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異世界拳聖 〜魔法と筋トレ始めました〜  作者: 英雄の原材料
3章 少女期 復讐の誓い編
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第23話 『ヴォーラフの過去』

どちらかといえば、説明回に近いです。

涙は枯れ果てたはずだった。


かつての友人に裏切られ、

前世でも今世でも家族を守れなかった悲しみが、

俺をこの一週間程、泣かせ続けていたのだ。


目が腫れ、充血し、

もう泣かないと誓ったのに、

涙はとめどなく、溢れてしまった。


「そんな、ヴェナ…なんで、ここに?」


喋ると余計に悲しい様な嬉しい様な、

複雑な感情になる。


ヴェナは俺の質問には答えず、

父であろう人物に、

この子を買うとだけ伝え、

去っていってしまった。


ヴォーラフに父親らしき人は金を渡し、

俺の手錠は外れた。

足枷は残っているものの、久々の自由だ。


「知り合いらしき人に買ってもらえて良かったな。

んじゃ、俺も付いて行くからよ。

あー、えっと、その……なんだ。

服でも着るか? 俺が奢ってやるよ」

「あぁ、その話なんだがね?」


父親らしき人は会話に横入りしてきた。


「彼女には侍女の様な役割になってもらおうかと思ってね。

服は私が用意しよう。

ヴォーラフさんもしばらく内で滞在するのであれば、

私がいくつか服を用意してあげましょうぞ?」

「まじかよ!?貴族の服なんか、

着たこともねぇよ!こいつ担当で正解だったぜ!」


ヴォーラフは飛び跳ねながら、

遠吠えをした。



ヴォーラフは元奴隷階級出身である。


昔ある心優しい貴族が、

身分を解放してくれたらしい。


それ以来、自分の様に苦しむような奴隷を作ってはいけない、

自分が解放してやると、

頑張って働いていたそうだ。


獣人の寿命は長く、

約200年とされている。

ヴォーラフは既に100歳程度だと言っていたが、

解放されたのは30歳の頃だったらしい。


この時代に優しい貴族などいるのだろうか。

もしかすると異世界人なのではないか?


いや、既に70年程前の事だ。

もし異世界人だとしても、

今は生きていないだろう。



「おいっ!行くぜ、ロミー!」


ヴォーラフは嬉しそうに、

足早に去っていった。


俺も急がなきゃな。


遠くに見えるヴォーラフの背中を見ながら、

なんだか不思議な気分になった。

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