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土と回想1

初めまして?こんにちは~見切り発車だけど、なんとなく書こうと思ったから書いてみました~書こうと思った経緯は活動報告の方に多分載せますね~気楽にいこうぜ☆

 突然だが、俺は今おそらく土の中にいる。

 

 視界には光が一切なく体を動かそうにも動かせず、においを嗅げば土のにおい以外しないのだから多分、いや確実に土の中だ。


 ・・・・・・いや、何で??なんで俺は土に埋まってんの!?おかしいだろっ!!さっきまで()()()()()()()()()()()にいたんだぞ!?それが一体どうして...


 いやいや、こんな時だからこそ冷静になろう。思い出すんだ。さっきまでのことを......


≪遡ること5時間ほど前≫


「あぁぁ~~あぢぃぃぃ~~~づがれだ~~~」


 俺、●● ●●●は夏の強い陽射しが照りつけるなか、友人と二人で横に並んで歩いていた。



 いや、ちょっと待った。俺の名前は!?って、あれっ!?思い出せない!?ナンデ!?ありえない!ウヲォォォォもい出せ~...ダメだ、思い出せない...何でだよ...

『あの~続けてもよろしいでしょうか?』

[あぁ.........どうぞ........お好きなよーに.....って、うん?俺はだれと(しゃべ)

『んじゃ続けますね~』

[ぶった切りやがった!?てか誰!?こいつ誰!?誰か教えて!!]


≪気を取り直して5時間ほど前の記憶≫


俺たちは後輩の引っ越しを手伝った帰りだった。

「意外と早く終わったな~てか羨ましいなぁぁぁ恋人がいて、しかも同棲するなんてよぉぉぉ」


俺は恋人がいない歴=年齢の寂しい社会人だ。


「仕方ねえだろ。あいつは顔がいいだけじゃなくて性格もいいし社交的で気遣いもできる!欠点といえば少し抜けているところがあるぐらいで「そんな抜けたところがあるのも素敵♡」なんて言ってるやつを見たことがあったぞ」

と▲▲が笑いながら言った。


 ▲▲は俺の高校からの友人で社会人になった今でも連絡を取り合うほどの仲だった。ちなみに顔立ちはなかなか整っているほうである。


「そういうお前だって彼女いるじゃん」

「まあな。お前は?確か、この前電話で「職場で気になるのがいるんだよな~いっちょ告ってみるわ!」って威勢よく言ってたじゃねえか。あれからどうなったんだよ?」

「........い......だよ」

「なんて?聞こえなかった」

「彼氏がいたんだよ!!!しかも俺と同じ職場で隣の席のやつ!!!」

「あーなかなかしんどいな」

「そうだよ!翌日からすんごい気まずくなったよ!」

「えっと...なんかごめん」

「いいよ別に...もう過去の話だし...」

「よしっ!なら気晴らしにパーッと飲もうぜ!」

「そもそも引越しの手伝いが終わった後に飲みに行く予定だったろ?それにお前、酒弱くてすぐに吐くじゃん」

「細かいことはいいんだよっ」

「全然細かくないどころか被害を受けるのは俺なんだが...」


 などと取留(とりと)めのない話で盛り上がっていた。そんな時、俺は何気なく▲▲の奥を流れている川に目を向けると


「!?ヤベェ!!▲▲!救急車を呼べ!!」

「急に血相を変えてどうしたんだよって...ッ!?」


 俺たちの目には川で溺れている子どもの姿が映っていた。この川は地元では意外と底が深いことで有名で、昔から遊んではいけないと言い聞かされていた川だったのだ。


「●●!俺は救急車を呼ぶけど、お前はどうすんだよ?」

「俺はあの子を助けに行く」

「はっ!?バカ!!お前まで溺れって聞けよ!!行くな!おい!」


 俺は▲▲の必死な声を無視してショルダーバッグを投げ捨て、川に飛び込んだ。夏だからか少しだけ冷たい水が心地よかったが、人の命がかかっているため、そんなことは無視して脇目も振らず子どもの方に向かった。水を吸った服は重く、特にジーパンはバタ足に支障をきたすほど動かしづらい。


「ゼェ..ハァ..おい!..ゲホッ..助けに来たぞ!ハァ..ハァ..」


 恐ろしいことに大人の俺でも足がつかないほどにこの川は深いことに気づき恐怖と戦いながら、やっとの思いで子どものもとにたどり着き話しかけた。すると、子どもは俺にしがみついてきた。


「ハァ...ハァ...こ、こわかったよぅ...ぐすっぐすっ」

「怖かったのは分かるが服を掴まないでくれ。落ち着いてくれ。キミ、名前は?」

「ショウタ.....」

「翔太か良い名前だな。翔太、とにかくまずは落ち着いてくれ。必ず助かるからな」

「う、うん.....」


 俺は必死になだめながら沈まないように足を動かし続けた。


 迂闊だった。

 

 水難事故に遭遇した際、やってはいけないことの一つに【泳いで助けに行く】というものがある。これは溺れている人が助かるために近づいた人を掴んで沈め、その勢いで体を安定させ、空気を確保しようとするためである。もちろん助けに来た人も抵抗するため体力が消耗していき、その結果、助けに来た人を道連れに死んでしまうという二次被害が起きてしまう。間違ってはいけないのは溺れた人は沈めようとして沈めるわけではない。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()なのだ。


