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キネマトグラフ

珈琲と青い傘

作者: 水上 遥

ついさっき手紙が届いたよ

帽子を深く被った人が届けてくれました

僕はと言えば、最近は

生きることだけで精一杯です



相変わらず黒くて苦い飲み物が好きなので

お湯が沸いてから読むことにします

あいにく空は雨降り模様で

水が窓を打つ音が、僕のことを連れていきます






遠くに鉄塔が見える橋の上

淡い青の傘を持つ君は綺麗でした

白黒の世界でただ一つ色を持ち

それを目を細めて眺めているのが、好きでした







懐かしい文字は優しくて

思わず一人で笑ってしまいました

それがひどく悲しい事の様に思えて

今度は泣きたくなりました



僕の部屋は線路のすぐ近くにあって

四六時中小田急線の音が聞こえます

とても遠くに来てしまいました

ここでは部屋の中でも雨が降ります








遠くに鉄塔が見える橋の上

淡い青の傘を持つ君は綺麗でした

白黒の世界でただ一つ色を持ち

それを目を細めて眺めているのが、好きでした








あの頃の僕は本当に馬鹿で

強さは自分の中から生まれてくる物と思っていました

でも世界は依然として白黒のままで

もう苦いのは嫌なんです










遠くに鉄塔が見える橋の上

淡い青の傘を持つ君は綺麗でした

白黒の世界でただ一つ色を持ち

それを目を細めて眺めているのが、好きでした


好きでした












ついさっき手紙を出したよ

帽子を深く被った人が届けてくれるそうです


僕はと言えば、最近は……。

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