夢の国デート
そしていよいよ、待ちに待った夢の国デートの日。
前回の初デートの待ち合わせでは、私が早く着きすぎて時間を潰し、五分前に行ったら、すでに長塚君が待っていたんだよね。
だから今回は、十分くらい前に着くつもりで家を出発した。
待ち合わせ場所に着いたのは、予定よりほんの少し早い時間。
すると、ほぼ同じタイミングで長塚君が姿を現した。
(……十分くらい前には来てたんだ)
そんなことを考えていると、
「あれ? 早いね」
と声を掛けられた。
「長塚君こそ」
そう返すと、
「俺? 朝は寝起きが悪いから、少し早めに行動するようにしてるんだよね」
少し眠たそうな顔をした長塚君と並んで、駅の改札を通る。
日曜日の朝はまだ人が少なく、二人並んで電車の座席に座ることができた。
電車が揺れるたび、長塚君の腕と私の腕が触れて、心臓がドキドキと音を立てる。
「朝は人が少ないね」
ぽつりとそう言われて、
「……うん」
と答えるだけで精一杯だった。
電車の窓に映る、並んで座る私と長塚君の姿を見て、なんだか胸がじんとする。
これ、他の人から見たら……カップルに見えるのかな。
そんなことを考えていると、
「何をそんなに真剣に見てるの?」
と、顔を覗き込まれた。
「あ……ちょっとね」
苦笑いを返すと、
「そんなに面白いもの、あったかな?」
首を傾げる長塚君。
「夢の国、楽しみだね」
「そうだね。混んでそうだけど」
二人でいる時の長塚君は、穏やかな笑顔で話してくれる。
「乗り物、平気な人?」
突然そう聞かれて、
「え?……実は高所恐怖症なんだよね。だから絶叫系とか、ちょっと苦手で……」
と苦笑いしながら答えると、
「へぇ〜。意外。好きそうなタイプだと思ってた」
と言われた。
(……長塚君の中での私のイメージって、どんななんだろう)
そう思っているうちに、乗り換えの駅に到着する。
並んで電車を降り、ホームを歩いていると、
「やっぱり夢の国行きの電車は、朝早くても人が多いね」
そう話す長塚君の横で、私は人混みを避けながら必死についていく。
身長一五四センチの私は、長塚君の歩くペースに合わせると、自然と早足になってしまうのだった。




