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17/88

17:意味不明です。

 



 デビュタントボールに参加する為、ロブのエスコートで王城に到着しましたら、馬車を降りた所でセオドリック殿下に出迎えられました。


「その男は従者か?」

「……殿下、お久しぶりでございます。ご健勝そうで安心いたしました」

「で、その男は従者か?」


 セオドリック殿下は挨拶を全て無視して、ロブを睨み付けながら身元確認を優先させていました。

 非常に失礼ですし、相変わらず意味不明です。


「私のパートナーですわ」

「……パートナー…………どこの家の者だ」

「我が領の騎士団に所属しています。身元は確かです。城内に入っても構いませんか? それから皆様に礼を解いて良いとお声掛け下さい」


 王城の馬場に馬車が順次到着していますが、殿下の登場により皆がカーテシーとボウアンドスクレープをしたままで動けない状態が続いているのです。


「私の事は気にするな、挨拶も不要だ」


 殿下が皆様にそう声を掛けた後、ロブの内肘に置いていた私の手を掴み取ると、グイグイと引きながら王城内に入って行きます。


「殿下、セオドリック殿下! どこに向かわれているのですか⁉ …………ろ、ロブッ」


 馬車の横でポカンとしているロブを呼ぶと、慌てて走ってついて来てくれました。


「殿下」

「煩い。二人で話せる部屋に向かっているだけだ」

「殿下っ! 痛いです! ついていきますので、普通に歩かせて下さい」


 大人の男性の歩幅で早歩きは、ドレスアップした私にはついていくのは困難で、足をもつれさせながら小走りになってしまいました。

 緩めにしてもらってはいましたが、コルセットのせいで息苦しくて倒れそうです。

 そして、殿下にぎっちりと握り締められた左手首がズキズキと痛みを訴えていました。


「……すまない」


 パッと手を離して止まって下さったので、そっと殿下から三歩ほど離れて、痛む左手首を右手で撫でました。

 その瞬間、殿下がとても苦しそうな顔をされていました。


「あの、どちらに向かわれるのですか?」

「いつも茶を飲んでいたサロンだ」

「畏まりました」


 殿下と少し距離を取りつつサロンに向かう事にしました。

 ロブはいつもの護衛時のように後方に控えつつ、ついて来てくれたのでホッとしました。


「二人で話す事がある、貴殿は廊下に控えておけ」

「お……ミラベル嬢」

「大丈夫よ。外で待っていて」

「畏まりました」


 サロンの前に到着すると、セオドリック殿下が二人きりで話すと言い出しました。

 外に出でいるように言われたロブは少し不服そうな口調でしたが、私が大丈夫だと言うと引き下がって外に控えてくれました。

 殿下のお望み通り二人切りになりましたよ、と殿下に視線をやると、すぃぃっとずらされてしまいました。意味不明です。


「……」

「…………」


 ――――で、無言ですか!




 次話はムーンライトノベルズ側の殿下は……ちょいエロです。

 徐々にエロ的な内容に差が出ますので、18歳以上で! 気になられる方はムーン版もよろしくお願いしますです。


 あ、次話も明日21時頃に更新します!

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