回想2と髪?
大変長らくお待たせしました。第2話です。
【あらすじ】
FIN☆
[.....おい]
『はい?』
[何俺になりきって話してんだよ?それにお前途中でふざけただろ?]
『なんのことだか』
[何が俗物的な考え(笑)だよ?こっちは死ぬ間際で本当に苦しんでたのにそれを【FIN】とかマジでふざ]
『続けますね~』
[いや聞]
≪●●が死んでしばらく後≫
「.....い。.....~い。.......のじゃ。」
何だか呼ばれている気がするが知らない声だし、気のせいだろう。それに今は寝ていたいし。
「起きんのう....確かこういう時は....スゥゥ.....」
あ~何だか気持ちいいな~いい湯加減の湯船に浸かっているみたいだ....
「起きろ!!!!!!!!!!●● ●●●!!!!!!!!!!!!!!」
「はいっ!?」
突然近くで雷が落ちた音に匹敵するほどの声量で名前を呼ばれた。鼓膜が破れたか心配してしまうほどの爆音だった。それに反応して思わず跳ね起きて正座までしてしまった。
「ふむ...名前を呼べばすぐに反応した...これが人間たちの言う‟かくてるぱーちぃー効果”というやつか...便利じゃの」
「いや...そうじゃないと思う...」
俺は小さな声でツッコんだ。
「コホン、さて...●● ●●●よ...ヌシはさっき何があったのか覚えておるか?」
「さっき?」
そう言われて俺は今いるところが普通じゃないことに気づいた。周りは光源はないのに白く輝き、床や天井はないのに平衡感覚はしっかりとしている。爺さんの後ろでは貫頭衣姿の背中から翼が生えた美形な人たちが忙しなく動き回っている。ギリシャ系の顔の彫りが深い人や肌が黒い人、アジア系の平たい顔の人など人種は様々だが全員に共通して美男美女だった。そこで俺はなんとなく悟った。
「俺は、死んだのですか?」
「そうじゃの」
俺が重々しく言うと目の前の爺さんに軽く返された。俺はあまりの返事の軽さにうつむいていた顔を上げ、爺さんの顔を見つめた。
ピンと伸びた背筋に腰まで伸びた白い髪に蓄えられたストレートな白髭、顔や手には深くしわが刻まれているが力強さを感じる目によってどっしりと構える大樹のような風格を感じる。
「死んだ俺と喋っている貴方はもしかして神様ですか?」
「そうじゃな。驚いたか?」
「いえ、想像通りの姿だと思いました。」
「それはそうじゃろう。本来神には決まった姿はない。相対した者の認識によって姿が変わるのじゃ。まぁ最近はどういうわけか幼女の姿に変わることが多くてのぅ...神の仕事はかなりはぁどなのじゃが、日本では幼女が働かなければならぬほど切羽詰まっておるのか?」
「あーとそういうわけじゃないんですけど...ってそうだ!翔太は!?翔太は無事に助かったんですか!?」
俺は翔太のことを思い出し神様に聞いた。決して、答えにくい質問から逃げたわけではない。
「あの子なら..」
「無事だ」
突然後ろから答えが返ってきたので慌てて振り返ったらぼんやりと見覚えがある釣竿を持った若い男がいた。
「えっと誰ですか?」
「あやつは簡単に言えば釣りの神じゃ」
「お前さっき死んだやつか?溺れたやつを助けるとは言えすぐに飛び込む無鉄砲さは嫌いじゃないぜ」
「あ、ありがとうございます...でもなんで川に飛び込んだことを知っているんですか?」
「そら見ていたからに決まっているだろ?あのガキを釣ったのは俺だし」
「え?」
俺は釣りの神様を改めて見た。
日に焼けた褐色の肌に鍛えられた肉体に爽やかな笑顔。首には麦わら帽子をかけ手には釣竿を持っている。海をデザインしたアロハシャツに白い短パンとビーチサンダルが相まって、まさにTHE海の男という感じだ。
全く翔太を釣った爺さんに見えない。
「でも釣っていたのは爺さんでしたよ?」
「変装してたんだよ。人間たちの記憶に残らないようにな。それに俺、モテるし」
「....なぜでしょう、急に殺意が湧いてきました」
「カッカッカッカ、お前もいつかはモテるさ」
釣りの神様はそう言いながら俺の方をバシバシ叩いた。...地味に痛い。そして慈愛のこもった眼差しがとても腹に立った。
「ゲフンゲフン!●●も釣りのも仲良くするのは一向にかまわんのじゃが本題について話してもいいかの?」
