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夢の国デート④

「そこの二人! なにニヤニヤしてるのよ!」


私が真っ赤になって文句を言うと、ち〜ちゃんと新井君はわざとらしく私たちから視線を逸らし、


「今日は、いつもより暑いね〜」


なんて言いながら、パタパタと手で仰いでいる。


「もう! からかわないで!」


私が本気で怒ると、二人は顔を見合わせて大爆笑し始めた。


「ごめん、ごめん。だってさ、こんなに“女の子女の子してる”たまちゃん、初めて見たから」


笑いながら言うち〜ちゃんに、長塚君は意味が分からないといった様子で首を傾げている。


「あぁ、長塚君はこっちのたまちゃんしか知らないのか」


ち〜ちゃんはそう言って笑い、


「田川君が見たら、嫉妬しちゃうだろうな〜」


と、ぽつりと呟いた。


(ここで田川君の名前出す!?)


内心で焦っていると、


「たまちゃんと田川君って仲は良いけど、友達って感じだもんね。

こうして見ると、たまちゃんが“女の子”になれるのは、長塚君の前だけなんだね」


と、ち〜ちゃんが微笑みながら言った。


その一言に、思わず顔が一気に熱くなる。


「もういい! もういいから!」


手で顔を仰ぎながら叫ぶと、ちょうど新井君が予約してくれていたというレストランに到着した。


さすが夢の国。

飲食店はどこも混み合っていて、新井君には感謝しかない。


私たちはすんなり席に案内され、外の景色が眺められるおしゃれなレストランで食事をすることになった。


メニューを開いて、


「何にする?」


と、ち〜ちゃんと一緒にキャッキャと話していると、


「あれ? 長塚は何にするの?」


と新井君の声が聞こえてきた。


「あ、俺は……あいつと同じでいい」


そう言って、長塚君は私の顔を見る。


……そうなのだ。

長塚君は、一緒に出掛けると、いつも全部私に合わせる。


でも私は、長塚君の好みとか、好きな飲み物や食べ物を知りたい。


まあ、嫌いな食べ物がチーズやバターといった乳製品だということは知っている。

さっきも夢の国を歩いている時、ポップコーンの匂いに眉間に皺を寄せていたのを、私は見逃さなかった。


だから私は、にっこり笑って言った。


「じゃあ、チーズハンバーグ!」


その瞬間、長塚君の顔が見事に引き攣った。


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