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第二話「城と言う名の仕事場からの脱出」

「私ですか?私はティシア・メルスと言います。今、ベットに倒れている方の娘です。

あなたのお名前は何ですか?」

「俺か?俺はトュレイマン・ゼラース。仕事でここに来ているんだ。」

ティシアもトュレイマンも自己紹介した。


「仕事?何の仕事ですか?」

「守ることだな。そこにいる人を。」

ティシアが首を傾げながらトュレイマンに聞くと

トュレイマンがベットに倒れている人を指しながら言う。


「守る?私の母と父を?もう死んでいるじゃないですか?」

「ああ死んでいるな。相当なやり手だな。殺した奴。

部屋の前に一人、兵士がいたのに気づかないなんてな。」

ティシアが怒り混ざった声でトュレイマンに聞くとトュレイマンは扉の向こうを見ながら言う。

扉の向こうには一人の兵士が倒れている。トュレイマンが殺してしまった兵士だ。


「トュレイマンさん、あなたは何者なんですか!?」

「俺は僅かな光の一人だ。」

ティシアが大きい声で言うとトュレイマンは耳を塞ぎながら言う。


「僅かな光?確か、悪い貴族を暗殺する義賊でしたよね?」

「ああ、そうだ。先日、僅かな光に一通の依頼が来た。この城の主の命を狙う者がいる。

そいつから、この城の主を守ってくれと。」

ティシアが確認しながらトュレイマンに聞くと、トュレイマンが手短に自分の仕事を話す。


話し終わった後にドアの向こうからドタバタと足音が聞こえてくる。

「おいおい、もう来てしまったのかよ。」

「兵士がですか?あなたは一人の兵士を殺しましたからね。」

トュレイマンがドアの向こうを見ながら言い、

ティシアがドアのドアの向こうに倒れている兵士を見ながら言う。


「さて、と。」

トュレイマンが腰に付けている鞘から剣を抜く。


そしてその剣を

「いったい何を?」

ティシアに向けていた。


「俺はここであんたに仕事しているのを見られた。

俺は自分の仕事の話したつもりだが、たぶんあんたは信じてないだろうな。

そしてあんたがこの事を兵士に言うと、俺がお尋ね者になってしまう。

そんな事を塞ぐために、口封じしておかないといけない。」

「そんな私、信じています。トュレイマンの事。」

トュレイマンがティシアに剣を向けながら言うと、ティシアが涙目になりながら言う。


「んじゃあんたに選ばせよう。この選択肢によってあんたの運命が決まる。」

「分かりました。」

トュレイマンがティシアの顔を窺いながら言い、ティシアが首を下に振りながら言う。


「生きて地獄、見るか?死んで天国、見るか?」

トュレイマンが厳しい声で言う。ティシアは少し考える。


「私、父と母の仇を取りたいです!」

「なら俺と一緒に来い!」

ティシアは自信のある顔で言い、トュレイマンが笑顔で言う。


しばらく二人は見つめあっていた。トュレイマンが突然動いた。


「おっと、ゆっくりしている暇は無かったな。ティシア、走れるか?」

「はい、走れます!」

とトュレイマンがティシアに確認すると、ティシアが気合の入った声で言う。

トュレイマンがその言葉を聞くと走り出した。ティシアも追いつこうと走る。


城の廊下は暗く前が見にくかった。しかしその中に一つ光がトュレイマンが向かって来る。


「待てーい。殺し屋!」

「この声は・・・ガドル!?」

渋い声が聞こえて、ティシアが驚いた顔で言う。

光が近づいて来て声の主を確認すると、

鼠色の鎧を着ており、兜から顔が見ていた。顔に長い白い髭が生えていた。

槍を持ちトュレイマンに向けている。


「姫様!貴様!殺しをしておいて誘拐もするつもりか!許せん!

このサドル城騎士団隊長ガドルが自ら制裁をしてやるわ!」

「うるさい爺さんだな。年なんだから大人しくしておけよ。」

ガドルと言われている爺さんは大きく怒りの混ざった声でトュレイマンを睨みつける。

トュレイマンは耳を塞いでおり、呆れたような顔でガドルを挑発する。


「貴様!言わせておけば!もう我慢の限界だ!」

とガドルが言うとトュレイマンに向かって槍を向け走ってきた。


「お、やる気か爺さん?ならこっちも容赦なくやらしてもらうぜ!」

「トュレイマンさん、殺しはいけませんよ。」

「はいはい。」

トュレイマンがガドルを見て腰に付けている鞘から剣を抜く。

ティシアが大きい声で言うと、トュレイマンが分かっていたかのように返事する。


トュレイマンは突っ込んできたガドルを避け剣の持つ部分でガドルを殴ろうとするが、

「無駄だ若者!わしはそんな攻撃喰らわんぞ!」

と言ってガドルは避ける。


トュレイマンは殴りに体重を懸けていたようで体のバランスを崩した。

「ここで終わりだ!若者よ!」

とガドルが槍で突いてこようとする。その瞬間ティシアは目を瞑る。


「ち、あんまり使いたくなかったんだけどな。」

トュレイマンが小声で言う。


「瞬動!」

とトュレイマンが言うと一瞬でガドルの後ろについた。

もちろんガドルの槍の突きは外れた。


「なんじゃと!」

「しばらく寝てな!じいさん!」

ガドルが驚いている隙に剣の持つ部分でガドルの首の後ろを殴る。殴りは当たり

「く、くそ。」

とガドルが悔しそうに言うと、ガドルは倒れた。


「ガドル!?」

とティシアが驚きの声を上げると、


「大丈夫、気絶させただけだ。」

「トュレイマンさん今のは?」

「説明している暇はないみたいだぜ。」

トュレイマンが後ろを見て言う。暗闇の中に無数の光が動いていた。


「あれだけの相手は勘弁だ。逃げるぞ!」

とトュレイマンが言い、走り出すとティシアも走り出した。


しばらく走り、

「出口が見えてきた!」

とトュレイマンが声を上げると、


「ここから先は通しません!」

と二人の兵士が出口で待ち構えていた。


「ちっ面倒だ!」

トュレイマンがいきなりティシアをお姫様抱っこしたのだ。

「何を!?」

「跳高!」

ティシアが驚いた顔で言うと、トュレイマンが叫んだ。

その瞬間、トュレイマンは高く飛び、二人の兵士を抜いてしまった。

二人の兵士は驚いた顔していた。


「このまま脱出するぞ!」

「降ろしてくださいよ。」

「あんたに気使ってる余裕はないんだ。」

ティシアが怒った顔で言うとトュレイマンが冷静に言う。


そして城の外に出て、しばらく走っていると

白いものが見えてきた。

「あれは何ですか?」

第二話終わりましたね。

まだまだ読者様には?な部分が多いと思いますが、

これからの話で分かると思います。

それでは人物紹介を

ティシア・メルス

性別・女

20歳

身長160cm

ガドル城の王の娘。正義感のある子である。

喜怒哀楽が激しい性格。

好きなものは人助け。嫌いなもの冷たい人。

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