『メタモルフォーゼ』
自分の前だけ本性出したりする子ってかわいない?
なかなかヘビィな朝だった。
その一言につきる。
朝食や登校の準備、その他諸々の際に色々とあったが割愛させてもらう。というか、思い出したくない。
『いってきます。』
「いってきます。」
「「「いってらっしゃい。」」」
挨拶も済ませ通学路を歩く。
「いい天気ねー」
モンスターが背伸びをする。
日光に浴びても大丈夫と言うことは鬼やら吸血鬼やらの類ではないのだろう。
「なにか失礼なこと考えてない?」
『滅相もない!それにしても本当にいい天気でよかったよ。』
雑念を読み取られないように無難に返す。
『あ、それと髪型似合ってるよ!短くしたんだね!目元も隠してないし。印象めっちゃ変わっててびっくりした。』
2人きりになったので気になっていたことを伝えた。
そうなのだ、彼女はイメチェンをしていた。
長かった黒髪は今は肩にかかるかかからないか程度の長さになっていた。
「ありがと…昨日あなたと別れてから美容室に行ってみたの…まさか予約もなしにすぐしてもらえるとは思わなかったけど運が良かったのかな?でも、すぐに褒めて欲しかったわ、それだけが残念。」
彼女は喜びながら少しだけ不貞腐れる。
器用な人だ。
『女性を褒め慣れてないんだよ…これでも頑張ったんだから許してください。』
こちらも少し不貞腐れ返してみる。
「ふふ、冗談よ。両親の前だと流石に恥ずかしかったんだよね?そういうところもかわいい♪」
よくご存知で…でも可愛いはやめてほしい。
背中がむずむずする。
しかし、そのままほのぼのタイムとは問屋が下さない。次は少し説教タイムだ。
『さて、それでは少し真面目な話をしましょうか。灯ちゃん。』
「外堀が埋めたかったから。ただそれだけ。何か悪い?」
昨日のあのお淑やかな君は一体どこへ行ったんだろうね…いや、そう言えばお淑やかだったの初めだけだったわ。
『外堀レベルじゃないよ。もはや内部まで侵食してるじゃん。しかもうちの両親に短時間で気に入られてるし…本当に計り知れないな君は(苦笑)』
「お褒めに預かり光栄ですわ。今後ともよろしくお願いします。」
『いや、褒めてないからね!言いたいのは苦情だから!僕だって色々灯ちゃんのことを考えて行動するつもりだったのに…』
本当は今日、彼女のことを両親に話その後紹介するよ予定だったのだから。積極的になるのはいいことだが少しは僕のことも信頼してほしいものだ…
こちらもこちらで計画があるのだから。
「だめよ。」
『え?』
「1人で考えないで。私のためならちゃんと私に言って。」
『それは…確かにそうだけど…』
「私のことを考えてくれるのはとっても嬉しい。本当に…でも、そのために1人で考えすぎないで。私のためならちゃんと私をみて。1人で考えて悩む時間があるなら私と話して。共有して。同じ景色をみていくのでしょう?」
グゥの音もでなかった。
昨日僕が言ったことを彼女は忘れずに覚えててくれた。
『ごめんね。確かにその通りだった。改めるよ。』
「でも、私もごめんなさい…急にお邪魔するのは流石にやりすぎたわ…」
そこの良識はあったのか…
「失礼ね。いれるわよ。」
『なにを!!?』
「籍」
『昨日から思ってたけど過激すぎるよ!思考が!あと、キャラ変わりすぎだよ!言葉ももっとお淑やかだったよね?』
何が彼女をここまで変えたのだ…
髪型か?髪型で性格も変わるのか?
丸坊主にすればおとなしくなるのか?
いっそのこと丸坊主にしてやろうか?
「私を変えたのは真城くんよ。オドオドしてばかりじゃダメだと思ったから。少しだけ口調も変えてみたの。強い女性のイメージをと。当分はまだ、あなたの前だけになるけど…似合わなかったかしら?」
『似合わないってことはないけど…随分と思い切ったね。』
「あなたのおかげよ。責任取りなさい。」
『そこはスルーさせてもらうね!あとさ、その強い女性のイメージってもしかして…』
「ええ、◯美ほむら。」
『え〜…めちゃくちゃ自分と投影しとるやん…』
まぁ確かに最初はオドオドしてたし、キャラ的にはわからなくはないけど…
まぁ、仕方ない。
彼女が決めたなら最後まで付き合うのが僕の仕事だ!応援するか!
彼女の幸せのために。
でもそのキャラだと不幸になるぞとかのツッコミはしません。野暮だろ?
『それはそれとして僕にもちゃんと相談はしてよね。今後何かするときは。』
「束縛の強いカレピッピ♪」
『まだ付き合ってないよ!!』
灯ちゃん無事おもしれー女デビュー。
今後が思いやられるよ〜こんちくしょー
心機一転、びっくりされるかもだけど彼女もかなり変えてみました!ギャグやりやすくなるから許して




