お昼食
雪紗は小さな手で障子の桟を触りながら、ゆっくりと部屋を見回した。
広い畳の上、低い木の机、窓の外に広がる庭――どれも、前の家とは比べ物にならない。
「……ここ、ひろいね……」
透き通る青緑の瞳で、雪紗は小さくつぶやいた。
白い髪を指でくるくると触りながら、まだ少し緊張した顔をしている。
玲子は静かに微笑みながら、雪紗を見下ろすように立っていた。
「ええ。あなたの家です。今日は少し中を案内してあげましょう」
廊下を歩き、奥の台所へ。大きな竈、きれいに並べられた食器、窓から差し込む光――
雪紗は目を輝かせ、そっと足を止める。
「……おいしそう……」
小さな声で呟く雪紗に、玲子は優雅に微笑む。
「今日は簡単な昼食を用意しました。たくさん食べなさい」
食卓に座ると、まだ少し落ち着かない様子で箸を握る。
でも、透き通る青緑の瞳が光を受けて輝き、白い髪が光を帯びるその姿は、幼いながらもどこか神秘的な雰囲気を放っていた。
玲子は隣に座り、静かに雪紗を見つめながら言った。
「少しずつ慣れていけばいいのよ、雪紗。今日はゆっくり、この家のことを知ってね」
雪紗は小さくうなずき、箸でご飯をつまむ。
まだ戸惑いながらも、新しい生活が始まったことを、胸の奥で少しずつ理解し始めていた。
窓の外の庭の緑を見ながら、雪紗はふと小さな声で言った。
「……ここ、すてき……」
玲子は微笑み、静かに頷いた。
「ええ、雪紗。ここであなたの時間が始まるのです」
雪紗は箸を動かしながら、白い髪と青緑の瞳に映るこの新しい家の景色を、まだ言葉にできないまま胸に刻んだ。
ちょくちょく文章、直してます。
投稿済みのものも。




