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第37話 『愛すべき礎』

「ろ、みぃ、わた、しはもう、駄目だぁ」


11個目の難行である、

人助けクエストを終えたのだが、

予想以上に忙しくなってしまい、

ヴェナも俺もクタクタと言うわけだ。


「申し訳ございません、お嬢様。

私の所為でお嬢様まで迷惑をかけてしまって……」

「良いのよ。でも今日1日は、

私の言う事をぜーんぶ聞いてもらうんだから!」


タノシミダナー。

ナニサレルノカナー。


まぁ、俺がカレーライスなんぞ作ったのが、

悪かったんだけどな。

最初は全然繁盛してなかったんだが、

カレーライスのスパイシーな匂いか何かに、

釣られたみたいで、

途中からは王都を思わせる賑わい様だった。


店長からはカレーライスの作り方を教えてくれと言われ、

カレーライスが獣人のブームになりつつある。


……これで良かったのだろうか。

異世界から変な干渉したとかで、

創造神ちゃんのおやつが減るぐらいか。

それなら……まぁ、良いか。


宿屋の方が騒がしい。

何かあったのだろうか。


「控えよ!我はワーザックであるぞ!

この者達に無償で寝床を提供せよ!

さもなくば反逆罪で流刑であるぞ!」


兎耳の獣人が内の犬っころと共に、

宿屋の前に立って居る。

普段なら、またナンパしてきたのか、

で済むのだが、

今回ばかりは違う。

あの兎からはとんでもない魔力を、

隠す気すらないのか、

惜しげも無く辺りに漂わせている。


「お嬢様、危険です。

私の後ろに御隠れください」

「えっ?どう言う事?」

「早くしてください!

大切な者を失いたくないんです」


此方も戦闘態勢だ。

魔力凝縮術マギア・コンデセイションを始める。

ふと気付いた。

変な魔法が使える。


今まで一度も闇魔法は使ったことがない。

だが、闇魔法の魔力回路が異様に発達して居るのだ。


だが都合がいい。

あの禍々しく忌々しい魔力を、

消す事が出来るかもしれない。


「はぁ……。其方、妾が何者であるか知っての行動であるか?」


兎が此方を向き、殺気を剥き出しにして居る。

ヴォーラフが必死に止めているが、

魔力は既に形になっている。


「すみませんが、此方もお嬢様を守らなければなりませんので」

「そうであるか。妾もこれから重要な旅があっての」


一瞬即発だ。

詠唱なんて呑気に言って居る場合ではない。

無詠唱で放たなければ。


暗黒の礎(ブラックホール)!」

魔王(ダークロード)


ぬおっ!!

なにこの魔法!?

1階位より強いんだけど!?

ってか制御が出来ないんですけど?


と言うより、相手の魔法も桁違いだし、

相手は世界トップランカーとかじゃないの?

強すぎるよ。この間の風魔法だったら、

簡単に負けてたよ。


「妾の魔法と相殺だと…?

其方、一体その力は何処から?」


こっちが聞きたいです。はい。

いつの間にか手に入れた魔法が、

持ってる中で最強の魔法だなんて、

思ってもみませんでした。


相手の魔法が吸い込まれ、

他の物も全てを飲み込もうとしているこの魔法は、

既に俺の手を離れているため、

もう駄目だ。詰みました。ばいばい!


「全く。あの女も人が悪いのぅ」


きたぁぁ!ギーモンさん!

待ってやしたよ?まったくぅ、心配したんすよぉ?


血塗られた英雄譚ブラッディヒロイックテール


やっぱあんたすげぇわ。

うん。一瞬だよ?

一瞬であんな巨大な魔法を消し去るなんて、

やっぱり人間業じゃないって。


「ふぅ、全く。またお尋ね者になる所じゃったな?はっはっは!」

「ギ、ギーモン殿!其方、何故そちらの肩を持つのだ!?」

「愛する孫娘じゃから」


答えは一言だった。

その言葉は、俺の気を抜くのには十分すぎる暖かみを持っていた。

気が抜けて魔力切れの状態に陥ると、

意識はゆっくりと遠のいて行った。


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