表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/125

番外編~繭花ちゃんたちの結婚式②~

出会いは、修学旅行の班決めだった。


 あの頃の私は長塚君が好きで、泣いてばかりいた。

そんな私に、いつも寄り添ってくれたのが繭花ちゃんだった。


 あの時、6人が同じ班にならなかったら――

私の人生は、きっと今とは違っていたと思う。


 あのクラスになって、ち~ちゃんと仲良くなって。

田川君が隣の席になって。


 あの日から続いている、今の幸せな日々。


 きっと私たちは、この先もずっと――

仲良し6人組でいられるんじゃないか。

そんなふうに思えた。


 


 繭花ちゃんが、祭壇の前でお父さんから石橋君の腕へと託される。


 ゆっくりと二人で祭壇を上り、牧師さんの言葉が響く。

私はその時点で、もう号泣していた。


 ベールが静かに上げられ、誓いのキス。

そして高らかに告げられる、結婚の宣言。


 フラワーシャワーの籠を手渡され、

バージンロードを歩く二人に花びらが降り注ぐ。


 涙が止まらない。


 披露宴会場へ移動する間も、ずっと泣いている私に、


「人の結婚式で、そこまで泣けるって、ある意味すごいな」


 呆れた顔で言う田川君。


「え? 私だって、お二人の挙式の時は号泣しましたけど?」


 ち~ちゃんがそう言うと、


「添田のは、『私のたまちゃんが~!』っていう涙だろ」


 田川君が苦々しく返す。


 


 披露宴会場の扉をくぐり、案内された席。


 そこには――

『田川 聡 様』『田川 優里 様』

と書かれたネームプレートが並んでいた。


 


「たまちゃん、ウエディングドレスたくし上げて走り回ってたよね」


 同じテーブルのち~ちゃんが言うと、


「式の途中で階段コケるしな!」


 小野君が続けて、二人で大爆笑。


「あれは、マジでビビった」


 田川君が肩をすくめる。


「まぁ、しばらくは大人しくしてないとね」


 ち~ちゃんがそっと触れた私のお腹には、

新しい命が宿っている。


「でも、たまちゃんもとうとうママかぁ~!」


 その言葉に、私は小さく微笑んだ。


「石橋たちより先に結婚するとは思わなかったな……」


 小野君がぽつりと呟く。


「え? 私は絶対早いと思ってたよ。

 コイツがたまちゃんを野放しにするわけないじゃん」


 ち~ちゃんが田川君を指差して、苦々しく言う。


「卒業と同時に結婚だもんね」


「コイツ呼ばわりかよ!」


「大学入るなり同棲始めるし。

 同じ大学なだけじゃなくて、ほぼ常に田川有り!

だったしさ。

 たまちゃん、本当に良かったの?」


 ち~ちゃんのぼやきに、私たちが顔を見合わせた、その時。


 司会者の挨拶が始まった。


 


 ふと、席札がカードになっていることに気付いて、裏返す。


──そこで、私は言葉を失った。


 そこに写っていたのは、

付き合い始めたばかりの、私たち二人の写真だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