 というのをだいぶ前にテレビで見たことを今さらになって思い出した。今はまだ体力の差と体格の差で何とかなっているが、長引けば確実に二人とも沈むことは目に見えてわかっている。


「ハァ...ハァ....どうすればいいんだ...何かないか何か...これは!」


 何か助けになるようなものがないかポケットをまさぐってみると折りたたんだゲーセンのビニール袋があった。三角に折りたたんではいるがそこそこ大きい。以前UFOキャッチャーで大きな剣のようなものを取った時に店からもらった袋だ。本来は▲▲のゲロ袋用に持ってきていたものだった。


「これなら!」


と俺は急いで袋を展開し空気を取り込ませ、袋の口を手で塞いでいる状態で子供に渡した。


「翔太!この袋の口を両手で絞るように持って仰向けに浮くんだ!」

「う、うん。わかった」


 子どもはか細い声で頷いた。袋を渡すときに手を触るととても冷たかった。いくら夏とはいえ、水は冷たく少しの間なら心地いいが、長時間浸かっていると身体は冷えてしまう。よく見ると顎は震え、唇が紫になり始めている。


(どうすれば助かる!?救急車はまだかよ!?)


ポチャン


(?)


周りを見渡すとさっきまで絶対になかった釣り具のウキが目に付いた。


「おぉいダイジョブか~」


声のした方に顔を向けると釣竿を持った灰色髪の爺さんがいた。


「助けてくれ!この子の体がかなり冷えてんだ!」

「分かった!ウキの先にある針を引っ掛けな!」


 俺は急いでウキを近くに引き寄せ、針を子どもの服の首裏にあるタグの近くに引っ掛けた。もちろん針が首に刺さらないように針の先端は服の外に出るように配慮した。


「引っ掛けたぞ!」

「あいわかった!じゃ引き寄せるぞぉ!」


 そう言って爺さんはリールを巻き始めた。単純に水を吸って重たいだけなのかそれとも服が千切れないようにするためなのか、ゆっくりとしかし確実に巻き取っている。それに合わせて翔太も動き始めていた。

「これで大丈夫かな、キミこれからは気を付けるんだぞ」

「うん、わかった。ありがとう!おじさん!」

「おじ...!?」

 そう言った翔太の顔は助かることが分かったのか寒さで強張っていた顔が少し緩んでいた。


「お、おじさんか....まだピチピチの26なんだが...そ、そんなことより早く戻らねえと」


 俺は翔太の悪意なき一撃(おじさんよび)に動揺しながらも▲▲の元に帰ろうとしたとき、鼻先にピチョンと水滴が落ちてきた。


「まさか...」


 俺は嫌な予感を感じながら恐る恐る上を向くと今にも圧し掛かってきそうなほどの灰色の空が広がっていた。ゲリラ豪雨である。そう認識した瞬間、大粒の水滴が恐ろしいほど高速で大量に落ちてきた。


「ちょっウソ!?イタッ!痛い痛い痛い!!」


 俺は慌ててなりふり構わず泳ぎだした。ただでさえ冷たい水に浸かっているのに、このまま雨に打たれれば良くて風邪をひく、悪ければ低体温症になって子どものために呼んだ救急車に俺が搬送されることになるからだ。それはカッコ悪いから避けたかった。


 そんな●●に不運は続く!


「っ!?がぼっげぼった、たずげ」


 ●●の足が()ったのだ!冷たい水の中で筋肉が強張っていたことに加え、日ごろの運動不足が拍車をかけたのである!


(苦しい痛い冷たい苦しいキツイ痛い苦しいたすけて!)


 助けを求めようと口を開けば容赦なく冷たい水が喉を塞ぎ、流れ込んだ水はどんどん体を冷やしていく。突然足を()ったことによる痛みと思うように動かせない脚、豪雨による視界不良で●●はパニックを起こしていた。長時間冷たい水に浸かっているため体力はどんどん削られていく。


 その間▲▲は●●が方向を間違えないように必死に声を張り上げ応援をしていた。救急車を何度も呼んでいた。実はこの時、救急車の進行方向で交通事故が発生していて立ち往生していたため来れなくなっていたのだが、二人は知る由もなかった。


 .......そして●●は力尽きた。


(苦しい苦しい苦しいもう無理.........もっと生きて周りからチヤホヤされたかったな.......来世とかあったらいいな..............)


 そんな俗物的なこと(笑)を思いながら●●は死んだ。



【FIN】

 ごめんなさい...●●が中々死ななくて回想が長くなってしまいました...次回も回想回になりそうです...本格的な話は多分3話からじゃないかなと思います...更新は不定期ですが、温かく見守ってください


 作中に出てくる水難事故の話や役に立つものは概ね事実に即して書いているつもりですが、釣竿の爺ちゃんの辺りは爺ちゃんと釣竿が 特別 なだけなので本当に役に立つのかは分かりません。実際にできなかったからと苦情があっても困ってしまうだけなので悪しからず...


 最後に、感想のほどよろしくお願い致します。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 題名のセンスが素晴らしいと思いました。テンポが良く、読みやすかったです。爺さんと釣り竿がタフすぎて思わず吹き出しました。 [気になる点] 川で溺れて、土に埋まっているという展開が読めないの…
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