も、愛しさと~切なさと~心強さを~~
を感じるだろう。
うん、改心の出来の手紙ができた。なんやかんなで時間が迫ってきている。ちょうど何も考えて無さそうな鈴木がいたので、コイツに託してみることにした。
「おい、鈴木。頼み事をしたいんだけど……」
「えっ、なんっすか?」
「少年に例のG-SHOCKと……この手紙を渡してくれないか 」
鈴木は、少し真剣な顔をしながら、カラーレンズのメガネを指で上げて、
「すんません、ラブレターは自分で渡した方がいいっすよ。もう20代後半なんですし……」
「おまえ、マジで殴るよ……」
「冗談っすよ!」
と小馬鹿にしながら笑う。
「もう、頼んだぞ!」
そう告げ、名残惜しさを残る前に私は玄関まで歩いた。
「あぁ、それと……店長代理!」
鈴木にしたら珍しく神妙な声で呼び掛けられ私は振り返る。
鈴木はなぜかメガネを外し、こちらを見つめて、
「必ず……帰ってきてくださいね……まぁ、別に帰って来なかったら、俺が店長やるんで」
と言うとまた、メガネをかけ直した。
コイツ……もしかして、何か知ってるのか……
「おまえは優秀だが……まぁ、うんまぁ……悪くはないんじゃないか……田中にも宜しくな。がんばれよ 」
哀しみが込み上げる前に店を去った。
表通りを歩く……チェーンの天丼屋、ケータイショップ、鯛焼き屋。スーパーに花屋にドラッグストア。広場……
流れていく景色。最近じゃ当たり前になっていた景色だ。
私は歩く、徒然な日。でも、また一人……寂しい人になってしまうのかもしれない。
バス停までの距離が遠く感じる……足も重く感じるし、動悸も早くなるし……少しばかり手も震えている。
あぁ、嘆いているんだなぁ。私……
そして……色々と頭の中で巡るなか、着いてしまった。
少年は今頃、手紙を読んでくれてるだろうか……まぁ、自信作だ……両方な感じに、とれる様に……できれば、希望的観測を持っていて欲しい……
そして、もう少しで午後0時。いや、午後0時なんて言わないか……駅の北口のバスターミナル。
桜はすっかり散ってしまった。4月29日。昭和の日。
「……さぁん!」
ん? 少年の声が聞こえた気がするなぁ……まさか……手紙を全部読んでたら、そんなに焦って来ることないし……
というか私、どんだけ少年の事が好きなんだよ。
私は、自分の考えとうぬぼれに面白くなり、フッと息を漏らし笑った。
私は時計を見た。もう少しで……バスが来るか?
あれ、なんかサイレンの音も聞こえる気がする……
「ちりかさぁぁぁん!」
んっ、明らかに呼ばれた。私は声のする方に目を向けた……
「えっ、あっ、少年!?」
なんか、鬼の形相みたいな顔で近寄ってくるし……というか、今のやり取りで周りの人たちがこっちに注目してるし!!
うぅ……流石の私でも恥ずかしいぞ……
あっ! あぁぁ……まさか、そこで自転車と一緒に転けるのか……少年……本当に……君と言う奴は……危なっかしい。
私は色々と心配になり、情けない彼に駆け寄った。
《とっ、それからの流れは前回までを読んでくれた方々なら、覚えてくれてるかもしれない……》
少年は『安全運転義務違反』で警察に連れ去られそうになったところを、私が懇願して止める事に成功。
ハッハッハ! 流石、私!
警察の中村さんとは、娘さんにカッコいいと思われたいからって理由で、服をチョイスしてあげた仲だ。そして、娘さんにも服を選んであげている。
いや~ホント、地域住民と警察とは仲良くしとくもんだ~
《うん、この時の私の気持ち?》
もう、心配だったよ。目の前で転けて擦りむいてるし……必死な少年を見てると、ほっとけないし……警察にもご迷惑してるし……周りの人たちには茶化されるし……
あぁ、もう!
そして、遅い青春の痛々しさを残し広場に移動した。
手紙は……全部は読んでなかったらしい。鈴木め……やっぱり、お前、何か勘づいてたのか……でも……悪くはないなぁ!
こういう振り回され方も。私は1人じゃ……なくなってるんだ。それも私には居場所がある……私を必要としてくれる子が目の前にいる。わかりやすいくらいに……形として残ってるくらいに……思い出として、忘れられないくらいに。
そして、今の空気に割り込むように電話が鳴る。
どうせ、兄貴だろう。少年に断りを得て電話にでた。
「あっ、私だ」
「どうだ、ちゃんと着きそうか?」
「うん、スマン。今……野暮用で、行くのに2時間ほど遅れそうだ 」
「えっ、それはどういう事だ! だから、あれほど前もって準備はしろと言っただろ!! どうすんだよ、俺1人じゃどうしようもできんだろ!!」
「だから、スマンって言ってるだろ。ちゃんと行くから、頑張って場を繋げ!!」
私は一瞬である考えが頭に過る。
現状、復帰のために多少の人を巻き込んでるが……いや、うん、今は……そうしたいんだ。
私はセイカくんがくれた……星のネックレスを掴み、握りしめた。
弱い私に、力を貸してくれ。
「あと今後の例の件はやっぱりナシだ!」
「えっ、それ、おい! ちゃんと説明を 」
「元々、乗り気じゃなかったし! あぁ、がんばって、私より優秀なのを探せ!」
「千里香?、千里香?!」
「んじゃな!」
「ちりぃかぁ!!!!!……」
ツーツー、ツーツー。
ふぅ、ひとまず…………スッキリしたっ!!
