第21話 『懐かしい顔』
目を覚ますと、背中を襲う痛みに悶えた。
両隣に兵士が座っており、
俺の手にはしっかりと手錠がかけられている。
「やっと起きたか。もう少しでヘリル王国だ。
大人しくしてろ」
右にいる兵士……兵士Aの言ってる事は正しく、
ここは既にアフェリッサの森の中だ。
ヘリル王国方面とウサの街方面は、
全く逆の方向にあるので、
俺は1日近く寝ていたことになる。
「なぁ、俺の背中ってどうなってる?」
兵士はため息をつきながらも、
俺の背中を確認してくれた。
「あぁ、こりゃひどい。
鞭で結構な回数打たれたろ?」
「まぁ…面会者に殴りかかったし、な。」
兵士Aは俺の目を見つめてくる。
同情のつもりか?俺は惚れないぞ。
「俺には、お前が悪いやつにゃ見えねぇな。
何が合ったんだ?教えてくれても?」
この兵士は、俺が何の罪で捕まってるのか知らないのか?
「……言って良いものなのか?」
「構わない。言ってくれ。」
俺は契約した精霊が暴れたこと、
それは間違いなく町長の策略であること、
冤罪で学校もクビになった事など、
包み隠さず伝えた。
兵士Aは、そうか、と言ってから何も喋らなくなってしまった。
そのまま馬車に揺られ数時間、
俺はヘリル王国へ入国した。
裁判は2日後の夜にあるらしい。
国家反逆罪であり、
国王とハーキュリーズ4家で、
直々に俺を裁くらしい。
俺はヘリル王国の城下町を歩いた。
数年前来た時と、全く違う雰囲気だ。
皆が俺を睨みつけ石を投げつけてくる。
俺は心が再び折れた。
泣きたかった。
ヘリル王国の地下には沢山の囚人が、
捕まっていた。
見張りの兵が複数人いるのだが、
その中の一人が何処と無く懐かしい顔であった。
ハリウスである。
既に王宮兵士になり、
囚人の見張りになっているのである。
それの比べて俺は、
冤罪で捕まってしまった。
しかしこれはチャンスなのではなかろうか?
見張りがハリウスの当番の時に話しかけ、
どうにかして脱獄の手伝いをさせる。
そうすればどうにか逃げられるかもしれない。
俺は残された裁判までの2日の間、
常に脱獄の方法を考え続けた。
ハリウスは俺のことを覚えているかどうかで、
俺の置かれている状況が変わる。
事情を説明して、利用しなければ。
一刻も早く逃げなければ。
俺は藁の上で、
寝る間も惜しんで脱獄について調べ続けた。
忙しい時期を抜けたので、
投稿スピードを元に戻したいと思います。




