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お迎え

翌朝、雪紗は庭で小さな花を摘んで遊んでいた。

太陽の光を受けて、白い髪が柔らかく輝く。

兄姉はそれぞれ別の遊びに夢中で、母と父は珍しく家にいる。


門の向こうから、低く光を反射する車がゆっくり近づいてきた。

黒塗りの高級車、運転手が前に座っている。雪紗は目を大きく見開いた。


車が停まると、着物姿の女性―玲子―が優雅に降り立った。

雪紗は思わず立ち止まり、白い髪を揺らしてじっと見つめる。

「……お祖母様?」


お祖母様は微笑むように、しかし目には揺るがぬ力を宿して雪紗を見下ろした。

「おはよう、雪紗。今日から、私と一緒に過ごすことになるわ」


雪紗は首をかしげ、小さな声で答える。

「いっしょ……?」


玲子は頷き、手を差し伸べた。

「ええ。一緒よ。さあ、車に乗りましょう」


雪紗は少し戸惑いながらも、素直にうなずき、白い髪を揺らしながら手を取った。

車に向かう間、庭や家をちらりと見ながら歩く。

「……うん」


突如、玄関の扉が乱暴に開かれた。

雪紗がいないことに気づいた詩織達が駆けつけた。

詩織は髪を乱れさせながら声を上げる。

「お母様。本当に連れていく気なの。」


玲子は詩織達を一瞥し、雪紗が車の扉の前に立つと、雪紗に向かって微笑む。

「さあ、お乗りなさい」


雪紗は小さく息をつき、手を握ったまま車に乗り込む。

雪紗が車の乗るのに続いて玲子も車に乗る寸前、

後ろを振り向き、詩織達に向かって静かに言った。

「これからはしっかりと自分の子供を見ることね」


運転手が静かにドアを閉める音がして、黒塗りの車が滑らかに動き出した。

雪紗はまだ5歳ながら、これからの日常が変わることをなんとなく感じていた。


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