第29話 『創造の宮殿』
超展開で、すいません。
起きるとすっかり足は治っていた。
「おぅ、起きたか。
犬っころと嬢ちゃんは既に起きておるぞ」
犬っころとヴェナは、
既に絶望した顔をしている。
「ロミーにも話しておこう。
この山に登る理由は、
3つの難行を一辺に終わらせるためじゃよ」
「なるほど。その3つというのは?」
ヴォーラフが溜息をつきながら日が昇るのを見ている。
ヴェナに関しては呻き声を漏らしながら泣いていた。
「まずはバーガッジ草の入手じゃな。
この山の頂上に嫌という程生えておるのは、
周知の事実じゃな。
次に魔鳥の討伐じゃ。
魔鳥にも色々な種類があるが、
この山の魔鳥はバーガッジ草を食料の一つにしておる。
つまり獲物を横取りされたら容赦せずに襲われるじゃろうな。
最後は対人クエストの盗賊団の壊滅じゃな。
この山に登って来るものはほとんどおらん。
つまり盗賊団にとっては絶好の隠れ場所なんじゃ。
そこに壊れかけの魔法石を置いておく。
ロミーも知っておるじゃろうが、
魔法石の爆発は、
地形を変えるものから小爆発まで色々じゃ。
今回、儂が用意したのは地形を変えるレベルじゃな。
この山を壊せばヘリル王国にとって大打撃。
壊滅に一歩近づくじゃろうな」
この爺さん金貨5000万枚だけじゃ無く、
復讐も兼ねて動いてるのか……。
俺はちょっと楽観的だったのかもな。
アルクもメーネも投獄されてるんだっけ。
前世でも俺は父母を救うことが出来なかった。
せめてこっちだけでも!
【……ル…ップを確認……した。
ステ……タス上……。ワ……シス…起動。
創元の宮殿への介入を許可。
接続を開始します】
「何か言いました?」
「じゃからヘリル王国に大打撃を……」
俺は膝から崩れ落ち、意識を失った。
ギーモンがその気配に気付き、何かを叫んでいた。
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「やぁやぁ。ようこそ創元の宮殿へ!
歓迎するよ?ロメディアちゃん」
黒髪でツインテールの女性が空中に浮かんでいる。
目の前には巨木があり、
小窓が所々についている。
ここには前にも来たことがある。
確か大獅子討伐の時だ。
「ご名答!頭の回転が良くて助かるよ。
まぁ立ち話もなんだからさ、
あの宮殿の中に入ろうよ?」
ここは一体?それに君は?
ギーモンは?ヴェナは?犬は?
「全部宮殿の中で話してあげるよ。
地球人ってのは頭が堅いのが多いわけ?」
地球という懐かしい響きが聞こえたかと思えば、
真っ白い空間に女の子と二人で座っていた。
「さてと、色々説明したいところだけど、
時間がないし、今の君に起こっていることだけ教えよう!
そう!私こそ!創造神様です!
なんで君が呼び出されたかって言うとだね?
あの世界に少し新しい機能を入れようと思って。
たまたま地球で死んだ君を、
蘇らせて実験してみたわけ。
いわゆる被験体ってやつね。
まぁ今まで起動しなかったのは、
条件が整わなかったって所かな。
まぁそれについては追い追い話していくよ
……今回はここまで!
んじゃ、またねぇ!」
待った!名前を!名前はなんだ?
「ないよ、そんなの。好きなように呼んで」
創造神の声とともに、
再び深い眠りへと落ちていった。
最近意識を失いすぎてる気がして、
新しい表現を探して奮闘してます。