「あ、すみません!どうぞ!」
「おいおい爺さんもしかして話に混ざれなくてさヴぃグヴォッ!」
釣りの神様が神様(神様でかぶっているからこれから大神様と呼ぼう)をニヤニヤしながら揶揄おうとしたら勢いよく飛ばされてしまった。
まるでドラゴン〇の世界のような飛ばされ方だった。大神様を見るといつの間にか持っていた杖を釣りの神様が吹っ飛んだ方向に向けていた。
「話をしても良いかの?」
「(コクコクコク)」
俺は怖くて頷くことしかできなかった。
「実はのぉ、翔太はワシのひ孫のひ孫のひ孫の(以下省略)のひ孫なのじゃよ。だから助けてくれて本当に良かったのじゃ」
「いやかなり遠いどころか血の一滴も繋がりはないと思いますけど...というか人間界に子孫いるんですか」
「色々あってのぉ」
「というか神様なら普通にちょちょいのちょいで助けることができるんじゃないんですか?」
「それができたらどれだけよかったことか」
大神様はそう言いながら長い髭を捩りながら続けた。
「神は特定の人間を贔屓をしてはいけないじゃ。いや、関わってはいけないのじゃ。関わってしまった結果、西欧の希臘神話のようなことが起きてしまった」
「ギリシャ神話...トロイ戦争とかですか?」
「そうじゃな。よく知っておるの...故に神は人間に関わることは禁止されておる」
「ですが、今俺と関わっているじゃないですか」
「どんなことにも例外はあるのじゃ。例えば間接的に影響があまりない程度や蘇生の可能性がない死者などじゃな」
「え、じゃあ初詣とか神社で必勝祈願とかは?」
「あれは日ごろの行いが良く邪念がない者ならば力や運を授けたりするがそれも小指の先にも満たぬほんの些細なものじゃ。結局は本人の能力や努力、運次第じゃな」
「そうなんですか...」
「そんなことよりじゃ。●●、異世界に転生してみたくはないかの?」
「したいです」
「そ、即答じゃな...まあいいじゃろう」
大神様は軽く引いていた。
「ちなみにチーうぎょぉぉぉぉ!?」
「適当に使えそうなスキルを詰め込んだぞ」
大神様はホケホケと笑っているが、俺はとんでもなく衝撃にのたうち回っていた。確かに痛いのだが、頭や背中に大量の電動歯ブラシを直接異次元の強さで当てられているようなむず痒い感覚に突然襲われたからだ。
そんな俺から少し離れて大神様が杖で地面を軽く突いた。
「それじゃよい人生を!」
そう聞こえた瞬間、地面に穴ができた。俺の真下に
「んええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇっぇえぇぇぇぇぇぇえぇえ!!??」
『ていう感じでしたねwwww』
[...思い出した。何故か名前は思い出せないけど、いろいろ思い出したぞ...]
『それは良かったですね~』
[でも結局俺は何で土に埋まってんだ?しかも普通に呼吸できるし。それに結局お前誰だよ?]
『ええ!?私はちゃんと回想に出てきましたよ!?』
[ウソだろ!?]
『ホントですぅーどんだけ貴方は節穴何ですかー?』
[何だと!?お前こそ存在感なさすぎなんじゃねえの!?]
とかなんとか俺は知らないやつと夢中で言い争っていると地面の振動を感じた。しかもどんどん近づいてくる。
『あ、そういえば貴方は何に転生したのか知らないままでしたね』
[そ、そうだ。結局俺は何なんだよ!?]
『それはですね......』
[ゴクリ]
『5秒後に分かりますよ♪』
[てめぇ焦らすんじゃねぇイダダダダダダダダダイタイイタイヤメロヤメロヤメロ]
突然何かが俺の髪を思いっきり引っ張ってきた!!とんでもなく痛すぎる!!どんなに声を上げても一向に無視して引っ張ってくる!!
「ギャアアア阿阿アアあ阿唖あアあアアあぁぁァァぁァァぁぁぁァぁぁアアアア亜蛙ア嗚呼ア!!」
ね?言ったでしょう?お爺さんと釣竿は特別だって。
さて、クリスマスですね~クリスマス特別編を書こうとも考えたのですが、1話しか投稿してないのにクリスマス編とありえないという結論に至ったので第2話を投稿することにしました。高確率で年内最後の投稿です。
それではメリークリスマス!&よいお年を!
36景サンタより




