エピローグ『宝剣と伝説』
焼け野原に1人だけ。
見回した所で動く物すら無いし、
ただ焼け焦げた地面が続いてるだけ。
ブレイダルはロミーに倒されたし、
他の全ては爆発に巻き込まれて蒸発したの。
何もする事が無いから、
仕方無しに唯一残った緑の上で寝転んで居る。
あっ、そうだ。
ボーンならまだ生きてるかも。
彼処は結界が張られてたはずだし、
きっと人も何人か居るよ、きっと。
瓦礫さえも残っていないへリル王国から、
故郷であった場所へあゆみを進める。
ロミーと楽しく会話した道が、
今は何も聞こえない。
魔物すら居ないのだ。
腹癒せに倒す事すら出来ない。
アフェリッサの森に一つだけある、
試験世界で最も大きな湖。
そこにロミーの遺産が残って居る。
「何者だ!姿を表せ!」
静寂の中で急に大声が聞こえてきたせいで、
腰が抜けてしまった。
みっともないなぁ、私。
「私よ、わーたーしー。
ロメディア・ハーキュリーズの妻の、
ヴェナ・H・ハーキュリーズよ」
「ヴェナ殿!なんと、主人と結婚なさっていたんですか!」
「最終決戦中にね。
貴方、確か精霊よね?
試験世界に生きて居る、
残りの人間って何人か分かるかしら?」
きっと崩壊したのは人間族の領地だけ、
きっときっと、他の種族は……。
「残念ながら100人未満です。
上昇傾向に入るのは間違いないでしょうが、
原初の世界と違うのは魔物も一掃された事です。
恐らくですが、10年もすれば文明が戻るかと。
それはそうと、ロメディア殿が神霊に昇華されたそうで」
「神霊?」
「試験世界の守護を任された者です。
つい先程ヘラクレス殿から変更されました」
ロミーが神様になったって事?
うーん、さっぱり分からないな。
「ところであの剣の名前、決まったの?
ロミーは決めかねてたけど」
「それについては、ロメディア殿から、
ちゃんと命名されましたぞ。
湖に返却されたから、という理由で名前が付けられましたな。
"コールブランド"と、銘されました。
私には見たことのない言語で銘でしたもので、
どのような付属効果が有るかは不明ですが、
当世全世界で、最も素晴らしい剣ということは、
間違いないということです」
コールブランドかぁ。
いいなぁ、なんか格好いいのかな?
「む?何奴だ!姿を表せ!」
びっくりした。毎回こう言う風に叫んでるのかな?
「ほう、ここか、宝剣が眠る場所は」
筋骨隆々の大男が、いい笑顔をしながら、
此方へゆっくりと歩みを進めてきた。
ボーンも迎撃行動に入ったが、
軽々と受け止め、余裕の表情で、
此方を睨みつけてきた。
「さて、余と少し語らおうではないか。
なに、神地園の酒も持ってきておるわ。
だから、一旦落ち着くといいわ」
彼はロミーの恩人だとか言う人らしく、
ロミーの過去を教えてくれた。
その上で、私をとある事に誘ってきたのだ。
これにて、異世界拳聖は終了です。
今までありがとうございました。




