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消えない想いと、止まらないハプニング

が!

 失恋したら、諦められると思っていた。


 泣いて泣いて泣いて……。

 目が溶けるんじゃないかと思うほど、たくさん泣いた。


 でも……残念ながら、私の気持ちは失恋しても色褪せることはなかった。

 他に誰かを好きになれたらと思ったけれど、目が……心が……私の全部が、長塚君を求めてしまう。


 どうして人は、好きになってもらえない相手を、こんなにも好きになってしまうのだろう。


 同じクラスだから、毎日、嫌でも顔を見てしまう。

 それが余計に、諦めることを難しくさせていた。


 そもそもさ。

 長塚君の顔面偏差値が高いのが悪い!


 ……なんて、時々、逆恨みしてみたりもした。


 だけど、どうしても諦められなかった。

 告白して失恋したからって、すぐに諦められる相手なら、最初から告白なんてしていない。


 もう、隣を歩きたいとか、私を好きになってほしいなんて望まない。

 だからせめて……迷惑はかけないから、好きな気持ちだけは取り上げないでほしい。

 そんなふうに思うようになっていた。


 たとえ……

 好きでもない人に想われることが、長塚君にとって迷惑だったとしても。


 そして私は、長塚君を諦められるその日まで、ひっそり想い続けようと覚悟を決めた。


 告白するまで毎日続けていた挨拶攻撃もやめた。

 近づかず、話しかけず、一定の距離を保つ。


 ――いつか、この気持ちが思い出になる日まで。


 ……でも。

 私が「一人静かに」なんて、どうやら無理な話だったらしい。


 失恋してからというもの、長塚君と廊下ですれ違うだけで緊張しすぎて、

 なぜか転んでプリントを廊下にばら撒いたり。


 廊下掃除中、男子が遊んで投げた雑巾を踏んで滑り、転倒したところに、

 偶然――本当に偶然――通りかかった長塚君を下敷きにしてしまったり。

(あの時はもう……ひたすら謝った)


 ベランダで黒板消しをはたいていたら、風下の窓辺にいつの間にか長塚君がいて、

 盛大に咳き込まれたり……。


 そんな失態を、次々と重ねてしまったのだ。


 でも、これだけは言わせてほしい。

 わざとじゃないの。

 本当に、本当にわざとじゃない。


 それでもこんなアクシデント続きで、

 おそらく長塚君の中で、私はすっかり「変な女」になっているに違いないと落ち込んだ。


 神様の意地悪!

 ……と嘆いてみても、ついてしまったイメージは簡単には消えない。


 そのうち、長塚君は私とすれ違うたびに、

 「プッ」と吹き出して笑うようになってしまった。


(ガーン……もう終わりだ)


 ガッツリ落ち込んでいた私に、追い打ちをかけるような出来事が起こる。


 ――それは、学校の研修旅行に行った時のことだった。


 残念ながら長塚君とは同じ班にはなれなかったけれど、

 一緒に旅行に行けるだけでも、正直うれしかった。


 二泊三日の研修旅行は、サイクリングやキャンプファイヤーなどイベントが盛りだくさんで、

 亀ちゃんや理恵ちゃん、夏美ちゃんたちとの旅行というのも、楽しみの一つだった。


 学校に停まっているバスに乗り込み、研修センターへ向かう。


 初日は部屋の鍵を受け取り、荷物を置いてから寝具を取りに行く。

 各部屋の押し入れには、人数分の敷布団、掛け布団、毛布、枕。


 布団や毛布にはカバーがかけられていて、

 シーツを二枚、敷布団と毛布の間に敷いて、その中に入って寝るらしい。


 寝具の使い方や研修センターのルール説明を研修室で受けた後、

 今度は班ごとに分かれて、二日目に行われるレクリエーションの出し物準備が始まった。


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