間話 『女神と飲料』
「で、全部集めたのか」
あぁ、そうさ。全部集めたぜ爺さん。
神鉄に不壊金属、
それに魔鉄鋼もな。
神鉄に関しては、
苦労したよ。
全部テオトルの所為だ。
右腕が爆散した時は凄く驚いたし、
メリッサが乗っ取られた時の、
あいつに関しては一発殴ってやりたかったぐらいだ。
魂が体に近づいてきた。
俺は今まで男として生きてきたし、
男として死ぬつもりだった。
だが、この間の俺は確かにおかしかった。
少し考えると悪寒を感じる。
ヴェナは好きだ。
昔から、ずっと俺を支えてくれた。
メリッサだって好きだ。
彼女が居なければ俺はどこかで、
のたれ死んで居たかもしれない。
あまり考えたくない話題だな。
俺は俺だ。それで良いじゃないか。
よし、この話題はおしまい。
「なんじゃ?辛気臭い顔して?
まぁ良いわ。で、剣を作るんじゃが…」
「そこで私の出番って訳よ!」
ギーモンが驚きで顔を歪めた。
多分俺も同じような顔をしているだろう。
目の前にいるのは創造神テオトルだ。
この間の様に憑依しているわけではなく、
いつもの世界樹のところで見る姿だ。
「なっ!?テオトル様?
何故この様な場所に?」
ギーモンが珍しく使った敬語に、
メリッサが激しく動揺している。
「あんた、歳を取っても石頭ねぇ?
神鉄なんて、
試験世界の技術で加工出来る訳ないでしょ!?
やっぱり貴方より、ロミーの方が頭が良いんじゃないかしら?」
いつからこいつ、俺の事をロミーって呼ぶ様になった?
「って事でロミーたん。
鍛治ハンマー持ってきてあげたよ!
でも、君じゃ力不足かな?
あぁ、いや、鍛治の技術は要らないんだけど、
言葉の意味のままで、
筋力が足りないって意味ね。
だから、差し入れしに来たよ!
はい!地球製のね?
なんだっけ、これ。
プロ……プロマイド?」
「プロテインか?」
「そうそうこれこれ!
君の家から持って来たよ!
愛用品でしょ?」
懐かしいパッケージに入っている。
日本語で成分表が書かれ、
愛くるしい牛とマッスルな人の絵が書かれている。
言葉が出ない。
懐かしい、懐かしすぎる。
十数年間見ていなかったものが、
俺の手にあるのだ。
感慨深い。
なんだか今日はテオトル様が、
優しい女神様に見える。
「て、テオトル様!愛してるっ!」
抱きしめて、顔を埋める。
「ちょ、ちょっと!?
私、創造神よ?人間が触れて良いものじゃないのよ!?」
にやけた顔をしながら言われても、
信用できないな。
これからはテオトル様って呼ぼう。
いつか彼女と一緒に、旅とかしてみたいな。
さぁ、ハードなトレーニングだ。
気を引き締めて、体を引き締めよう。




