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お腹はすでにいっぱいだったのだが、両方とも食べた。
「もう何も食べられない」
「おいしかった?」とお母さん。
「うん」
「よかった、よかった」とお父さん。
「それじゃあもう寝ましょうか」
お母さんがそう言ったので、僕はびっくりした。
晩ご飯を食べたばかりなのに、もう寝るなんて。
まだお風呂にも入っていないのに。
「いや、まだ寝る時間じゃないよ」
お父さんが言った。
「今日は特別なんだ。もう寝なさい」
お父さんの声を聞いているうちに、なぜだか急に眠くなってきた。
それも我慢できないほどに。