うん、私は今……目の前の数少ない……直接会っている人たちを幸せにするのでイッパイなんだ。
まだ、見知らぬ数多くの人に夢や希望を与え、幸せにする? そんな気取っている、私……クソくらえだ!
私はあの憧れていた俳優とは、まったくの別人だ。あの方はもちろん凄い!
彼の幸せの魔法は、リスナーや他の色んな人々に全員に届いている。
だが、私は目の前の怒ったり泣いたりしている少年で……いっぱいいっぱいなんだ。
でも、そんな……いっぱいいっぱいが……すごく楽しい。
あっ、そういえば……待てよ……こんなにも私のために、追いかけてきて泣いたり怒こったりしてくれるって事は……おいおい、まさか……
「……少年、もしかしてと思うが……私に惚れてる?」
「はぁぁ!! ちがっ、違いますよ!!」
あぁ、違うのか……でも、そういう優しさは好きな異性に見せるものたぞ……
まぁでも……うん、やっぱり、いつも通りの良いツッコミだ!!
彼の赤身をました顔に、私の心はほころんだ。
元はと言えば、この少年の恋路から始まったのかもしれない……私の魔法は。だったら……ちゃんと、始めなければな。
「私と正式に契約をしないか 」
「契約?」
「うん、魔女との契約だ。君は正式に、私の……悪魔……?いや、魔女の弟子だ 」
そう、弟子。弟や子供みたいな、存在だ。そして、友人でもある。
君が少しでも良い大人になれるよう……私は君を見守りたい。
今の私は、一番そうしたいんだ。
おいおい、LINEを交換しただけで泣くってどんだけ嬉しいんだよ……いや、私が心配させてしまったんだなぁ。
だからこそ……
「私は小野寺千里香。26歳。1月7日生まれ、血液型はB型。出身はアメリカ。好きなものは、コーヒーと甘いものと辛いもの。嫌いなモノは人の気持ちを考えないヤツ。以前の仕事はモデル兼、女優兼、デザイナーのアシスタントだ!! ……」
そして、それからも、くだらないやり取りを繰り返す。いや、きっとこのくだらないやり取りが私達にとっては大切なんだ。
……そんなやり取りがすごく愛おしい……
私たちが戯れていると突如暖かい少し強めの風が吹いた。
おぉ!! 季節外れの桜の花びらが舞っている。緑の生い茂った葉っぱに、それと美しいピンクの花びら。
絶景かなぁ絶景かなぁ。風流だね~
私は風でなびく、カミを押さえた。
少年……君は……私の弟子になって早速、魔法を使ったのかい?
そして……
「なんだ、少年! 今日は忙しいな!! 泣いたり怒ったり笑ったり 」
「誰のせいだと思ってるんですか!」
彼が気兼ねなく笑ってくれている。
なんか、いや……今日は……最高かよ!!
春らしいコーデでじゃれあう二人を見て、周りはなんと思うだろうか。
まだまだ、子供だなぁ……でも、ときめいてるんだぁ!私!!
昔の私の事を知っている人たちが今の状況を見たら、
『停滞』
と思うだろう……
そんなのも、悪くはない。今の私には必要な事柄なんだ。
0時以降の私達、二人の半透明な未来なんて、曖昧なのかもしれない。
他者は……私のこの状況を夜だと言いはるかもしれない。
それでも……目を閉じて見えた幻だから、君と話せたのかもしれない。そして、私達は疲れを忘れ……この小さな世界で始まる意味を……君と探し求め、また歩き始める。
ありがとう、少年……
握られた手を引き上げ、私たちは微笑みあった……
元々、千里香さんが何処へ行こうとしてたか…?
なぜ、何処か行こうと行動したのか……なぜ、やっぱり止めた!って事を描きたく
書いたのが今回のお話。
佐藤くんと千里香さんは似てるような事を考えていた。
って事も描きたく、今回の内容になりました。
今回、ついつい、『菅田将暉のオールナイトニッポン』が終わって、何かしらこみあげてきたのでついつい、今書きたいっとなりました。
菅田さんも言っていましたが、『居場所』を見つけるって難しいんですよ。
私はなかなか次のラジオ、見つからない気がします……。
個人的ではありますが今度こそ勉強に集中しないと……なぁ~って思っております……。
では、菅田さんのお言葉をお借りするなら…
「ほなな!」




